市長報告(平成30年12月定例会)

ページ番号1002643  更新日 令和1年11月23日

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本日ここに、平成30年第5回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。
さて、今定例会でご審議いただく案件は、条例案4件、補正予算案2件、人事案2件の計8件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますようお願い申し上げます。
それではここで、先の定例会から今日までの市政の取り組みや、当面する課題など7点につきまして、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

1点目は、平成30年度の市民意識調査の結果がまとまりましたので、ご報告申し上げます。
この調査は、市民の皆さんのまちづくりに対するご意見やご要望を把握し、市民と行政が一体となったまちづくりを進めるために毎年実施しているもので、市内在住の18歳以上の男女1,000人を対象に調査票をお送りし、505人、率にして50.5%の方から回答をいただきました。なお、回答率は、昨年度より7.4ポイント増加しており、50%を超えたのは、過去20年間で初めてのことであります。
それでは、主な内容についてご説明いたします。まず、毎年お聞きしている項目のうち、「まちへの愛着」につきましては、「感じている」と答えた方の割合が、73.3%と、7割を超える結果となりました。また、「永住意識」については、これからも「住みたいと思う」と答えた方の割合が、59%と、6割近い方が今後も蕨に住みたいと回答しています。
次に「まちづくり」についての考え方の内、「子育て」についてお聞きしたところ、「子育てしやすいまちだと思う」または、「どちらかといえばそう思う」と回答した方の割合が、昨年度より8.4ポイント増の52.5%となり、平成14年度にこの設問を設けて以来、最も高い結果となりました。これは、この間、認可保育園の増設をはじめ、子育て支援に積極的に取り組んできた成果であると言えます。
続いて、今後の市政の重点施策に関する設問では、36項目について「重要度」と「満足度」の両面からお聞きし、「重要度」では、1位が「防犯対策」、2位が「防災対策」、3位が「消防・救急体制」で、昨年と同様、安全安心に関わる分野が上位を占め、「満足度」では、1位が「消防・救急体制」、2位が「子育て支援」、3位が「健康づくりの推進」となりました。このうち、3位となった「健康づくりの推進」については、昨年は8位で、今回初めて、3位以内に入ったものであり、健康長寿埼玉モデル事業など、この間の取り組みが評価されたものであると考えています。
更に、今年度は、平成31年度からの5か年を計画期間とする「コンパクトシティ蕨」将来ビジョン後期実現計画を策定することから、新たに「これから5年間で特に充実して欲しい施策」についてお聞きし、1位が「防犯対策」、2位が「蕨駅周辺の整備」、3位が「防災対策」、4位が「市立病院の充実」、5位が「商店街の活性化」となりました。
市では、こうした調査結果を今後の市政運営の参考にして、引き続き、将来ビジョンに掲げるまちの将来像「安心とにぎわい みんなにあたたかい 日本一のコンパクトシティ蕨」の実現を目指し、各施策の充実を図っていきたいと考えております。

2点目は、成年年齢を18歳に引き下げる民法改正後の蕨市での成年式の対応について、ご報告申し上げます。
本年6月13日の第196回通常国会において、成年年齢を20歳から18歳に引き下げる「民法の一部を改正する法律」が成立し、2022年4月1日に施行されることとなりました。このことで、成人式の対象年齢をどうするのかなど、成人式の在り方について、大きな関心が向けられています。
国においては、成人式の対応について、関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめ、2020年度以降、できる限り速やかに情報を発信する、としていますが、成人式の開催については、法律で定められたものではなく、各自治体で判断することとなります。
こうした中、成人式発祥の地である蕨市として、民法改正後の成人式の在り方について、なるべく早く全国に発信することが、発祥の地としての使命であるとともに、そのことが、「自分の成人式はどうなるのだろうか」と不安を感じている若者やご家族の安心につながるとの考えから、この間、検討を進めてまいりました。
蕨市の成年式は、終戦の翌年である昭和21年に、日本中が敗戦による虚脱状態にある中で、「次代を担う青年達を、まちをあげて激励しよう」と開催されたもので、それが全国に広がり、2年後の昭和23年、国民の祝日に関する法律で「成人の日」が制定され、国民的な行事として定着しました。蕨では、それ以来、先人達の思いを受け継ぎ、72年にわたり、20歳を対象に「成年式」として開催してきたものであり、単に法律上の成人をお祝いするだけの行事ではありませんでした。また、今回の民法改正によっても、18歳で、全ての権利が、現在の成人と同等に認められる訳ではなく、20歳は、引き続き、重要な節目であり続けます。更に、18歳の多くが高校3年生で、受験勉強や就職活動など将来の進路に関わる大切な時期であり、この時期に式典を開催することについては、教育的配慮が必要となります。
こうしたことを踏まえ、蕨市では、改正民法が施行される2022年以降も、20歳を対象に成年式を開催していく方針を決定し、去る11月22日、この日は、72年前、第1回成年式が開催された意義ある日でありますが、記者会見を行い、蕨市の方針を表明させていただきました。なお、18歳を迎えた成年に対しては、市長からのお祝いメッセージや年齢要件に伴う制度上の周知・啓発の方法などについて、今後、検討を進めていきたいと考えています。

