市長の施政方針表明(令和2年3月定例会)

ページ番号1005532  更新日 令和2年3月10日

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はじめに

 本日、ここに、令和2年第1回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。今定例会は、令和2年度の当初予算をはじめとする重要な案件をご審議いただくことになりますが、この際、私がこれからの市政運営に臨む基本的な考え方や新年度予算の編成方針、更には予算の概要と主な事業について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第です。

新型コロナウイルス対策

 初めに、今、大きな問題となっている新型コロナウイルス対策についてご報告申し上げます。
 中国湖北省武漢市から始まった新型コロナウイルス感染は、感染者数が7万4000人、死者数が2000人を超えるなど、依然として、全世界に感染が拡大し、国民の不安が広がっています。蕨市では、ホームページを通じて、南部保健所に開設された「帰国者・接触者相談窓口」の案内をはじめ、咳エチケットや手洗いなど感染症対策の周知を図るとともに、1月31日に危機対策会議を開き、市民と接する窓口における職員へのマスク着用の励行や手指消毒液の設置など、必要な対応を図ってまいりました。
 現在、日本国内においても、市中感染の拡大が危惧される中、先日、厚生労働省から、新型コロナウイルス感染症の相談・受診の目安が公表されましたが、その啓発をはじめ、引き続き、国や県の動向を注視しつつ、情報収集を図りながら、市として、適切に対応してまいります。

「あったか市政」第2ステージの始動

 さて、昨年6月、市民の皆さんのご支援により、市長として4期目に入り、「あったか市政」第2ステージがスタートしました。これは、これまで進めてきた「あったか市政」を継続・発展させつつ、財政健全化など市政改革の成果の上に立ち、蕨の未来への3大プロジェクトをはじめ、未来への飛躍に向けたまちづくりを進めるものであります。
 第2ステージの新しいマニフェストは、50項目を掲げさせていただきましたが、その実現に向けて大きく動き出しています。例えば、認可保育園の増設では、新たな誘致策を作り、本年4月に市内14か所目の認可保育園が整備されることとなり、消防署塚越分署の建替えも、昨年7月より工事が始まり、本年の7月末完成に向けて、順調に進んでいます。中央公民館と西公民館のエレベーターは昨年12月に完成し、1年前倒しとなったJR蕨駅のホームドアは今月29日に供用開始となります。ぷらっとわらびのルート拡充についても、昨年12月に国土交通省への認可申請を行い、3月末の運行開始に向けて、取り組みを進めています。

市制60年と県南をリードするまちづくり

 昨年は、蕨市にとって市制60周年の大きな節目でもありました。私は、この市制60周年を、市民の皆さんとお祝いするとともに、これまでのまちづくりを振り返り、今後の蕨市発展の契機にしたいと考え、「笑顔 希望 ずっとぎゅっとわらび」のキャッチフレーズの下、4月のオープニングセレモニー以来、11月2日の記念式典、先日の「出張!なんでも鑑定団㏌蕨」の開催など、市民の皆さんとの協働で、様々な記念事業に取り組んできました。
 記念式典の挨拶でも申し上げましたが、蕨のまちづくりを振り返った時、そこに貫かれてきた精神は、「まちへの誇り、愛着の高さ」、「自分たちのまちは自分たちで創ろうという気概」、そして、「次代を担う若い世代への熱い思い」であり、これこそが、蕨の発展を支える大きな力となってきました。
 市長就任来進めてきた「あったか市政」においても、こうした蕨の素晴らしさを引き継ぎつつ、心が通い合う、協働のまちづくりを前進させてきたからこそ、市民の願いに応えるとともに、県南をリードするまちづくりが進んできたものと考えています。例えば、若い世代への支援では、県南でいち早く中学校卒業までの医療費無料化を実施し、これが川口市や戸田市に広がるなど子育て支援のスタンダートとなり、教育では全国的にも早い段階での全ての普通教室へのエアコン整備や35人程度学級などにより、蕨の子どもたちは、学力・体力ともに素晴らしい成果を上げてきました。また、市民の皆さんとの協働を広げる中、市民の皆さんのまちへの愛着は7割を超え、蕨市の人口は、人口減少社会にあっても微増傾向が続いており、昨年の人口増加率は、県内40市で2番目、県南では1番の高さとなっています。
 市制60周年記念事業は年度末まで続きますが、60周年を機に、市民の皆さんとともに、このような蕨の素晴らしいまちづくりを更に発展させていく決意であります。

