市長報告(令和元年9月定例会)
本日ここに、令和元年第4回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案9件、補正予算案2件、人事案1件、その他2件、決算認定9件の計23件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますようお願い申し上げます。それでは、ここで、先の定例会から今日までの市政の取り組みや、当面する課題など7点につきまして、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。
1点目は、内閣府交通安全功労者表彰の受賞についてご報告申し上げます。交通安全功労者表彰は、交通安全の確保及び交通安全思想の普及に貢献し、顕著な功績のあった個人・団体、市区町村を交通対策本部長である内閣府特命担当大臣が表彰するもので、第49回目となる令和元年度の表彰式が8月26日に行われ、蕨市が市区町村の部で受賞しました。蕨市としては初めての受賞であり、県内の自治体では、9年ぶり、2市目となります。この間、蕨市では、全国交通安全運動をはじめ、自転車安全利用条例の制定、スタントマンによるスケアードストレイト交通安全教室の開催、交通関係団体を通じた高齢者世帯への訪問、更には、ゾーン30の整備、道路診断に基づく交通事故多発地区整備事業など、さまざまな交通安全対策に取り組んでまいりました。今回の受賞は、こうした取り組みを通じて蕨市内の交通事故件数が他の都市部に位置する市や町と比較しても非常に少ない件数を維持しているなど、目に見えた効果を上げてきていることが評価されたものであります。今年に入ってからも、市内の人身事故件数は減少傾向にあり、7月末現在では63件と、昨年に比べ13・7%減っており、引き続き、交通事故減少に向けて、交通関係団体をはじめとする市民の皆さんや警察と連携しながら交通安全の取り組みを進めてまいります。
2点目は、幼児教育・保育無償化への対応についてご報告申し上げます。本年10月から国による幼児教育・保育無償化が開始されることとなります。市では、この間、幼児教育・保育無償化に向けて、システム改修のほか、制度の周知などに取り組むとともに、今議会においては、関連する経費についての補正予算案を上程いたしました。また、現在、無償化の対象となっていない、幼児教育類似施設のひかり幼稚舎については、幼児教育の重要な役割を担う施設の一つであることから、今後も、ひかり幼稚舎に通園する児童の保護者に対する補助金を継続していくための条例案も併せて上程いたしました。本来、幼児教育・保育無償化は、子育て世帯を応援し、社会保障を全世帯型へ抜本的に展開するためのもので、重要な少子化対策として全ての保護者負担の軽減を図るべきものであることから、市では、この間、国において、幼児教育類似施設も無償化の対象とするよう、県市長会を通じた要望や文部科学省への要望のほか、蕨市議会議長及び副議長とともに、地元選出の国会議員である田中良生内閣府副大臣を訪問し、要望を行ってまいりました。今後も引き続き、国の動向を注視するとともに、ひかり幼稚舎の相談に乗りながら、対応してまいりたいと考えています。
3点目は、プレミアム付き商品券事業の進捗状況についてご報告申し上げます。本事業は、10月1日からの消費税・地方消費税率の引き上げによる低所得者や子育て世帯への消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起・下支えすることを目的として、プレミアム付き商品券の販売を行うもので、蕨市、蕨商工会議所、蕨市にぎわいまちづくり連合会が商品券事業委員会を組織し、実施に向けた準備を進めています。商品券の名称は、蕨市の地域資源である双子織の応援キャラクターである「ふタコ」の名を用いて「ふタコ商品券」とし、利用期間は10月1日から来年2月29日としています。発行総額は、3億7750万円を予定し、プレミアム率25パーセントの上乗せ方式となっており、発行券は、額面500円券10枚綴りを1冊とし、4000円での販売となります。購入対象者は、平成31年度分の住民税が非課税の方と平成28年4月2日から令和元年9月30日までの間に生まれた子どものいる世帯の世帯主で、購入限度額は、住民税非課税の方は一人に付き5冊まで、子育て世帯の方は、該当する子ども一人につき5冊までとしています。住民税非課税の対象と見込まれる方には、今月、商品券購入引換券の申請書を送付したところで、今後、申請書が戻り次第、審査を行い、9月中旬以降に商品券の購入引換券をお送りすることとしています。子育て世帯の方は、申請の必要はなく、9月中旬以降に購入引き換え券をお送りします。商品券の販売場所は、商品券利用開始前後の9月26日から10月4日までは、蕨商工会議所に特設会場を設置するとともに、それ以降は、蕨商工会議所が立ち上げた「蕨ブランド協会」が中央3丁目にオープンさせる「蕨セレクトショップ」となります。また、商品券が使える店舗については、現在、加盟店を募集しており、8月29日現在、122店舗となっています。本商品券事業が、低所得の方や子育て世帯の皆さんの暮らしと、市内商業の活性化の一助となることを期待しています。
