市長報告(令和6年9月定例会)

ページ番号1010794  更新日 令和6年9月2日

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はじめに

 本日、ここに令和6年第4回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案2件、補正予算案3件、その他1件、決算認定9件の計15件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、8点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

学校体育館へのエアコン設置

 1点目は、学校体育館へのエアコン設置について、ご報告申し上げます。
 年々、厳しさを増す猛暑から子ども達を守るとともに、避難所としての生活環境の改善を図るため、学校体育館へのエアコン整備をマニフェストに掲げ、推進してきましたが、昨年度までに中学校3校、小学校4校の設置工事が完了し、今年度は、西小学校、中央東小学校、塚越小学校の3校においてエアコンの設置工事を進めています。いずれの学校も、工事の完了は10月を予定していますが、8月中に中間検査を終え、学校としての利用は、塚越小学校は2学期当初から開始し、西小学校と中央東小学校は9月中旬から利用できる見込みとなりました。
 蕨市では、この3校の整備をもって、市内全ての公立小中学校体育館へのエアコン設置が完了します。令和4年9月現在の調査では、全国の小中学校の体育館等へのエアコン設置率は11.9%となっており、蕨市の整備は全国的に見てもかなり進んでいる状況です。
 今年も厳しい暑さが続く夏となりましたが、エアコンが設置された体育館では、授業やクラブ活動をはじめ、集会や学校行事などが、安全で快適な環境で実施できており、子ども達や先生から大変好評を得ております。夏休み期間中に開催された蕨市少年スポーツ教室・タグラグビー体験会でも、当日は最高気温が37度を超える猛暑となりましたが、エアコンが整備された中央小学校の体育館で、子ども達が思う存分体を動かすことができました。
 これからも、未来を担う蕨の子ども達の教育環境の整備を着実に進めてまいります。

西公民館・松原会館等の移転整備

 2点目は、西公民館・松原会館等の移転整備について、ご報告申し上げます。
 市立病院の整備について、西公民館・松原会館を含む一体的敷地への移転建替え方針を今年3月に決定し、現在の西公民館・松原会館等を、市民の方からご寄附をいただいた土地に移転する方針としたことを受けて、この間、新たに整備を行う西公民館等の複合施設について検討を進めてまいりました。
 昨年度の段階から、西公民館・松原会館の利用者や関係者に方針案の説明を行い、市民の皆さんの声をお聞きしてまいりましたが、今年度に入り、5月24日から6月10日まで、利用団体や錦町コミュニティ委員、松原会館運営委員、地域の市民を対象として、移転整備に関するアンケートを実施いたしました。アンケートの結果、部屋の広さや数の確保、ロビーの快適さなどが重視されるとともに、大人数でも利用できる集会室や軽い運動ができる多目的室、自由に歓談できるスペースを希望する方が多いことなどがわかりました。
 こうした市民の皆さんの声を踏まえて、庁内検討委員会で検討を進め、先月、(仮称)蕨市立西公民館等複合施設整備基本計画(案)を取りまとめました。基本計画では、「子どもから高齢者まで、あらゆる世代の人々が集い、交流し、学び、絆を紡ぐひろば」を基本理念とし、その目指す施設像や施設の整備方針、整備のイメージやスケジュールなどをお示ししたところです。計画案については、7月24日から8月14日にパブリックコメントを行ったうえで、先日、正式に計画を決定いたしましたが、今後、建設工事の設計事業者について、公募プロポーザルによる選定を行い、今年度中に基本設計、来年度には実施設計を進めていく予定です。

民間留守家庭児童指導室の開設

 3点目は、民間留守家庭児童指導室の開設についてご報告申し上げます。
 留守家庭児童指導室は、共働き家庭の子育てを支える重要な施設でありますが、年々増加する利用ニーズに応えるため、この間、必要に応じ、公設民営、更には、民設民営の手法も用いて増設を進め、私の市長就任時には7室であったものが、現在は、21室にまで増設され、定員も290名から795名へと大幅に増やしてまいりました。しかしながら、その後も利用ニーズの増加が続いていることから、東小学校区に新たに民間留守家庭児童指導室を増設することとし、6月定例会で、関連予算のご議決をいただいたところです。その後、事業者の公募を行った結果、NPO法人三楽が選定され、塚越2丁目に定員40名の「キッズクラブわらび東」を開設することとなりました。今後は、来年4月の開設に向けて、整備に対する必要な支援を行ってまいります。