令和の時代は地方の時代

 ところで、昨年12月、厚生労働省が1899年の統計開始以来、初めて年間の出生数が90万人を下回る86万人程度との推計を発表し、人口減少社会が予想以上に加速化していることが明らかとなりました。
 また、昨年は、相次ぐ台風の襲来など自然災害が多発し、首都直下の大規模地震への懸念とともに、災害への備えが我が国の切実な課題となる中で、防災・減災社会を実現していくうえで、地域の助け合い、コミュニティ力が「カギ」となることが指摘されてきました。
 更には、これらの課題に加えて、5Gなどの大容量通信やAI・人工知能の開発など科学技術の目覚ましい進歩による社会の変化、加速化する国際化とそれに伴う、今回の新型コロナウイルスなど新たな感染症の脅威と対策、国連の持続可能な開発目標SDGsの達成に向けた国際的な連携の推進など、令和の時代は大きな変化の時代でもあります。

 「生き残る種とは、変化に最もよく適応したものである。」

 これは、進化論で知られる生物学者ダーウィンの有名な言葉でありますが、市民の暮らしを支え、心が通い合う、この地方自治体の原点を大切にしつつ、未来を見据え、時代の変化に対応したまちづくりを進めていくのが「あったか市政」第2ステージでもあります。
 私は、歴史文化コミュニティの豊かさと利便性の高さを併せ持ち、市民の皆さんのまちへの高い愛着と優れた地域力に支えられた蕨こそ、時代の変化に対応し、我が国が直面する課題を乗り越えることができる、そんな全国のモデルとなるようなまちづくりを進めていけるものと確信をしており、令和2年度は、「あったか市政」第2ステージを本格的に前進させていく決意であります。

「未来を拓く」をテーマに、新しい時代を切り開く重点課題

 このような考えの下、令和2年度の市政運営においては、「未来を拓く」をテーマとし、新しいマニフェストの更なる前進をはじめ、コンパクトシティ蕨将来ビジョン後期実現計画や第7次行政改革大綱でもある「将来ビジョン推進プランⅡ」、更に、SDGsの考えも盛り込んだ「改定蕨市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を推進しつつ、「防災」と「教育」をキーワードに、時代の変化に対応し、新しい時代を切り開く2つの重点事業と未来への3大プロジェクトを力強く進めてまいります。

時代の変化に対応した2つの重点事業

 初めに、2つの重点事業について、申し上げます。

(1)地域のコミュニティ力を生かした防災都市づくり

 1つ目は、「地域のコミュニティ力を生かした防災都市づくり」であります。
 昨年の台風19号では、市内19か所に避難所を開設し、1724人の皆さんが避難されましたが、対応にあたっては、町会や自主防災会の皆さんをはじめとする地域のコミュニティ力が大いに発揮されました。蕨市では、今回の災害対応を検証し、今後の対策に生かすなど、地域コミュニティ力を生かした防災都市づくりを推進していきます。
 まず第1に、引き続き、学校での避難所運営訓練を実施するとともに、新たに学校単位による避難所運営協議会を設立し、地域のコミュニティ力を生かした防災対策を進めてまいります。
 第2に、市民の皆さんに災害情報を伝達する上で中心的な役割を担う防災行政無線について、デジタル化するとともに、高性能スピーカーを導入し、より広い範囲に音声が届くよう改善します。併せて、希望者には、メールや電話、ファクスなどで、放送内容をお伝えする機能も追加し、情報伝達の強化を図ってまいります。
 第3に、引き続き、防災・消防行政の拠点の一つである消防署塚越分署の建替え整備を進め、8月から新塚越分署での業務をスタートさせるとともに、火災や事故などが発生した際にいち早く現場に急行し、情報収集や消防隊の活動を指示するための車両である「指揮車」を更新するなど、消防力の強化を図ってまいります。