3点目は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂との「地域活性化に資する包括的連携協力に関する協定」の締結についてご報告申し上げます。
この度、蕨市と株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂の三者で、防災・防犯など地域の安全安心や、子育て支援・青少年の健全育成、高齢者・障害者支援、地産地消と市産品の販路拡大に関することなど、包括的に連携、協力し、蕨市における一層の地域活性化と市民サービスの向上につなげていくため、10月25日に「地域活性化に資する包括的連携協力に関する協定」を締結いたしました。
これまでに、セブン-イレブン・ジャパンとは、「蕨市見守りネットワーク活動に関する協定」並びに「街なかAEDステーション協定」を、イトーヨーカ堂とは、「災害時の物資の提供等に関する協定」を締結し、本市のまちづくりにご協力をいただいているところでありますが、今回の協定により、より幅広い分野での取り組みが進められることとなります。
当面の取り組みとして、イトーヨーカドー錦町店内に蕨市情報コーナーの特設ブースを確保していただき、蕨ブランド認定品の紹介や販売、市政情報の発信などを行っているところですが、今後については、災害時の優先的な物資提供などの災害対応について、新たにセブン-イレブンも含めた取り組みとすることや、子どもの見守り活動、認知症サポーター養成の推進などの連携を予定しています。
これからのまちづくりを進めるうえでは、民間事業者も含め、多様な主体との連携がますます重要になっておりますので、この包括連携協定をはじめ、今後も蕨の地域力を一層高める取り組みを進めてまいります。

4点目は定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの運営事業者の選定についてご報告申し上げます。
このサービスは、平成24年度の介護保険制度改正により、新たに創設された地域密着型サービスの一つで、食事や入浴などの介助を行う訪問介護と、病気の状態に応じた看護を行う訪問看護が連携しながら、24時間の対応による定期巡回訪問をはじめ、利用者からの通報による対応を随時行うなど、介護が必要な高齢者の皆さんの在宅生活や療養生活を支援する地域包括ケアシステムの要として、注目されてきました。
しかしながら、サービスに対応できる事業者が非常に限られ、なかなか普及が進まないという状況もあり、第5期並びに第6期の蕨市高齢者福祉計画・介護保険事業計画においても、募集したものの、実現には至りませんでした。
こうした状況のなか、この度の第7期計画における公募によって、初めて一事業者から申請があり、学識経験者等による選定委員会での審査を経て、運営事業者に株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティを選定いたしました。
今後、来年度中のサービス開始に向け、運営事業者と詳細に渡り協議を進めることとなりますが、このことで、介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりの大きな前進につながるものと考えています。

