市長報告(令和3年12月定例会)

ページ番号1008249  更新日 令和3年11月26日

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はじめに

 本日、ここに令和3年第5回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案2件、補正予算案2件、人事案1件、その他2件の計7件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、6点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

新型コロナウイルス感染症にかかるこの間の蕨市の取り組み

 1点目に、新型コロナウイルス感染症にかかる、この間の蕨市の取り組みについて、ご報告申し上げます。

(1)新型コロナワクチン接種事業

 第1は、新型コロナワクチン接種事業についてです。蕨市では、本年1月にプロジェクトチームを立ち上げて以来、感染対策の決め手とされるワクチン接種について、希望する全ての市民の皆さんが、なるべく早く安心して接種できるよう、全庁的な体制で取り組んできましたが、現在、高齢者の皆さんについては、92.0%の方が、対象者全体でも82.8%の方が2回の接種を終えており、全国や埼玉県の平均よりも速いスピードで順調に進めることができました。改めて、地元医師会や市民の皆さんをはじめ、ご協力いただきました全ての皆さんに感謝申し上げます。

(2)電子商品券「織りなすカード」事業

 第2は、電子商品券「織りなすカード」事業についてです。全ての市民の皆さんに1人3000円の電子商品券を支給する「織りなすカード」事業は、7月から利用が開始され、10月31日をもって終了しましたが、利用総額は、1億9,472万1,712円で、利用率は全体の85.4%、決済回数は10万8144回となり、参加した市内375店舗の92.3%での利用がありました。また、ボランティア団体への支援として、子ども食堂などを運営する「夕方からの居場所づくり ぽっかぽか」と点字サークル「あじさい」の2団体に、合計で40件、10万2,656円の寄附が寄せられました。
 参加した事業者の皆さんからは、「新しいお客さんにたくさん来ていただいた」「売り上げ増につながった」といった声を、市民の皆さんからは、「市内のお店の魅力発見につながった」「いつもより、ちょっと贅沢ができてよかった」といった声をたくさんいただきましたが、本事業を通じて、全ての家計を応援し、市内の消費拡大や地域経済の活性化、市内事業者への支援など、コロナに負けない元気なまちづくりに向け、大きな成果があったものと考えています。

(3)蕨市新型コロナ緊急対策第6弾

 第3は、蕨市新型コロナ緊急対策第6弾についてです。
 9月末で緊急事態宣言が解除され、この間、感染状況は落ち着きを見せているところですが、長引くコロナ禍の影響により、市民生活や地域経済は依然として厳しい状況にあり、冬の感染再拡大、いわゆる第6波の発生も懸念されることから、この度、「生活支援・経済対策」、「医療・療養者支援対策」、「3回目のワクチン接種の推進」を3つの柱とする「蕨市新型コロナ緊急対策第6弾」をとりまとめました。

第1の柱 生活支援・経済対策

 1つ目の柱である「生活支援・経済対策」では、3つの事業に取り組みます。
 第1に、ひとり親家庭等支援臨時給付金第2弾です。国の経済対策として、18歳までの子ども1人に10万円相当を給付する取り組みについて、その内、先行して支給を行う現金5万円分は、現在、できる限り速やかに支給できるよう補正予算の編成も含めて準備を進めていますが、これにあわせて、市独自に、経済的に厳しい状況にある児童扶養手当受給世帯に、子ども1人あたり2万円を上乗せして支給する考えです。第2に、地域活性化・消費者応援事業第2弾として、PayPay株式会社と連携し、スマホ決済を活用したポイント還元キャンペーンを実施します。昨年10月に続き、2回目の実施となりますが、ポイント還元率は20%で、来年2月に実施する予定です。第3に、新型コロナ感染対策支援事業補助金では、市内事業者が感染対策として行う空気清浄機や感染対策消耗品などの購入経費に対し、5万円を上限に補助します。制度の開始は1月からの予定ですが、今年9月以降の経費を補助対象とします。

第2の柱 医療・療養者支援対策

 2つ目の柱である「医療・療養者支援対策」では、3つの事業に取り組みます。
 第1に、市立病院において、発熱外来における迅速なPCR検査等に加え、抗体カクテル療法などを活用した早期治療やコロナ患者病床の拡充など、第6波に備えた医療体制の強化を図ります。第2に、新型コロナの自宅療養者を支援するため、10月に締結した埼玉県との覚書に基づき、県から情報提供を受け、市として、パルスオキシメーターの貸し出しや食料品・生活用品の提供を行い、より迅速に届けられるようにします。第3に、今年夏の第5波の際にはコロナ患者の救急搬送が急増したことから、救急車内や使用資機材等を除菌するオゾン発生器、救急出動先などで使用する深紫外パルス光除菌装置を整備し、救急活動での感染対策を拡充します。