(2)時代の変化に対応した教育の充実

 重点事業の2つ目は、これまで成果を上げてきた35人程度学級や学校土曜塾など、蕨ならではの行き届いた教育を継続しつつ、「時代の変化に対応した教育の充実」を図ることです。
 第1は、学校ICT環境整備の加速化です。国のGIGAスクール構想に基づき、国の交付金も活用して、令和5年度までに児童生徒一人一台のパソコンを整備することを目指して、初年度は、小学校5、6年生と中学校1年生、特別支援学級を対象にするとともに、全ての小・中学校に高速大容量の通信ネットワークとして無線LANを整備します。更に、教育センターにもICT環境を整備し、教員の指導力向上を図ります。
 第2は、子どもたちの外国語活用能力の向上や国際感覚育成の充実を図るため、小・中学校の外国語指導助手、いわゆるALTを現在の7人から10人に増やし、一校一人体制とします。
 第3は、熱中症予防など子どもたちの教育環境の向上とともに、避難所としての機能を高めるため、新たに学校体育館へのエアコン整備を計画的に進めます。初年度は、中学校3校の設計を行い、次年度以降、順次、整備を図ってまいります。

3大プロジェクト

 続いて、蕨の未来に向けた3大プロジェクトについて、申し上げます。

(1)超高齢社会に対応したまちづくり

 1つ目の「超高齢社会に対応したまちづくり」では、第1に、高齢者の皆さんが地域の中でいきいきと暮らせる地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みの推進です。まず、その要となる地域包括支援センターについて、3か所目を塚越地区に整備するため、公募などの取り組みを進めます。また、市民主体の介護予防事業である「いきいき100歳体操」を更に拡大するとともに、生活支援体制の整備を図るため、社会福祉協議会による有償ボランティア事業の拡充に向けた支援を行ってまいります。
 第2に、蕨市立病院の更なる発展を図ることです。蕨市立病院は、この間の経営改革や地域連携の推進により、経営の安定化を図り、地域の中核病院として、地域医療を支える重要な役割を果たしてきました。昨年3月には、市民の救急医療への期待の高さや市内唯一の分娩施設であり、小児救急をはじめ地域の救急医療で果たしている役割を踏まえて、急性期医療を継続発展させていくことを基本とした「市立病院将来構想」を策定するとともに、5月には、施設整備検討委員会を設置し、施設の耐震化や老朽化対策について検討を進めてきました。
 こうした中、昨年9月、厚生労働省のワーキンググループが唐突に公立病院の再編統合に関する公表を行いましたが、これは、地域の実情やこの間の努力を無視した一方的なもので、全国から批判の声が上がる中、厚生労働省からは、地方団体との協議の場において「発表の仕方は反省している」「強制するものではない」との釈明がされてまいりました。
 蕨市立病院としては、今後とも、将来構想に沿って、市民の健康を守る急性期の医療機関として発展を目指すとともに、引き続き、検討委員会において、建替えも含めた施設の耐震化、老朽化対策の検討を進めてまいります。また、南部区域で不足している回復期病床への対応については、将来構想にある通り、県の調整会議での議論を踏まえて、必要な対応を検討して行きたいと考えています。