5点目は11月10日と11日に開催された第4回蕨市民音楽祭についてご報告申し上げます。
今年は、昨年を上回る15会場23のステージにおいて、クラシックからジャズ、ポップス、吹奏楽など、さまざまなジャンルのコンサートが開催され、蕨市内外から2万9000人の人々が参加し、文字通り、まちじゅうに音楽があふれる、音楽のまち蕨ならではの音楽祭となりました。
蕨西口駅前ロータリーに響き渡る華やかで迫力ある民族的打楽器・スティールパンのオープニング演奏をはじめ、日本の四季を綴った美しい歌声のコンサートや、音の架け橋に出演した小・中・高校生の音楽部、吹奏楽部による若さあふれる演奏、更に、患者さんにも喜んでいただいた市立病院ロビーでのコンサートなど、どの会場も大変素晴らしい内容でありました。
今回初めて企画された紅白歌合戦~昭和歌謡ショーは、応募者68組の中から予選を勝ち抜いた、16歳から86歳までの38組の皆さんが、素晴らしい歌声とパフォーマンスを披露し、会場からの熱い声援など、出演者と観客が一体となった全員参加の楽しい歌合戦となりました。
また、市民公園で開催された「わらんちゅフェスティバル」は、ステージでの演奏や踊りとともに、「肉祭り」と銘うって、蕨市内外から多くのお店が出店し、2万5000人の人出で大いににぎわいました。
そして、音楽祭のハイライトは、市内在住でアルトサックス奏者の坂田明さんと左手のピアニストの智内威雄さん、天才絵師・河鍋暁斎によるセッションで、今年は、会場を市民会館大ホールに移して開催されました。今回のコンサートのために、智内威雄さんが、河鍋暁斎の酒呑童子の作品をテーマに新たに曲を作り、暁斎の絵がスクリーンに投影されるなか、智内さんと坂田さんのピアノとアルトサックスによって生み出された見事な演奏は、まさに、蕨でしか聴けない究極のコラボレーションとなり、満員となった会場は、大いに盛り上がりました。
今後とも、音楽が豊かな蕨の魅力を更に活かし高めながら、その魅力を市内外に発信し、まちのにぎわいにもつなげていけるよう、わらび音楽によるまちづくり「わら音」を進めてまいります。

6点目は、北町公民館が平成30年度の「優良公民館表彰」を受賞いたしましたのでご報告申し上げます。
「優良公民館表彰」は、地域住民の学習活動に大きく貢献している公民館を文部科学大臣が表彰するもので、全国に1万4171館ある公民館のうち、今年は65館が受賞しました。
北町公民館は、町会や子ども会、地域女性団体など、様々な地域コミュニティ団体との協働による事業が活発に行われ、公民館の目的である「つどう」「まなぶ」「むすぶ」が市民の皆さんの手によって実践されていることをはじめ、市民体育館や北町児童館との複合施設の特性を生かし、子どもたちには楽しみながらスポーツに親しめる運動教室、高齢者には健康長寿を目指した体操教室など、様々な健康づくりの取り組みを展開していることが評価されました。
今回の北町公民館の受賞で、市内7つの公民館すべてが優良公民館として表彰されたこととなり、生涯学習のまち蕨の魅力を市内外に示す結果となりました。
今後も、市民の皆さんが熱心に学び、その輪を広げ、学んだことをまちづくりに生かすという、蕨の素晴らしい生涯学習のまちづくりを積極的に進めてまいりたいと思っています。

7点目は市制施行60周年に向けた取り組みについてご報告申し上げます。
蕨市は、昭和34年4月に市制を施行し、平成31年4月に60周年を迎えることから、この節目を市民の皆さんとともにお祝いしていくため、60周年記念のキャッチフレーズを10月15日から今月30日まで募集しています。
平成21年度の50周年の際には、公募で選ばれた「歩みつづけて50年 蕨に笑顔 輝く未来」というキャッチフレーズの下で、1年を通じて様々な記念事業が行われ、市民の皆さんのまちへの愛着がいっそう高まり、協働のまちづくりが更に前進する契機となりました。
来年の60周年が、未来ある子どもたちをはじめ、多くの市民の皆さんにとって素晴らしいものとなるためにも、我がまち蕨を思い描く素晴らしいキャッチフレーズをご応募いただきたいと思っています。
また、市では、60周年の記念事業を計画しているところですが、蕨のまちづくりの原動力である「協働の力」を大いに発揮していただくため、協働事業提案制度の指定テーマを「みんなで祝う市制施行60周年」とし、市民団体の皆さんから事業の募集を行っているところです。蕨市の60周年をともに祝い、蕨の未来につなげる、そんな素晴らしい記念事業をご提案いただきたいと思っています。

以上、簡単ではありますが、平成30年第5回蕨市議会定例会における市長報告といたします。ありがとうございました。

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