市長報告(令和4年9月定例会)
はじめに
本日、ここに令和4年第4回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案2件、補正予算案2件、その他1件、決算認定9件の計14件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
それでは、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、7点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。
新型コロナウイルス感染症に対するこの間の蕨市の取り組み
蕨市新型コロナ・物価高騰緊急対策(第7弾)
1点目に、新型コロナウイルス感染症に対する、蕨市のこの間の取り組みについて、ご報告申し上げます。
第1に、蕨市新型コロナ物価高騰緊急対策第7弾の主な実施状況についてです。緊急対策第7弾については、7月22日の臨時市議会において、関連予算をご議決いただき、現在、スピード感を持って取り組みを進めているところです。まず、「ひとり親家庭等支援臨時給付金第3弾」は、8月3日に児童扶養手当を受給する289世帯に、子ども1人あたり2万円を支給し、「燃料費高騰対策支援金」については、介護・障害福祉サービス事業所には、7月25日に、対象となる市内43事業所にご案内を送付し、8月末現在で既に33事業所への支給を終えており、運送事業所には、8月4日に、一般社団法人埼玉県トラック協会を通じて、市内事業所にご案内を送付したほか、個人事業主などその他の事業者に対しても、市ホームページや商工会議所の会報紙、町会掲示板で周知を行い、8月末より支給を開始しております。
また、「水道基本料金2か月分の無料化」は、市内全ての家庭と事業所を対象に、予定通り、錦町、北町、塚越地域は9月検針分、中央、南町地域は10月検針分で実施することとし、各世帯には、水道メーターの検針時に、基本料金無料化のお知らせを配布いたします。「地域活性化・消費者応援事業第3弾」については、先月、PayPay株式会社と契約を行い、11月の実施に向けて準備を進めていますが、今後、PayPayの使い方やアプリの導入方法などを分かりやすく説明する「使い方相談会」も各地区で実施いたします。暮らし応援券「織りなすクーポン」支給事業については、8月末に公募型プロポーザル方式により、委託事業者を決定しましたが、今後、参加店舗の募集を進め、11月中に市民の皆さんへクーポンを送付する予定です。
その他、「学校給食費負担軽減事業」は、2学期の学校給食の食材購入費から、補助を実施していきます。
主な実施状況は以上となりますが、帝国データバンクの調査によると、今月以降、食品の値上げは8000品目以上となる見込みであるなど、今後も物価高騰の厳しい状況が続くことが見込まれており、蕨市では緊急対策第7弾の取り組みを通して、切れ目のない生活支援・経済対策を行い、コロナ禍と物価高騰から市民生活と市内事業所の営業を守るため、引き続き、全力を挙げてまいります。
(2)新型コロナワクチン接種事業
第2は、新型コロナワクチン接種事業について、です。この間、若い世代など、3回目の接種をまだ受けていない方に接種を引き続き呼びかけるとともに、4回目の接種については、60歳以上の方と18歳以上で基礎疾患などがある重症化リスクの高い方を対象に5月26日から開始し、高齢者の接種が本格化する7月より保健センターなどでの集団接種を再開し、7月22日からは、対象を医療従事者や高齢者施設従事者などにも拡大し、取り組みを進めているところです。
地元医師会をはじめ、市民の皆さんのご協力により、現在の接種率は、高齢者の皆さんでは、3回目が約90%、4回目が約63%、全体では3回目が約67%という状況となっています。
更に、オミクロン株に対応したワクチン接種について、現在、厚生労働省において準備が進められており、開始時期は、当初10月中旬を目指すとされていましたが、昨日の首相会見では、その前倒しを図ることが表明されました。現時点で、対象者や開始時期は決定されていませんが、いずれにしても、大規模な接種となることが想定されることから、蕨市では、今議会に関連する予算を提出させていただき、接種体制の構築や接種券の作成など、早めの準備に着手し、市民の皆さんの円滑な接種に向けて、取り組みを進めていきたいと考えています。
(3)「第7波」の感染拡大への対応