(2)蕨の玄関口にふさわしい駅前再開発の推進

 2つ目の「蕨の玄関口にふさわしい駅前再開発の推進」では、この間、事業推進の母体となる再開発準備組合による事業認可に向けた取り組みを支援してきましたが、新年度には、権利変換計画の申請などの支援を行い、蕨の活性化と未来への発展に向けた核となる事業として、その推進を図ってまいります。
 また、再開発の中で整備する公共公益施設については、市役所の窓口機能を備えた行政センターと新図書館を整備する方針に基づき、新図書館については、この間、市民アンケートやワークショップを行い、閲覧・学習席や蔵書の充実、カフェスペース、Wi‐Fi環境の整備など、市民の皆さんからお寄せいただいたご意見を踏まえて、検討を進めてまいりました。今後、再開発全体の進捗に合わせながら、更に設計作業を進めるなど、便利でだれもがほっとくつろげ、豊かなときを過ごせる、そんな素晴らしい新図書館づくりを目指してまいります。

(3)市民サービスと災害対応の拠点となる市役所の建替え

 3つ目の「市民サービスと災害対応の拠点となる市役所の建替え」では、先月、基本設計案の中間報告として、市民の皆さんに広報蕨などを通じて新庁舎案のイメージや配置についてお伝えしたところですが、今後、パブリック・コメントを通じて基本設計を決定し、引き続き、実施設計を策定してまいります。
 また、秋には、市庁舎機能を市役所第2駐車場に建設する仮設庁舎と市民会館の一部に整備する仮庁舎に移転し、現庁舎は2か年の解体工事に着手します。
 新庁舎は令和5年中の完成を見込んでいますが、「―歴史・文化を活かし『未来の蕨』を創造―人と環境にやさしく、市民に親しまれ、安全でコンパクトな庁舎」という基本理念の下に、取り組みを進めてまいります。

令和2年度の当初予算概要

 それでは、令和2年度蕨市一般会計予算の概要について申し上げます。
 歳入においては、歳入の根幹をなす市税収入を前年度比1億円増の116億2000万円、地方消費税交付金は消費税率の引き上げなどを踏まえ、前年度比3億2000万円増の15億円、地方交付税は1億9000万円減の11億4000万円、国庫支出金は約6億3700万円増の約50億3300万円と見込んだほか、繰入金は約6億2600万円減の約9億2500万円、市債は約10億1300万円増の約21億9000万円と見込みました。
 一方、歳出においては、民間認可保育園や民間留守家庭児童指導室の増設などによる子育て関連予算の増額、消防署塚越分署や新庁舎整備事業費、駅西口地区市街地再開発事業補助金のほか、学校ICT環境整備の費用などを計上し、予算総額は前年度比5・8%増で、過去最大となる259億8000万円となりました。
 特別会計では、令和2年度から公共下水道事業が公営企業会計へ移行するため、国民健康保険や錦町土地区画整理事業など5つの会計となり、その総額は150億5500万円、病院、水道、下水道の企業会計合計額は、64億6338万8000円で、以上の全会計を合わせた蕨市全体の予算規模は、474億9838万8000円となりました。

6つの基本目標と推進プランⅡに沿った主な施策

 次に、将来ビジョンに掲げるまちづくりの6つの基本目標及び推進プランⅡに沿った行財政運営の主な施策について申し上げます。

(1)安全で安心して暮らせるまち

 1点目の「安全で安心して暮らせるまち」では、防災対策として、今年度から、指定避難所となる小・中学校の敷地内に災害用応急給水栓の整備に取り組んでおり、年度末までに4校が完了し、新年度は新たに2校の整備を進めます。
 交通安全対策では、市内の道路照明灯約1100基のLED化を2か年で進める計画で、新年度には、劣化や損傷の状況も含めた道路照明灯の調査を行います。これにより、道路照明灯の適切な維持管理につなげるとともに、電気料の削減も図れる見込みです。
 また、近年多発している高齢者の交通事故防止を目的に、運転免許証を自主返納された65歳以上の高齢者を対象に、初乗り14回分のタクシー券または国際興業バスの回数券を配布し、高齢者運転免許証返納者への支援を行います。

