市長報告(令和8年9月定例会)
はじめに
本日、ここに令和8年第5回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案2件、補正予算案5件、人事案1件、契約案1件、決算認定9件の計18件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
それでは、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、8点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。
令和8年熊本地震など被災地への支援
1点目は、令和8年熊本地震など被災地への支援について、ご報告申し上げます。
7月28日に発生した令和8年熊本地震では、38名の尊い命が失われ、5万5,000棟を超える住宅が被害を受けるなど甚大な被害が発生しました。また、先月13日から14日に発生した令和8年8月千葉豪雨においても、13名の尊い命が失われ、住宅被害は、床上、床下浸水を含め、4,800棟を超えています。改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。
蕨市では、被災地支援に向け、熊本地震については、震災発生の翌日から公共施設に災害義援金の募金箱を設置するとともに、蕨駅の東西口などで街頭募金を実施し、昨日までに、蕨駅での街頭募金158万3,345円を含めて、233万1,114円もの義援金が寄せられました。義援金は、その全てを、日本赤十字社を通じて、被災地へと送らせていただきましたが、改めて、ご協力いただいた皆さんに心から感謝申し上げます。
また、千葉豪雨については、本日より、公共施設に災害義援金の募金箱を設置したところです。
被災地の一日も早い復旧、復興を願うとともに、引き続き、市として、被災地支援に取り組んでまいります。
「織りなすクーポン第3弾」の実施状況
2点目は、「織りなすクーポン第3弾」の実施状況について、ご報告申し上げます。
依然として厳しい物価高騰が続くなか、蕨市の新たな物価高騰対策である織りなすクーポン第3弾の利用が、先月1日より、始まりました。この事業は、全ての市民の皆さんに1人7,000円分の暮らし応援券をお届けするもので、クーポン券は、7月に、民間の配送事業者を通じて各ご家庭に配送させていただきました。不在などにより、受け取ることができなかったご家庭については、先月6日より、商工観光課窓口でお渡ししていますが、9月中旬には勧奨通知の発送も行う予定です。
利用期間は8月1日から10月末までの3か月間、利用できるお店は、スーパーなど大型店13店を含む、市内420以上の取扱店舗となっており、共通クーポン5,000円分は、全ての取扱店舗で、専用クーポン2,000円分は、大型店を除く取扱店舗でご利用いただけます。
厳しい物価高騰のなか、全ての市民の皆さんの家計を応援するとともに、市内経済の活性化・市内事業所の支援につながるものと期待しています。
また、織りなすクーポン事業の一環として、抽選で1,000人の蕨市民の皆さんに織りなすクーポンの専用クーポン1,000円分が当たる「織りなす×蕨市公式LINEコラボキャンペーン」を実施しましたが、9,336人の応募をいただき、市公式LINEの友だち登録者数は、キャンペーン前の9,887人から1万6,347人へと大幅に増加しました。今後、抽選を行い、今月中旬に当選者のご自宅にクーポンをお届けする予定ですが、こうした取り組みを通じて、更なる地元商店の振興を進めていきたいと思います。
市立病院の経営改革及び新病院整備事業
3点目は、市立病院の経営改革及び新病院整備事業について、ご報告申し上げます。
物価高騰や人件費の高騰などの影響により、全国的に病院経営が大変厳しさを増す中、蕨市立病院においても、昨年度、初めて、基準外の繰出金を余儀なくされるなど、厳しい経営状況となっています。蕨市立病院では、こうした経営危機を打開し、将来にわたり地域の中核病院としての役割を果たすとともに、安定した経営の中で、市立病院の建替え事業を進めるため、2月に「経営危機打開プラン」を策定し、7月1日付けで院長に就任した木内新院長を先頭に、職員一丸となって、さまざまな取組みを推進しています。
まず、入院患者の受入れ強化では、断らない救急を理念に掲げ、救急受入体制の整備をすすめ、今年度、8月末時点で、昨年同時期と比較して、救急車の受入れ率は54.2%から91.2%に、受入件数は318件から664件へ大幅に向上し、1日平均の入院患者数も、80人から98人に改善しています。
また、外来患者増に向けた取組みでも、平日午後の一般診療の拡充をはじめ、在宅訪問診療や睡眠時無呼吸症候群の検査・治療の開始、膝関節専門外来や物忘れ外来の開設、小児科一般外来のインターネット予約の開始、小児予防接種の土日実施、胃がん検診内視鏡検査の土曜実施など、医療サービスの充実を図り、1日平均の外来患者数は、同じく8月末時点で、前年度の308人から321人へと増加しています。
