市長報告(令和元年12月定例会)
市長報告(令和元年12月定例会)
本日ここに、令和元年第5回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。
今定例会でご審議いただく案件は、条例案6件、補正予算案2件、人事案1件の計9件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますようお願い申し上げます。
それでは、ここで、先の定例会から今日までの市政の取り組みや、当面する課題など6点につきまして、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。
1点目は先の台風19号への対応と被災地支援の取り組みについてご報告申し上げます。
日本列島を襲った台風19号による記録的な豪雨は、全国各地に甚大な被害をもたらしました。改めまして、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
蕨市では、今回の台風19号の上陸に備え、10月10日の午後2時に危機対策会議を開き、11日の午後9時にいち早く自主避難所を5か所開設しました。翌12日の正午には災害対策本部を設置し、3号体制を敷くとともに、午後2時に、避難所を19か所に増やし、高齢者等の皆さんに避難を促す警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」を発令しました。
その後、国土交通省・荒川上流河川事務所長と直接連絡を取り合うホットラインなども活用しつつ、荒川が氾濫危険水位を超える恐れが高くなったことから、午後8時に蕨市では初となる警戒レベル4「避難勧告」を発令し、防災行政無線やエリアメール、蕨市ホームページ、広報車などで市民の皆さんへの周知を図るとともに、適宜、避難行動要支援者の避難支援や避難所運営などについて、自主防災会の皆さんとの連携を図ってまいりました。避難された皆さんは、大変落ち着いて行動していただき、町会・自主防災会の皆さんのご尽力もいただくなかで、蕨市内では、床上浸水2件、床下浸水2件のほか、道路冠水などもありましたが、幸い、大きな被害はありませんでした。
今回の台風19号は、埼玉県内においても、荒川の支流における越水や堤防決壊などにより、甚大な被害をもたらしたことから、蕨市では被災地支援に向けて、坂戸市と東松山市に職員を派遣したほか、先月18日には、蕨駅西口駅前において、市の管理職を中心に街頭募金を実施し、1時間半という短い時間ではありましたが、30万円を超える義援金が寄せられました。また、市内の公共施設17か所に募金箱を設置し、今月末まで実施しているところです。
近年、日本各地で大規模な自然災害が発生し、今後も大きな自然災害の発生が懸念される中、蕨市では、今回の台風19号への対応について、町会長の皆さんなどにアンケートを行い、情報伝達や避難行動、避難所運営、町会としての対応など、気づいたことや改善点についてのご意見を伺っているところですが、今回の災害対応を検証し、今後の防災対策に生かしていきたいと考えています。
2点目は、令和元年度の市民意識調査がまとまりましたので、ご報告申し上げます。
この調査は、市民の皆さんのまちづくりに対するご意見やご要望を把握し、市民と行政が一体となったまちづくりを進めるために毎年実施しているもので、市内在住の18歳以上の男女1,000人を対象に調査票をお送りし、429人、率にして42.9%の方から回答をいただきました。
それでは、主な内容についてご説明いたします。まず、毎年お聞きしている項目の内、「まちへの愛着」につきましては、「感じている」と答えた方の割合が71.1%と、引き続き7割を超える高い結果となりました。また、「永住意識」については、これからも「住みたいと思う」と答えた方の割合が64.8%と、6割以上の方が、今後も蕨に住みたいと回答しています。
次に、「日本全体で進む人口減少や高齢化など人口問題への対応」に関し、行政が取り組むべき施策についてお聞きしたところ、1位が「子育てしやすい環境づくり」、2位が「医療・介護提供体制の充実」、3位が「妊娠・出産への支援」、4位が「中心市街地の活性化」となりました。この結果については、現在進めている「蕨市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改定作業に生かしていきたいと考えています。