第3の柱 3回目のワクチン接種の推進

 3つ目の柱である「3回目のワクチン接種の推進」については、2回目の接種から原則として8か月を経過した18歳以上の方を対象にワクチン接種を進めてまいります。既に、今月22日には、4月末までに2回目の接種を終えた方を対象に接種券を発送しており、今後、順次、発送していきます。接種は12月1日から開始し、当面は対象者がそれほど多くないことから、市立病院で接種を行い、その後、他の医療機関での個別接種や集団接種を追加し、円滑な接種を進めてまいります。
 第6弾の内容は以上となりますが、こうした取り組みを通じて、市民の皆さんの健康と暮らし、市内事業所の皆さんの営業を守るとともに、第6波にしっかりと備え、一日も早く豊かな日常を取り戻すため、全力を尽くしてまいります。市議会並びに市民の皆さんには、引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げます。

令和3年度 市民意識調査

 2点目は、令和3年度の市民意識調査の結果がまとまりましたので、ご報告申し上げます。
 この調査は、市民の皆さんのまちづくりに対するご意見やご要望を把握し、市民と行政が一体となったまちづくりを進めるために毎年実施しているもので、市内在住の18歳以上の男女1,000人を対象に調査票をお送りし、453人、率にして45.3%の方から回答をいただきました。
 それでは、主な内容についてご説明いたします。まず、毎年お聞きしている項目のうち、「まちへの愛着」については、「感じている」と答えた方の割合が69.5%と、昨年に続き、約7割という高い結果となりました。また、「永住意識」については、これからも「住みたいと思う」と答えた方の割合が58.1%と、約6割の方が、今後も蕨に住みたいと回答しています。
 次に、「まちづくり」についての考え方のうち、「子育て」についてお聞きしたところ、「子育てしやすいまちだと思う」、または「どちらかといえばそう思う」と回答した方の割合は、全体で約4割となっていますが、「わからない」との回答が45%と高かったことから、18歳未満の子どもがいる方に限定して見たところ、75.5%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答しており、現役で子育てをしている方の実に7割を超える方が子育てしやすいまちだと感じていることが分かりました。
 続いて、今後の市政の重点施策に関する設問では、36項目について、「重要度」と「満足度」の両面からお聞きし、「重要度」では、1位が「消防・救急体制」、2位が「防犯対策」、3位が「防災対策」で、昨年と同様、安全安心に関わる分野が上位を占め、「満足度」では、1位が「消防・救急体制」、2位が「上・下水道の整備、雨水対策」、3位が「防災対策」となりました。
 市では、これら調査結果を今後の市政運営の参考にして、引き続き、将来ビジョンに掲げるまちの将来像「安心とにぎわい みんなにあたたかい 日本一のコンパクトシティ蕨」の実現を目指し、各施策の充実を図ってまいります。

10月10日に開催した第75回蕨市成年式

 3点目は、去る10月10日に開催した第75回蕨市成年式についてご報告申し上げます。
 第75回蕨市成年式については、当初、本年1月11日の成人の日に開催を予定していましたが、新型コロナの感染拡大により、この秋に延期していたものです。全国では、中止やオンライン開催とする自治体も少なくありませんでしたが、新成人の皆さんが、コロナ禍という大変な困難に直面するなか、蕨市では、「次代を担う若者を、まちをあげて激励しよう」という発祥の地の原点に立ち返るとともに、ふるさと蕨での仲間との再会を大切にしたい、との思いから、延期の判断をいたしました。
 開催にあたっては、2部制で、式典のみとするなど、感染対策を講じながらの実施となりましたが、当日は、恩師たちが駆け付け、ジ・アルフィーの高見沢俊彦さんをはじめとする蕨出身の著名人の方々からのビデオメッセージが寄せられるなか、友との再会を喜び合う新成人たちの姿を見て、改めて成年式の意義を確認し、開催して良かったとの思いを新たにしました。新成人の皆さんには、ぜひ、発祥の地・蕨で新成人となったことを誇りに、この困難を乗り越え、より充実した人生を歩まれることを期待しています。なお、来年1月10日の成人の日に開催予定の第76回成年式は、感染再拡大の可能性も考慮し、引き続き、2部制での実施を予定しています。