(2)豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち

 2点目の「豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち」では、子育て支援の更なる充実に向けて、4月に民間認可保育園の「(仮称)蕨錦町ゆたか保育園」が開園するほか、中央の「蕨ゆたか保育園」は定員を拡充し、市立保育園を含む認可保育園の定員数は、1168人から1265人に拡充が図られます。
 更に、家庭保育室からの移行により新たに2園の小規模保育園が4月に開園するほか、保育園と同様、入室希望の多い留守家庭児童指導室についても、4月に民間施設「(仮称)キッズクラブ塚越」が開室するとともに、新たな増室に向けた民間公募を行ってまいります。

(3)みんなにあたたかく健康に生活できるまち

 3点目の「みんなにあたたかく健康に生活できるまち」では、県の健康マイレージとの連携によるウォーキングを主体とした健康長寿蕨市モデルの推進をはじめ、特定保健指導の充実を図るため、民間スポーツクラブで行われる運動講座などの回数を増やします。
 また、受動喫煙防止対策の取り組みとして、蕨駅西口にある喫煙所を撤去するとともに、撤去後における路上喫煙の見回り強化や喫煙禁止区域を示した路面シートの増設を図ります。
 障害者福祉では、手話言語条例の制定に向けて、障害者団体をはじめとする関係団体の皆さんによる準備会を開催し、意見交換を図るとともに、手話講習会を充実させてまいります。

(4)にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち

 4点目の「にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち」では、中心市街地活性化基本計画については、計画期間を1年延長し、目標指標の達成に向けて、引き続き推進するとともに、空き店舗有効活用事業をより利用しやすいよう改善し、空き店舗の利用促進を図ります。
 また、商店街街路灯の電気料については、これまで、市の補助率を4分の1から順次、3分の2まで拡大してきましたが、新年度には100%に引き上げ、更なる商店街の負担軽減を図り、新たな活力を生み出していきます。
 更に、蕨ブランド戦略では、新たな蕨ブランドが認定されたことを受け、市内外に積極的なPRを図るとともに、蕨ブランド協会との連携を進めてまいります。
 そのほか、幕末から明治にかけて活躍した天才絵師であり、蕨市内に美術館がある河鍋暁斎の素晴らしさを紹介する展示コーナーを歴史民俗資料館に設置します。

(5)快適で過ごしやすく環境にやさしいまち

 5点目の「快適で過ごしやすく環境にやさしいまち」では、2か年で作業を進めている「都市計画マスタープラン」について、今年度は、都市づくりの目標や全体構想について検討を進め、骨子案では、都市づくりの理念を「住みたい、住み続けたい、住んでよかったと思えるまち」としていますが、新年度には、ワークショップなどを開催し、地区別構想を定めるなど、策定してまいります。合わせて、景観づくりの指針である「景観計画」の策定も行います。
 また、橋りょう改修については、平成28年度の点検結果を踏まえ、早期措置対象となった橋りょうの改修を進めていますが、引き続き新年度は、4橋の工事と1橋の工事設計を行います。
 更に、公園の計画的な更新や補修を図っていくため、公園の規模や遊具数、利用状況などを考慮し、市民公園、三和公園、あけぼの公園、中央公園、大荒田交通公園、合わせて5園の長寿命化計画の策定を進めるとともに、市民公園の大型複合遊具は、リニューアルに向けて市民参加のワークショップを行い、ご意見を踏まえた設計を行ってまいります。
 錦町土地区画整理事業については、令和元年度の国の補正予算も活用し、補正予算において、令和元年度分として8棟の家屋移転を追加し、新年度には、19棟の家屋移転を予定し、補正予算分と合わせて27棟の家屋移転を計画しており、着実な推進を図ってまいります。