第3は、「第7波」と呼ばれる感染拡大への対応について、です。7月に入り、感染の急拡大が続き、ピーク時には、第6波の2倍以上の感染が確認されました。その主な原因として、ウイルスがより感染力の高いBA.5へ置き換わりが進んでいることが指摘される中、埼玉県では、8月4日、「BA.5対策強化宣言」を行いました。これは、県民に対し、行動制限を要請するものではありませんが、蕨市では、改めて、市民の皆さんに体調がすぐれないときの外出自粛や基本的な感染対策などの徹底をお願いするとともに、発熱外来がひっ迫するなか、8月5日から、抗原検査キット無料配布事業を開始しました。この事業は、電子申請で申込みをいただいた方に、その日のうちに保健センターで配布を行うもので、8月末までに832人の方にご利用をいただきました。更に、市立病院では、予約なしで発熱外来を実施してきましたが、1日の患者数が200名を超えるなど、対応可能人数を大幅に超える状況となったことから、7月22日診察分から予約制に切り替えるとともに、受診者の急増に対応するため、8月9日からは、50歳未満の方などを対象に唾液による抗原定量検査も実施するなど、対応に全力を挙げてきました。また、自宅療養者支援事業についても、県との覚書に基づき、自宅療養となった市民の方に、パルスオキシメーターや食料品、日用品を迅速にお届けしていますが、その件数は、7月からの2か月間で、4459件となりました。
蕨市内の感染状況は、8月上旬をピークに減少傾向にありますが、引き続き、新型コロナから、市民の皆さんの健康と暮らしを守るため、全力で取り組んでまいります。
学校体育館へのエアコン設置
次に、2点目として、学校体育館へのエアコン設置について、ご報告申し上げます。
蕨市では、近年の厳しい猛暑から子どもたちを守るとともに、指定避難所における避難者の生活環境の向上を図るため、私の「あったか市政」第2ステージのマニフェストにおいて、小中学校体育館のエアコン設置を掲げ、昨年度は、中学校3校の体育館に設置するなど、全国的にも早い段階で整備を進めています。特に今年は、例年にない早い梅雨明けになり、6月から猛暑が続きましたが、設置が完了した中学校では、エアコンの活用により、安全で快適な環境の中で、体育館での授業や部活動、学校行事などの教育活動等を行うことができております。
今年度は、北小学校と中央小学校で設置工事を実施しておりますが、工事の完了は、中央小学校は9月中に、北小学校については新型コロナ感染拡大の影響等による部品不足により、当初の予定から遅れ、11月となる見込みです。
なお、来年度は、東小学校と南小学校の体育館に設置する予定であり、今年度は、そのための設計業務を進めているところです。
蕨駅西口再開発事業が着工へ
次に、3点目として、蕨駅西口再開発事業について、ご報告申し上げます。
蕨駅西口再開発は、蕨の顔、都市づくりの核となる事業として、「蕨の玄関口の再生と魅力づくり」を目的に、事業推進の母体となる再開発組合により、事業が進められてきました。この間は、権利者の合意形成を図りながら、権利変換計画の認可に向けた取り組みが行われてきましたが、この度、全ての権利者の方から同意をいただいたうえで、8月23日に、埼玉県から認可を取得し、事業の推進に向けて、大きな節目を迎えることができました。
8月17日からは、先行して地区内の道路を一部封鎖し、既存建築物等の除却解体工事が進められており、いよいよ年明けからの本格的な建築工事の着工に向けて動き出しています。
蕨の活性化と未来への発展につながる一大プロジェクトとして、引き続き、組合の活動に対して支援を行い、着実に事業を推進してまいります。
学童保育室の学校休業日の開始時間繰り上げ
4点目は、学童保育室の学校休業日の開始時間繰り上げについて、ご報告申し上げます。
学童保育室は、就労などにより放課後や学校休業日に保護者が不在となる小学生児童を保育し、その健やかな成長を支える施設であり、子育て支援の重要な施策の一つです。私は、市長就任来、利用希望者の増大に対応するため、学童保育室の増設に力を入れ、平成20年度には7室であったものが、今年4月の1室増設により、民設民営の施設も含め、現在、20室となりました。加えて、土曜日および夏休みなどの学校休業日の保育時間は、午前8時半からでしたが、保護者の皆さんから開始時間の繰り上げを望む声が寄せられていたことから、指導員の配置等の体制を整え、このたび夏休み開始に合わせて、開始時間の午前8時への繰り上げを実施することができました。