蕨市民公園大型複合遊具のリニューアル

 4点目は、蕨市民公園大型複合遊具のリニューアルについてご報告申し上げます。
 平成元年の設置から30年以上にわたり、市民公園のシンボル的な存在として長く愛されてきた複合遊具は、老朽化に伴い、本年7月からリニューアル工事を進めてまいりましたが、先月完了し、10月16日に利用を開始しました。
 遊具のリニューアルにあたっては、昨年、ワークショップを開催し、子育て世代や地域の皆さんのご意見をいただき、長い間、利用者の皆さんに親しまれてきたこれまでの遊具と同じく、温かみのある木製とすることを基本方針とし、人気の高かったロープウェイを継承しつつ、要望の多かったスライダーを新たに2基配置するなど、子どもたちが全身を使って、いきいきと遊ぶことができる魅力的な大型複合遊具に生まれ変わりました。
 また、保護者の視点として要望があった安全面については、落下や挟み込みがないような安全基準を満たす構造や配置にすることはもちろん、衝撃を吸収するマットや利用のルールがわかりやすいようにイラストを使った案内板を設置するなどの配慮も行っており、小さなお子さんでも親子で一緒に安心して楽しめる工夫をしています。
 リニューアル後、市内外から多くの利用が見られ、子どもたちからはこれまで以上に好評を得ており、子どもたちの好奇心、冒険心を育み、公園の景観とも調和したこの遊具が、引き続き市民公園のシンボルとして、今後も地域の皆さんのみならず、多くの方々に愛され続けていくことを期待しています。

さよなら私のクラマーと連携した取り組み

 5点目は、「さよなら私のクラマー」と連携した取り組みついてご報告申し上げます。
 まず、「さよなら私のクラマー・アクティブプロジェクト」のキックオフイベントを、去る10月23日に、作品の舞台にもなった第一中学校で開催しました。この事業は、スポーツ庁の「SPORT in LIFEプロジェクト」とタイアップしたもので、日ごろ体を動かす機会の少ない女性を主なターゲットに、市民の皆さんの運動の習慣化を目的としたものです。イベントには、定員一杯となる50組100名の親子の皆さんに申し込みいただき、当日は、元プロサッカー選手らによるトークイベントや体力測定、親子サッカー教室などが行われました。本プロジェクトでは、今後、作品のゆかりの場所をめぐる聖地巡礼マップの作成や、マップを活用したスタンプラリーによるウォーキング大会を年明けに行うなど、楽しみながら運動をする機会を創出してまいります。
 また、作品のオリジナルグッズとして、限定ラベルのわらびりんごサイダーやフレーム切手の販売とともに、和樂備神社や塚越稲荷社では絵馬や御朱印紙の頒布が行われています。更には、蕨市にぎわいまちづくり連合会が中心となり、登場人物を描いたのぼり旗が市内の至る所に掲げられているほか、今月28日には蕨市民会館で映画の上映会が行われるなど、アニメの聖地を目指す取り組みがまちをあげて進められています。これからも、作品の応援とともに、女子プロサッカーリーグ・WEリーグの開幕を機に女子サッカーを応援するまちとして、「さよなら私のクラマー」と連携した取り組みを展開し、蕨市の魅力発信と活性化につなげていきたいと考えています。

蕨市多文化共生指針の策定

 6点目は、蕨市多文化共生指針の策定についてご報告申し上げます。
 多文化共生指針は、外国人住民と日本人住民が国籍や民族、文化、習慣、言語などの違いを超え、お互いを認め合い、ともに豊かに生きることができる多文化共生のまちを目指すためのガイドラインとなるもので、昨年度から策定に向けた取り組みを進めてまいりました。
 策定にあたっては、この間、外国人住民を含めた市民2,000人を対象とする意識調査を実施し、現状や課題を明らかにするとともに、市民懇談会でご意見をいただきながら、庁内連絡会での検討を進めてまいりましたが、蕨市多文化共生指針(案)では、基本方針に「互いに認め合い 共に心豊かに暮らす 笑顔あふれるまち 蕨」を掲げ、「学びとコミュニケーションでつなぐまちづくり」「誰もが暮らしやすい環境づくり」「多様性を活かした地域づくり」「地域の活性化とグローバル化をはぐくむ人づくり」という4つの基本目標と達成するための施策などを定めています。
 この指針案については、広く市民の方からご意見を伺うため、今月19日から来月10日までの期間でパブリックコメントを実施しておりますが、いただいたご意見を踏まえ、来年3月に策定してまいります。
 一人ひとりの多様性を尊重して、心でつなぐ笑顔あふれるまち蕨の実現を目指し、指針に基づき、取り組みを進めていきたいと考えています。
 以上、簡単ですが、令和3年第5回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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