続いて、今後の市政の重点施策に関する設問では、36項目について、「重要度」と「満足度」の両面からお聞きし、「重要度」では、 1位が「防犯対策」、 2位が「防災対策」、 3位が「消防・救急体制」で、昨年と同様、安全安心に関わる分野が上位を占め、「満足度」では、1位が「消防・救急体制」、 2位が「上・下水道の整備、雨水対策」、3位が「子育て支援」となりました。
市では、これら調査結果を今後の市政運営の参考にして、引き続き、将来ビジョンに掲げるまちの将来像「安心とにぎわい みんなにあたたかい 日本一のコンパクトシティ蕨」の実現を目指し、各施策の充実を図ってまいりたいと考えております。
3点目は、現在、基本設計の策定作業を進めている新庁舎建設の検討状況についてご報告申し上げます。
市役所の新庁舎は現在地での建て替えとなりますが、敷地については、県道蕨停車場線、いわゆる市役所通りに面するよう拡張し、現在より600平方メートル広い4300平方メートル程度に広がります。
建物の配置や形は、拡張する敷地の有効利用を図りつつ、1階を絞ったキューブ形状の5階建ての建物とすることで、日影などの周辺住環境への影響を少なくし、敷地内に80台程度の平置き駐車場を整備できる予定となっています。建物の床面積は、昨年度策定した基本構想・基本計画通り、6500平方メートル程度であり、現庁舎の約1.4倍となります。
また、基本構想・基本計画において、検討課題とされた地下駐車場については、工事費や維持管理費が増大するほか、工期、利便性、水害対応などの面でも課題があり、今回の基本設計案で、現庁舎の2倍以上の駐車場が平置きで確保できる見込みであることから、地下駐車場は設置しない方向で検討しています。
建物の主なゾーニングや機能については、1階には情報発信コーナーや多目的会議室を設け、低層階に窓口機能、4階に災害対策本部機能、5階には議会機能を整備するほか、建物中央には自然採光や自然換気ができるエコボイドを設ける予定です。
引き続き、基本構想・基本計画の内容を踏まえ、ゾーニングや機能などについて更に検討を重ね、来年4月までに基本設計案をまとめ、パブリック・コメントを実施していきたいと考えております。
4点目は蕨ブランドによる活性化の取り組みについてご報告申し上げます。
蕨市では、にぎわいあふれる元気なまちづくりに向けて、双子織やわらびりんごなど、蕨のすぐれた地域資源を生かした蕨ブランド戦略を進めているところですが、今年度は、認定期間の3年を迎えることから、新たな蕨ブランドの認定に向けて、5月から6月に募集を行ないました。
その結果、8事業者から11件の申請があり、7月30日の一次審査、11月20日の最終審査を経て、この度、5事業者5件を蕨ブランドとして認定いたしました。認定したのは、大荒田交通公園に保存されている蒸気機関車をモデルに作製された株式会社マイクロエースのNゲージ鉄道模型「C11(しー じゅういち)-304(さんまるよん)蕨保存車」、株式会社ニイニの「双子織トラックジャケット」、蕨双子織夢工房の「双子織日傘」、有限会社染太郎の「蕨書き順Tシャツ」、一般社団法人蕨ブランド協会の「わらびの蕨もち」です。また、これまでの蕨ブランド認定品5件についても更新の認定を行ったことから、蕨ブランド認定品は10件となりました。
今後、認定品のパンフレットを作成するなどPRに向けた準備を行い、来年2月ごろにお披露目会を行う予定であり、各種イベントへの出店をはじめ、市の広報紙やホームページへの掲載、各種報道機関への情報提供などを積極的に行い、市内外に蕨ブランドの魅力を発信してまいります。
また、わらびりんごを活用した商品化は、「わらびりんごサイダー」に続き、第2弾として、7月に開催したわらびりんごフェアで初出品して好評をいただいた「わらびりんごシャーベット」を、来年度から本格的に販売してまいります。そのほか、クラフトビールを手掛けている事業所との協働により、わらびりんごを使ったビールの試作も行なわれ、先日の宿場まつりで限定販売されました。
さらに、本年3月、蕨商工会議所が中心となって蕨ブランド協会が設立されましたが、10月には、蕨駅西口の空き店舗をリノベーションして「WARABI SELECT SHOP」がオープンしました。
このショップには、蕨のお土産品として開発・商品化し、この度、蕨ブランド品として認定された「わらびの蕨もち」をはじめ、双子織を使った魅力的な商品などが常時販売されています。