子育て世代にとって、家庭と仕事の両立は、重要なテーマでありますので、これからも、人口減少社会にあって、選ばれるまちを目指して、「子育てしたい」と思えるまちづくりに着実に取り組んでまいります。
電子図書館サービスの導入
5点目は、電子図書館サービスの導入について、ご報告申し上げます。
社会のデジタル化が急速に進む中、蕨市でも、自治体のデジタル化に向けて様々な取り組みを進めていますが、8月1日から、新たに電子図書館サービスがスタートしました。市民の皆さんは、一般書籍や絵本、雑誌など約3000冊の電子書籍を、スマートフォンやタブレット、パソコンを使って、いつでも、どこからでも、ご覧いただけるようになりました。雑誌については131誌が揃っており1冊あたり同時に20人までご覧いただけるほか、角川つばさ文庫や青い鳥文庫などの人気の児童書300冊や夏目漱石、宮沢賢治、新美南吉などの名作500冊については、人数制限がなく、同時に何人でも読むことができるので、学校での朝読書などでも使うことができます。サービスを開始して、1か月で、延べ1692人、2500冊の電子書籍を利用いただいており、今後も利用者の皆さんのニーズを踏まえながら、サービスを充実させていきたいと考えています。
災害協定の締結
6点目は、「災害時における被害調査の支援に関する協定」の締結について、ご報告申し上げます。
去る8月22日に、富士測地株式会社と蕨市との間で「災害時における被害調査の支援に関する協定」を締結しました。富士測地株式会社は、測量業務において、日常的に無人航空機・ドローンを活用している事業者で、本協定では、市内で大規模な地震や風水害が発生した場合、または発生のおそれがある場合に、目視による現場確認が困難な状況において、蕨市の要請に基づき、ドローンを活用した写真及び動画の空撮調査を実施することを定めています。近年、全国の災害現場でドローンが活用され、その有効性が注目されていますが、災害時における被害状況の迅速で正確な把握は、人命の救助、被害の拡大の防止、災害からの復旧を進めていく上で大変重要なものであり、情報収集力の強化につながる本協定の締結によって、災害に強いまちづくりがより一層進むことを期待しております。
本協定により、蕨市が締結した災害協定は46件となりましたが、今後も災害に強いまちづくりをはじめ、民間との協働のまちづくりに積極的に取り組んでまいります。
「わらび機まつり」が3年ぶりに開催
7点目は、3年ぶりに開催された「わらび機まつり」について、ご報告申し上げます。
新型コロナの影響により2年連続で中止となっていた、蕨の夏の風物詩「わらび機まつり」が、8月5日から7日までの3日間、3年ぶりに開催されました。機まつりは、かつて機織りのまちとして栄えた蕨の歴史の継承と産業振興を願い、昭和26年7月7日に第1回が開催されて以来、まちを代表する祭りとして親しまれ、今回、70回目の節目を迎えました。感染拡大が続く状況にはありましたが、国や県から、イベントの中止など行動制限の要請が行われない中、感染対策と社会経済活動の両立を図りながら、蕨の賑わいを取り戻すとともに、蕨の歴史と文化のシンボルである「わらび機まつり」の伝統を、次の世代に引き継いでいくため、感染対策をしっかりと講じながら開催することといたしました。具体的には、開催日程や開催時間を短縮し、手踊りや七夕装飾コンクールなどのイベントは中止とするとともに、感染防止ガイドラインを定め、会場各所に感染対策を呼び掛ける看板や消毒用アルコールを設置するなど、感染対策の徹底を図りました。当日は、華やかな七夕装飾が沿道を彩り、市民参加のステージやアニメ聖地に認定された「さよなら私のクラマー」ブースなど新たな企画も行われましたが、3日間の合計で約17万人の方々が訪れ、子どもたちをはじめ、家族や友人たちと楽しむ多くの人々の姿に、改めて市民の皆さんが開催を心待ちにされていたことを実感しました。新型コロナに負けず、元気な蕨を取り戻そうと、開催にご尽力いただきました「わらび機まつり実行委員会」や商店街をはじめとする関係者の皆様、感染対策にご協力をいただいた皆様に、市長として心より感謝を申し上げます。今後も、コロナ禍を乗り越え、豊かな日常を取り戻すため、市民の皆さんと力を合わせていきたいと考えています。
以上、簡単ですが、令和4年第4回蕨市議会定例会における市長報告といたします。
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