子どもの学習支援事業

 4点目は、子どもの学習支援事業についてご報告申し上げます。
 蕨市では、子ども達の学びを支援し、貧困の連鎖を断ち切ることを目的に、平成27年度から、生活困窮世帯や生活保護受給者世帯の中学生、高校生を対象として、学習教室の運営や訪問支援などの学習支援事業を実施するとともに、昨年度からは、大学の受験料や中学生、高校生の模擬試験の受験料への補助制度も開始しています。学習支援事業は、一般社団法人彩の国子ども・若者支援ネットワークに委託しており、学習教室では、専門知識のある支援員や元教員、大学生などのボランティアの皆さんが、マンツーマンで勉強を教えるとともに、参加した子ども達が、仲間とゲームをして過ごせるスペースもあるなど、子ども達の居場所としての役割も担っています。また、支援員は、子ども達の家庭を訪問し、保護者ともコミュニケーションを図るなど家庭が抱える課題への支援にも取り組むとともに、学校を訪問し、学校との連携も図っています。令和5年度の実績では、蕨の中学生26名、高校生24名の計50名の子ども達への支援を行い、中学3年生の利用者12名全員が高校に進学することができています。
 更に、今年度からは、学習支援事業の対象を、ひとり親家庭にも広げることとしており、先月から、これまで、総合社会福祉センターと蕨サンクチュアリを会場に開催していた学習教室は、東公民館も新たに会場に加えて取り組みを進めることといたしました。これからも、様々な困難を抱えている家庭の子ども達に寄り添い、その未来が開かれるよう、支援を行っていきたいと思います。

新型コロナワクチン接種

 5点目は、新型コロナワクチンの接種についてご報告申し上げます。
 新型コロナワクチンの接種については、全額公費負担で実施された「特例臨時接種」が昨年度で終了し、今年度からは、予防接種法に基づく「定期予防接種」として実施されることとなりました。接種のための予算については、今年度の当初予算に計上しておりましたが、国から示されたワクチンの費用が当初の見込みから大幅に増額されたことから、今議会にその関連補正予算を計上させていただいたところです。
 蕨市では、ワクチンの接種期間は、10月1日から来年の1月31日までで、市内21の医療機関をはじめ県内の相互乗り入れ医療機関でも接種を受けられる予定です。対象者は、高齢者インフルエンザの定期予防接種と同じく、65歳以上の方と60歳から64歳までの一定の基礎疾患のある方で、自己負担額は3,000円、非課税世帯等の方は事前の申請により無料としています。また、これまでとは異なり、接種券の発行はなく、接種を希望する方は、医療機関に直接申し込むこととなります。
 新型コロナは、令和4年以降は、毎年、夏と冬の2回、流行が確認されており、今年の夏も感染が拡大していますが、使用するワクチンは、現在流行しているオミクロン株の派生型「KP.3」にも効果が見込まれる「JN.1系統」に対応したワクチンとなり、重症化予防効果が期待されます。
 ワクチンの円滑な接種に向けて、引き続き、地元医師会との連携や対象者への周知を進めてまいります。

ふれあい交流宿泊費助成の拡充

 6点目は、ふれあい交流宿泊費助成の拡充についてご報告申し上げます。
 蕨市では、今年度から、市民の皆さんの憩いの場として、また、子ども達をはじめ市民の皆さんが豊かな自然に触れられる機会を増やせるよう、ふれあい交流協定を結ぶ群馬県片品村、栃木県大田原市内の宿泊施設を利用した際に、1人1泊1500円、年度に2泊まで助成を受けられる宿泊費助成制度をスタートさせました。
 更に、9月からは、5月に災害協定を締結した山梨県笛吹市でもご利用をいただけるよう、制度を拡充いたしました。これは、災害協定において、地域間交流を進めることも盛り込まれたことから、実施するものですが、笛吹市は、石和温泉など豊かな温泉や収穫量日本一の桃・ぶどうなど果物の産地として知られるとともに、笛吹川での全国でも珍しい、川の中を歩きながら鵜飼を行う徒歩鵜やFUJIYAMAツインテラスからの雄大な富士山の眺めなど、観光資源に恵まれた魅力的な市です。市民の皆さんに大いにご利用をいただくとともに、交流が広がることを期待しています。