今後、蕨ブランドの発信拠点として、大いに期待するとともに、市としても蕨ブランド協会と連携・協力を深め、蕨ブランドをよりいっそう充実・発展させることで、まちの活性化につなげていきたいと考えています。
5点目は、幼児教育・保育の無償化の対象外とされている「ひかり幼稚舎」への支援について、ご報告申し上げます。
幼児教育・保育の無償化制度は、本来、社会全体で、次代を担う子ども達の健やかな成長を支援するため、子育て世代の経済的な負担軽減を図ることを目的としていますが、幼児教育類似施設は無償化の対象外とされました。
蕨市としては、長年にわたり、蕨において、幼児教育の重要な一翼を担ってきた幼児教育類似施設である「ひかり幼稚舎」についても無償化の対象とすべきと考え、この間、国への要望活動に取り組んでまいりましたが、そうした対応が図られないままでの無償化のスタートとなりました。
こうした状況では、無償化の対象となる施設との保護者負担の差が大きく、ひかり幼稚舎の存続にも、かかわりかねないことから、蕨市では、幼稚園児補助金を継続するとともに、この間、ひかり幼稚舎のご意見もお伺いしながら、新たな支援策を検討してまいりました。その結果、国から示された支援策の一つである「地域子育支援拠点事業」をひかり幼稚舎に委託することとし、10月25日から、事業を開始しました。
事業内容としては、ひかり幼稚舎に「地域子育て支援センター」事業を委託し、未就園親子への園庭開放や育児相談、講習会などを実施するものですが、このことにより、蕨市における子育て支援の充実につながるとともに、ひかり幼稚舎においても、保育料の実質無償化につながる措置を講じることができたとのことであります。
引き続き、国に対する要望を継続しつつ、国の動向も注視しながら、必要な支援を図ってまいります。
6点目は、蕨市市制施行60周年記念式典についてご報告申し上げます。
蕨市は、本年、市制施行60周年を迎え、4月のオープニングセレモニー以来、様々な記念事業に取り組んでまいりましたが、11月2日には、記念事業のメインとなる蕨市市制施行60周年記念式典を市民会館で開催いたしました。
式典には、大野元裕埼玉県知事をはじめとする多くのご来賓や、今日の蕨を築き上げるうえで多大なるご貢献をいただきました多くの市民の皆さんなど、720人が参加し、市制施行60周年にふさわしい式典となりました。
蕨フィルハーモニックウィンズと第一中学校音楽部の皆さんによる素晴らしい歌声と演奏がオープニングを飾り、式典第1部では、第36回けやき文化賞に、ミュージシャンの坂田明さんを、また、様々な分野で長年にわたり市政発展にご尽力をいただいた皆さんを自治功労者として表彰させていただくとともに、THE ALFEEの高見沢俊彦さんをはじめ、各界で活躍されている蕨にゆかりのある皆さんから、心のこもったお祝いのビデオメッセージをいただき、上映させていただきました。
また、市制施行60周年記念作文として、市内の小中学生から1009点に上る作品が寄せられ、優秀作品の表彰を行うとともに、最優秀賞に選ばれた作文の朗読がありましたが、ふるさと蕨を大切にしている気持ちがあふれた素晴らしい作品でした。
第2部では、記念講演として、蕨市出身でフリーアナウンサーの小島奈津子さんに、アナウンサーとしての彩り豊かなエピソードやふるさと蕨への想いなど、楽しいお話をしていただきました。
こうして、市民の皆さんと市制施行60周年をお祝いし、蕨の更なる飛躍の契機とする、そんな素晴らしい式典となりましたことを、大変うれしく思うとともに、市長として、市民の皆さんとともに、蕨の素晴らしい地域力を生かして、これからも、全国に誇れる蕨のまちづくりを進めていこうと、決意を新たにしたところであります。
市制施行60周年記念事業については、今後、12月に、蕨駅西口広場のイルミネーションのリニューアルや、元Jリーガーで浦和レッズのキャプテンを務め、日本代表にも選ばれた 鈴木啓太さんをはじめ、サッカー、バレー、バスケ、ラグビーの4競技からトップアスリートをお招きして「SOMPOボールゲームフェスタin蕨」を開催するほか、来年2月にはテレビの人気番組、「開運!なんでも鑑定団」の公開収録を予定しており、現在、市民の皆さんからのお宝鑑定を募集しています。ぜひ、多くの市民の皆さんにご応募いただき、心に残る60周年にしていきたいと考えています。
以上、簡単ですが、令和元年第5回蕨市議会定例会における市長報告といたします。ありがとうございました。
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