今後も、救急車の受入れの更なる強化や近隣の高度急性期病院をはじめとする医療機関、福祉施設等とのいっそうの連携を図るとともに、午後の外来診療や新たに開始した医療サービスの更なる周知、患者の利便性向上につながる新たな取り組みを進めるなど、引き続き、プランの目標である基準外繰出金の解消に向けて、全力で取り組んでまいります。
次に、新病院整備事業でありますが、この間、外部アドバイザーの助言もいただきながら、昨年度策定した基本設計案の検証、見直しを行ってまいりました。
その概要といたしましては、将来的な医療需要を踏まえ、病床数を120床から108床に見直すとともに、入院環境と感染症対策向上のため病床の個室を全病床数の半分程度に増やしたほか、感染症外来の配置を改善し、医療スタッフの動線の最適化を進めました。また、人工透析につきましては、近隣の民間病院、クリニックの状況を含め、県南部医療圏において、受入れ体制の充足が見込まれることから新病院では廃止とし、それに加えて、延べ床面積の削減や設備の見直しなどコストの更なる削減を図り、概算工事費は、2億700万円減の約84億9,300万円となりました。
これらの検証結果につきましては、7月16日に議会への報告を行い、22日には病院整備特別委員会でご質問やご意見をいただき、これらを踏まえて7月末までに基本設計の策定を完了し、先月1日からは実施設計に着手したところです。このところ、熊本地震をはじめ、全国で地震が多発していますが、市立病院の移転建て替えは、市内唯一の2次救急病院である市立病院の耐震化と老朽化対策を図り、将来にわたり、地域の中核病院として、市民の命と健康を守っていく上で欠かせない事業であり、今後、今年度中に実施設計を完了させ、令和9年度の着工、令和11年度の新病院開院を目指して、着実に取り組みを進めてまいります。
蕨駅東西口周辺における防犯パトロールの強化
4点目は、蕨駅東西口周辺における防犯パトロールの強化について、ご報告申し上げます。
蕨市では、町会や地域の皆さんによる防犯パトロールをはじめ、街なか防犯カメラの増設や家庭用防犯カメラへの補助、飲料メーカーと連携した防犯カメラ機能付きの自動販売機の設置に加え、昨年度からは、帰宅時間帯を中心に蕨駅東西口周辺で青色防犯パトロールを実施するなど、防犯対策の充実に力を入れてまいりました。
こうした取り組みにより、蕨市内の犯罪件数はピークであった、平成15年の年間3,046件から、昨年は686件と大幅に減少しておりますが、今年7月から、更なる犯罪抑止力の向上や市民及び駅利用者の安心感の向上を目的に、警備会社による徒歩での巡回パトロールを開始いたしました。
新たな取り組みとなる本事業は、原則、木曜日から土曜日までの週3日、帰宅時間帯である午後6時から11時まで、警備員が2人1組で蕨駅東西口周辺を巡回し、犯罪防止に加え、路上喫煙やたむろなど、迷惑行為への注意喚起も行いながらパトロールを実施しています。委託している警備会社によると、注意喚起の実施件数は、開始から2か月間で140件となり、状況改善につながっているとの報告を受けています。
今回の徒歩での巡回パトロールの開始に伴い、蕨駅東西口周辺においては、青色防犯パトロールとあわせて、日曜日を除く毎日、防犯パトロールを実施する体制に拡充されております。
引き続き、市民の皆さんの安全安心に向けて、防犯対策に全力で取り組んでまいります。
市民会館コンクレレホールのリニューアル
5点目は、市民会館コンクレレホールのリニューアルについて、ご報告申し上げます。
市民会館コンクレレホールは、昭和49年11月にオープンして以来、50年以上にわたり、蕨の芸術・文化の拠点として、また、成年式や敬老会など、様々な事業の舞台として、多くの市民の皆さんに親しまれてまいりましたが、改修工事を終えて、先月より、リニューアルオープンいたしました。
まず、観客席は、幅が広く、ゆったりと座れる座席に更新するとともに、車いすからの乗り降りがしやすい座席の設置や段差の大きい後方席への手掛けの設置などバリアフリー化も進めました。また、舞台床は、ひのきの床材で新調され、舞台照明もより多彩な演出ができるようになりました。更に、ホールのグランドピアノは、音楽のまち・蕨にふさわしく、世界の名だたる音楽ホールで採用されているスタインウェイのピアノを導入いたしました。
そして、先月2日、県内初のプロオーケストラであるチェンバーオーケストラ蕨による、こけら落とし記念公演が行われ、500名を超える皆さんがホールに響き渡る美しい調べを心ゆくまで楽しむひとときとなりました。
先月末からは、市民音楽祭が始まり、今月にはお年寄りを敬う会が開催されますが、新たな装いとなったホールを、多くの市民の皆さんにご利用いただき、音楽のまちづくりをはじめ、蕨の芸術、文化、市民交流の更なる振興をすすめていきたいと思います。
蕨市公式SNSの充実
6点目は、蕨市公式SNSの充実について、ご報告申し上げます。
蕨市では、時代に合わせた広報戦略として、より幅広い世代に市政情報や蕨の魅力を発信するため、市公式SNSの充実を進めており、これまでの市公式Youtube、Xに続き、昨年10月1日から市公式LINEを、更に、今年6月1日からは市公式Instagramを開設いたしました。