4点目は、国際青少年キャンプ イン わらびについてご報告申し上げます。国際青少年キャンプは、未来を担う青少年が、国際性を養うとともに、国を越えた友情の輪を広げることで、世界の平和に寄与することを目的とし、毎年夏に開催しています。17回目を迎えた今回は、8月1日から3日までの期間で、今年3月にふれあい交流協定を結んだ栃木県大田原市の宿泊施設でキャンプを行いました。参加した青少年は、蕨市はもとより、蕨市の友好都市であるドイツ・リンデン市やリンデン市と友好都市であるドイツ・マッヘルン市、ふれあい交流協定を結ぶ群馬県片品村に加え、大田原市の青少年も加わり、総勢55名となりました。キャンプでは、それぞれのまちの青少年たちによるダンスや歌などのパフォーマンス披露をはじめ、習字や浮世絵づくりなどを通じた日本文化の紹介、星空観察、花火大会など、豊かな自然に囲まれた環境の中で、伸び伸びと交流を深めました。また、大田原市の一大イベントである与一祭りにも参加することができ、大田原市の青少年や保存会の皆さんに教わった与一踊りを披露し、大きな拍手を浴びました。3日間のキャンプ期間を含めた7月29日から8月7日までの全体の交流期間の中では、海外青少年プログラムとして、市内巡りや東京見学、バスハイクなど、盛りだくさんの内容で交流を深めました。青少年たちにとって、キャンプ事業を通じた交流は、大変貴重でかけがえのない経験であり、自分自身の世界を大きく広げるきっかけとなったことと思います。この貴重な体験を青少年の皆さんの将来に、大いに生かしていただきたいと心から願っています。キャンプ開催にあたり、ドイツ青少年の受け入れにご協力いただいたホストファミリーの皆さんをはじめ、国際交流事業実行委員会やWICA、蕨独リンデン市民交流協会、蕨エルドラド姉妹都市協力会など、すべての関係者の皆さんに心から感謝を申し上げます。
5点目は、民間留守家庭児童指導室の開設に向けた取り組みについてご報告申し上げます。留守家庭児童指導室については、年々増加する利用ニーズに対応するため、平成28年度から2か年で7室を開設するなど、10年前の7室から16室へ増設してまいりました。しかしながら、利用希望者は更に増加し、定員を超えた受け入れの対応も難しくなってきたことから、今年4月に中央東小・南小を対象とする民間留守家庭児童指導室を1室開設したところであります。今年度も、定員を大きく超えている地域を中心に、7月から8月にかけて公募を行い、3つの事業者からの応募をいただきましたので、今後、審査・選考を行い、来年4月の開設に向けて整備に対する必要な支援を行ってまいります。
6点目は、去る7月31日に、医療用医薬品等の卸売り事業大手であるアルフレッサ株式会社との間で、「包括連携に関する協定」を締結いたしましたのでご報告申し上げます。内容は、高齢者、障害者及び子どもの見守りや、認知症の人とその家族を支える地域づくりに関すること、健康づくりの普及啓発に関することで、同社との包括協定は、蕨市が初めてとなっております。本協定によって、同社による、市内医療機関や保険薬局、老人福祉施設への医薬品・介護用品などの配送といった、業務中の見守りとともに、蕨市が実施している認知症予防や健康づくり事業と連携した取り組みが期待されます。まずは、9月の世界アルツハイマー月間にちなんで実施する、市庁舎1階ロビーでの認知症啓発パネル展において、同社からは、市民の皆さんに認知症を理解していただくための認知機能トレーニング機器を貸し出ししていただくことになっていますが、今後も、こうした連携を深めながら、子どもからお年寄りまで、すべての市民が健康で安心して生活できるまちを目指した取り組みを進めてまいります。
7点目は、市民音楽祭についてご報告申し上げます。蕨は市民の皆さんによる音楽活動が大変活発であり、そうした、蕨の持つ魅力を更に高め、音楽を通じた、より魅力的で住みよいまちを目指して、平成27年度から、蕨市民音楽祭に取り組んでいます。今年、第5回目を迎える市民音楽祭は、この間準備を進め、明日から2日間、蕨駅前ロータリーや市民会館、店舗など、市内13か所を会場に、21のイベントが繰り広げられます。毎回、市民音楽祭を大いに盛り上げていただいている市内在住でアルトサックス奏者の坂田明さんは、今回、息子さんでドラマーの坂田学さんとの親子ライブを開催するほか、昨年に続きオープニングを飾る迫力ある演奏のスティールパンバンドや、市内中学校吹奏楽部、蕨市音楽家協会のアーティスト、おやじバンドなどが出演し、ジャズやポップス、クラシックなど、さまざまな音楽に親しめます。昨年の市民音楽祭で好評を博した「昭和歌謡~紅白歌合戦」は、会場をくるるから市民会館大ホールへと移し、予選会に参加した73組の中から選ばれた44組によるパフォーマンスが見どころとなっています。また、ホワイエでは、昭和時代のレコード展示やテレビ番組の上映などを行う「昭和おもいで博覧会」を同時開催し、歌合戦を盛り上げます。こうした、数々の音楽ステージのほかに、わら音横丁(わらおん よこちょう)などの食のイベントもあります。ぜひ、多くの市民の皆さんに、蕨の素晴らしい音楽を楽しんでいただくとともに、賑わい創出や蕨のイメージアップにつなげていきたいと思っています。
以上、簡単ですが、令和元年第4回蕨市議会定例会における市長報告といたします。 ありがとうございました。
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