(6)一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち

 6点目の「一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち」では、在住外国人の増加傾向を踏まえて、多文化共生のまちづくり指針の策定に向けて、新年度は、庁内検討組織を立ち上げるとともに、在住外国人を含めた意識調査を実施します。また、やさしい日本語講座の開催や蕨駅東西口の住居表示板をリニューアルし多言語化を図るとともに、119番通報等における電話通訳を介した三者間同時通訳サービスを導入します。
 姉妹都市・友好都市との国際交流では、4月に友好都市であるドイツ・リンデン市から、10月には、姉妹都市であるアメリカ・エルドラド郡から訪問団が蕨市に来られるとともに、国際青少年キャンプでは、7月に、蕨市の青少年たちがエルドラド郡を訪問するなど1年間で3つの大きな交流事業が予定されており、友情と信頼の輪が更に深まることを期待しています。

 推進プランⅡ

 続いて、「将来ビジョン推進プランⅡ」に沿った行財政運営の取り組みについて申し上げます。
 今年度、「市税等収納率向上対策本部」を立ち上げ、組織的に収納対策に取り組む中で、新たにオペレーターが電話で納付勧奨を行う「納税コールセンター」を設置し、歳入確保並びに収納率の向上を図ります。
 また、土地開発公社の経営健全化については、引き続き、第3次経営健全化計画に基づき、中央1丁目地内の約162平方メートル及び中央3丁目地内の約117平方メートルの土地の買戻しを行い、約2億2000万円の借金削減を図ります。
 国民健康保険については、これまで、市民の暮らしと健康を守る立場から、県内で最も低い水準に抑えてきましたが、高齢化や医療の高度化による医療費の増大に加えて、平成30年度からの広域化の下で、法定外繰入金の解消が求められ、その目標が達成できない場合、令和2年度から国からの補助金が削減されることとなり、更には、県において、県内保険税水準の統一化の動きが強まる中で、一定の国保税の見直しは避けられない状況となっています。そこで、国民健康保険運営協議会に国保税の見直しについての諮問を行い、昨年12月、「段階的な改定が適当である」との答申をいただいたことから、本答申に基づき、国保税を20年ぶりに見直しを行うための条例改正案を今議会に提出させていただきました。なお、見直し後も、蕨市の国保税は、県内において低い水準を維持できる見通しです。

結びに

 さて、今年はいよいよ夏に東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。スポーツを通した人間形成と世界平和を目的とした世界最大の祭典が日本で開催されることは、国民・市民に夢や希望を与え、日本の新たな発展に向けた大きな力となるものと期待をしています。
 蕨市では、7月7日に、オリンピックの聖火リレーが実施されることから、中山道の舗装整備をはじめ、聖火ランナーが走る姿を小・中学校の子どもたちを含めた多くの皆さんに応援いただけるための会場運営や、協働提案事業により、地元の皆さんとともに中仙道蕨宿の風情を生かした沿道の演出に取り組みます。
 更に、競技の観戦チケット販売や、未来を担う子どもたちの心のレガシーとなるよう、学校連携観戦チケットを購入し、埼玉県を会場とするバスケットボールやサッカー観戦を小学5年生及び中学のバスケットボール部、サッカー部を対象に行うほか、8月20日に埼玉県で開催されるパラリンピック聖火フェスティバルにおいて分火した聖火を、総合社会福祉センターなどに展示する聖火ビジットを行います。

 「Hope Lights Our Way」

 これはオリンピック聖火リレーのコンセプト、希望の道をつなごうであります。
 東京2020オリンピック・パラリンピックを大いに盛り上げ、多くの市民の皆さんとこの瞬間を共有しながら、蕨の発展につなげていきたい、そんな思いをもって、市長として、これからも全国に誇れる「日本一のコンパクトシティ蕨」の実現を目指してまいります。
 市議会をはじめ、市民の皆さんには、蕨の限りない発展に向けて、なおいっそうのお力添えをお寄せいただきますよう、心からお願いを申し上げ、令和2年度の施政方針表明といたします。ありがとうございました。

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