まず、市公式LINEにつきましては、既にご承知のとおり、暮らしの情報、蕨のイベント、緊急情報など、個別のニーズに応じて蕨の最新情報を配信しているほか、画面内にメニューを設け、 市ホームページと連携して、防災やごみ、子育てポータルサイトなど、ニーズが高いと思われる情報にアクセスしやすくしています。今年3月に実施したアンケートでは、配信頻度について88.0%の方が「おおむね適当」、総合的な満足度では、「満足」「やや満足」「普通」の評価があわせて96.2%となっています。利用者からは、「イベントや防災など、いろいろな市の情報が手軽に得ることができて助かる」などの声が多く寄せており、担当課からは、一部のイベントの参加者が増えたとの報告も受けています。今年度は、メニューに「織りなすクーポン」情報を設け、取扱店舗を掲載するなど、その更なる活用を進めていますが、友だち登録者数は、昨年実施した友だち登録キャンペーンや今回のコラボキャンペーンの効果もあり、この1年で市の人口の2割相当にまで大きく広がっています。
更に、6月から開設した市公式Instagramでは、蕨の魅力や旬な情報を市内外に発信するとともに、特に子育て世代や若い世代の皆さんにも蕨を身近に感じ、地域への愛着や誇りにもつなげていただこうと、親しみやすい写真やショート動画を用いた配信を行っています。これまでに各種イベントやわらびりんご、蕨ブランド品など、35件の投稿を行いましたが、フォロワー数も現在、1,334人と順調に伸びており、コンテンツによっては1万件を超える再生数をいただいています。
蕨市では、これからも、便利で、市民の皆さんに親しまれる市公式SNSを目指して、効果的な運用と活用を進めていきたいと思います。
蕨・リンデン市民交流50周年・友好都市盟約25周年記念式典
7点目は、蕨・リンデン市民交流50周年・友好都市盟約25周年記念式典について、ご報告申し上げます。
蕨市とリンデン市の交流は、昭和52年に始まった市民交流を原点とし、ホームステイや隔年での相互訪問、平成12年から始まった国際青少年キャンプなどを通じ、市民同士の友情が積み重ねられ、その歩みが平成14年の友好都市盟約締結へとつながり、現在に続いています。
先日、6月22日から7月2日まで、第12回ドイツ・リンデン市定期訪問が行われ、リンデン市で「蕨・リンデン市民交流50周年・友好都市盟約25周年記念式典」が開催されましたが、私もヴェーデマン・リンデン市長からの招待を受け、蕨市訪問団の一員として参加しました。
記念式典では、フランクフルト総領事館の伊藤領事ご臨席のもと、蕨市とリンデン市双方の市、市議会、協会の6者が盟約書に調印しました。市民交流50周年、友好都市盟約25周年という歴史的な節目を迎え、交流を支えてこられた両市の関係者、市民の皆さんに心から感謝するとともに、この友情を次の世代へ引き継ぎ、更に発展させる決意を新たにしました。
今回の訪問では、記念式典をはじめ、市民交流やホームステイ、文化施設の視察などを通じて親睦を深めましたが、訪問先の至るところで温かい歓迎を受け、半世紀にわたり育まれてきた友情と信頼の深さ、この交流の意義を改めて感じることができました。このような国や文化、言葉の違いを超えて育まれた友情は、相互理解と平和につながるかけがえのない財産であると思います。
来年は、蕨市で国際青少年キャンプを開催し、リンデン市の青少年を迎える予定ですが、若い世代が新たな友情を育み、この交流が更に広がることを期待しています。50周年を新たな出発点として、これからも市民の皆さんと、この歴史ある友好の絆を大切にし、交流を更に発展させてまいります。
国際青少年キャンプ inわらび
8点目は、国際青少年キャンプ inわらびについて、ご報告申し上げます。
国際青少年キャンプは、未来を担う青少年が、国際性を養うとともに、国を越えた友情の輪を広げることで、世界の平和に寄与することを目的とし、毎年夏に開催しています。
20回目を迎えた今回は、蕨市の姉妹都市であるアメリカ・エルドラド郡の青少年をお迎えし、8月4日から6日のキャンプは、初めて、災害時相互応援協定を結ぶ山梨県笛吹市を会場として、笛吹高校の生徒も交え、総勢52名で実施をいたしました。キャンプでは、富士山の自然に触れる体験や地域の歴史・文化を学ぶ機会をはじめ、すいれき太鼓の体験や笛吹川石和鵜飼の見学、ぶどう狩りなど、笛吹市ならではの多彩なプログラムが行われました。7月31日から8月8日までの全体の交流期間の中では、3日間のキャンプ期間のほか、市内散策や東京見学、バスハイクなどの体験を共にするなかで、青少年達は、積極的にコミュニケーションに挑戦し、言葉や文化の違いを越えた交流を深めることができました。
先月30日には、報告会が行われましたが、青少年達にとって、キャンプ事業で生まれた友情や互いに学び合った体験は、大変貴重でかけがえのない経験であり、自分自身の世界を大きく広げるきっかけとなったことと思います。この経験を青少年の皆さんの将来に、大いに生かしていただきたいと心から願っています。キャンプ開催にあたり、アメリカ・エルドラド郡の青少年の受け入れにご協力いただいたホストファミリーや国際交流事業実行委員会の皆さんをはじめ、ご尽力をいただいた全ての関係者の皆さんに心から感謝を申し上げます。
以上、簡単ですが、令和8年第5回蕨市議会定例会における市長報告といたします。
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