国際青少年キャンプinエルドラド

 7点目は、国際青少年キャンプinエルドラドについてご報告申し上げます。
 国際青少年キャンプは、未来を担う青少年が国際性を養い、国を越えた友情の輪を広げることで、世界の平和に寄与することを目的として、毎年夏に開催しています。新型コロナの影響で5年ぶりの再開となりましたが、今年で18回目となるキャンプは、蕨市の姉妹都市であるアメリカ・カリフォルニア州エルドラド郡で開催され、蕨市から青少年10名と指導者3名の合計13名が参加しました。
 現地では、ホームステイを基本としつつ、テントを張っての野外キャンプや互いの夢を語り合う青少年交流プログラムをはじめ、ゴールドラッシュで有名なコロマ散策や日米交流の原点である「おけい」さんのお墓訪問、アメリカンリバーでのラフティング体験、タホ湖散策など、大変充実したプログラムが展開されました。8月25日には、報告会が開催されましたが、参加した青少年からは、積極的になれた、視野が広がった、もっと外国語を勉強したい、などの感想が述べられ、広大な国土と雄大な自然の中で、言葉や文化の違いを越えて、同年代の青少年と寝食を共にしながら交流し、エルドラドの歴史や文化に触れるなど、かけがえのない経験になったことと思います。
 蕨市では、コロナ禍の中でも、青少年の国際教育の促進と交流の継続を図るため、蕨市立中学校とエルドラド郡の中学校・高校の生徒が相互理解を深める「中学校SNS国際交流事業」を推進してまいりましたが、この度のキャンプでは、この交流が実を結び、相手校であるオークリッジハイスクールの担当教諭を中心に、その生徒ご家族がホストファミリーを務め、各種プログラムにも一緒に参加いただくなど、交流の輪を更に広げることができました。
 こうした素晴らしい事業が実施できるのは、長年にわたる市民交流で築き上げた友情と信頼関係があるからであり、改めまして、開催にご尽力いただきました全ての関係者の皆さんに、市長として心より感謝を申し上げますとともに、今回のキャンプに参加した青少年の皆さんには、この貴重な経験を将来に大いに生かしていただきたいと思います。

埼玉版スーパー・シティプロジェクト

 8点目は、埼玉版スーパー・シティプロジェクトについて、ご報告申し上げます。
 埼玉版スーパー・シティプロジェクトは、埼玉県が超少子高齢社会を見据え、「日本一暮らしやすい埼玉県」を実現するため、県内市町村の「コンパクト」、「スマート」、「レジリエント」の3つのコンセプトによる持続可能なまちづくりを支援するもので、本市においても、今年1月、県のプロジェクトにエントリーを行ったところです。
 蕨市では、「日本一のコンパクトシティ蕨 スーパー・シティプロジェクト」を掲げ、「コンパクト」として、にぎわい創出・交流促進のための事業やスマートウエルネスシティの実現に向けた事業、「スマート」として、ICT技術を活用した市民サービス向上のための事業、「レジリエント」として災害時の対応強化を図る事業などを計画しています。プロジェクトの推進にあたっては、埼玉版スーパー・シティプロジェクト推進補助金も積極的に活用していくこととし、今年度は、市役所仮設庁舎跡地を利用した、にぎわいを創出する新たな交流拠点整備事業に対して、500万円の補助金が交付されることになりました。
 にぎわい交流拠点整備事業については、7月に、公募型プロポーザルにより、事業の伴走支援を行うアドバイザリー事業者として、株式会社地域デザインラボさいたまを選定しましたが、今後、民間事業者との意見交換を通し、事業への様々な意見やアイデアを把握するサウンディング調査など各種調査を進めたうえで、今年度中には、事業の内容を固め、施設の規模や機能、運営・維持管理方針などを定める事業者募集要項を策定していく予定です。
 蕨市では、今後も、スーパー・シティプロジェクトを推進し、蕨の未来への飛躍、選ばれるまちづくりに向けて更に取り組みを進めてまいります。

 以上、簡単ですが、令和6年第4回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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