市長の施政方針表明(令和8年3月定例会)
はじめに
本日、ここに、令和8年第2回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り、厚くお礼を申し上げます。今定例会は、令和8年度の当初予算をはじめとする重要な案件をご審議いただくことになりますが、この際、私が、これからの市政運営に臨む基本的な考え方や新年度予算の編成方針、更には予算の概要と主な事業について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第であります。
課題山積の日本の未来の鍵を握る地方自治体
さて、世界では、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、大国を中心とする力による現状変更の試み、自由貿易のルールを無視した保護主義の台頭など、戦後80年の間に確立されてきた法とルールに基づく国際協調の枠組みが至るところでほころびを見せ、地球温暖化による気候変動や災害の激甚化、人工知能AIの急速な進化と社会の分断への影響など、大変な激動の時代の中にあります。一方、日本では、依然として続く物価高騰による市民生活の厳しさに加え、人口減少・少子高齢社会の本格化、社会インフラの深刻な老朽化の進行、更には、大規模災害の懸念の高まりなど、文字通り課題が山積しています。
こうした課題の多くは、地域や市民生活に密接したテーマであり、地方自治体こそが、市民の暮らしの安心を守り、日本の未来を開くカギを握っていると考えています。そして、日本一コンパクトな市の中に、豊かな歴史や文化、多彩な魅力、高い地域力、都市としての利便性の高さなど、大きな力と可能性を有している蕨市は、このような時代にあって、全国のモデルとなる取り組みができるものと確信しています。
日本が直面する課題を乗り越え、未来への飛躍へ進む蕨
「意志あるところに道は開ける」
これは、「奴隷解放の父」と呼ばれる第16代アメリカ合衆国大統領、エイブラハム・リンカーンの言葉です。当時、人種差別だけでなく、労働力や財産、法律や諸制度においてアメリカの社会経済に深く根ざし、困難とされていた奴隷制度の廃止を成し遂げると同時に、国民の分断の危機からも国を救い出しました。リンカーンの言葉には、どんなに困難な状況でも、それをやり遂げるという強い意志から、必ず解決策や達成への道筋が見つかることを私たちに教えています。
私は、市長就任以来、市民と心が通い合い、暮らしを支える「日本一のあったか市政」を掲げ、ただひたすら、生まれ育った蕨の発展と7万市民の幸せのため、持てる力の全てを尽くしてまいりました。当時、蕨市は、人口の微減傾向が続き、子育て支援や教育の充実が切実に求められる一方で、公共施設の耐震化の深刻な遅れや土地開発公社を含めた多額の債務残高など、大きな課題に直面していました。こうした中、県南でいち早い実施となった18歳・高校卒業までの子ども医療費無料化や国に先駆けての35人学級、市役所庁舎の建て替えや公共施設、水道の耐震化の推進、そして、市長就任以来約158億円にのぼる財政の健全化など市政の改革を着実に進め、この間、市の人口は7万人から7万7千人に増加するなど、子育て世帯を含め、選ばれるまちづくりを進めることができました。こうした前進を実現することができたのは、何よりも、困難を何としても解決したいという強い意志とともに、蕨の市民の皆さんとの信頼、協働の力にあったと考えています。
いま、物価高騰や先行き不透明な時代にあって、市民生活は大変厳しい状況にあり、市政運営も様々な課題に直面し、厳しさを増しています。こうした時代だからこそ、市長として、確かなビジョンと確固たる意志を持ち、市民の皆さんとの信頼関係を更に深めながら、強いリーダーシップと覚悟をもって市政運営に当たる事が求められています。私は、市長として、そんな覚悟を胸に、蕨の飛躍の10年をつくる将来ビジョンⅡと「あったか市政」第2ステージに基づくまちづくりを力強く前進させ、市民が安心と希望をもって住み続けられるまち蕨、未来に向けて本格的に飛躍するまち蕨の実現に、全力を尽くす決意であります。
そこで、「くらしの安心を守り、未来への飛躍を本格化!」をテーマに令和8年度の予算編成を行い、一般会計の当初予算案は、過去最大規模となる392億4,000万円となりました。
令和8年度の重点施策~くらし安心・住みよい蕨への重点課題と未来への飛躍を本格化するリーディングプロジェクト
くらし安心・住みよい蕨への重点課題
それでは、最初に、令和8年度の重点施策について申し上げます。令和8年度は、くらし安心・住みよい蕨への5つの「重点課題」と蕨の未来への飛躍を本格化する2つの「リーディングプロジェクト」に取り組んでいく考えであります。
(1)物価高騰対策
重点課題の1つ目は、物価高騰対策です。
依然として厳しい物価高騰が続く中、市独自の物価高騰対策として、全ての市民の皆さんに1人7000円の暮らし応援券を支給する「織りなすクーポン」第3弾を実施いたします。これまで2回実施した織りなすクーポン事業は、1人5000円分の暮らし応援券でしたが、昨今の厳しい物価高騰の影響を踏まえ、国の交付金に市の独自財源を加え、1人7000円に拡充する思い切った対策を講じることといたしました。関連予算については、既に1月臨時会でご議決いただいたところですが、「織りなすクーポン」第3弾では、市内の全取扱店で利用できる共通クーポンを5000円分、大型店以外で利用できる専用クーポンを2000円分とし、実施スケジュールについては、予算議決後、なるべく早く実施できるよう取り組みを進めてきましたが、当初の予定を前倒しし、7月にクーポン券の配布を行い、利用期間は、8月から10月末までとなる見込みとなりました。
「織りなすクーポン」第3弾は、全ての市民の皆さんの家計の支援になるとともに、紙のクーポン券方式により、高齢者の皆さんを含めて、市民誰もが利用しやすく、市内事業所の売り上げ増にもつながるものであり、本事業を通じて、厳しい物価高騰から、市民生活と市内事業者を守るため、全力で取り組んでいきたいと思います。
(2)安全安心のまちづくりの強化
重点課題の2つ目は、「安全安心のまちづくりの強化」です。
その第1は、「防災都市づくりの更なる強化」です。まず、水道の耐震化については、基幹管路の耐震化率は、全国平均の43.3%に対し、蕨市ではすでに99.4%に達していますが、基幹管路に次いで重要となる、避難所や病院などへの重要施設配水管について、更なる耐震化を進め、令和8年度末には、耐震化率は97.5%となる予定です。また、下水道については、平成28年度に策定した下水道管路長寿命化基本計画に基づき、老朽化した下水道管の改修やポンプ場ストックマネジメント詳細計画の策定を行うとともに、市役所や新市立病院など重要施設への下水道の管路耐震化実施設計を行い、更なる耐震化を進めます。加えて、JRをまたぐ橋りょうの長寿命化・耐震化を推進し、丁張跨線人道橋に加え、新たに塚越跨線人道橋の修繕工事を実施するとともに、市内に53ある橋りょうを対象に3回目となる「橋りょう定期点検」を行います。
また、避難所などにおける生活環境の改善のため、災害用対策備品について、国の交付金も活用して大幅な拡充を行うこととし、新年度は、テント型集合トイレや簡易ベッドのほか、ポータブル蓄電池やソーラーパネル、LED投光器、LPガス・ガソリン発電機などの整備を行います。
第2に、「防犯対策の更なる充実」です。この間、街なか防犯カメラの増設や家庭用防犯カメラ設置費への補助制度の創設、飲料メーカーと連携した防犯カメラ機能付き自動販売機の設置など、防犯対策の強化を行い、市内犯罪件数は、ピーク時と比較して4分の1以下に減少していますが、新年度は、蕨駅東西口周辺において、帰宅時間帯を中心に、今年度から実施している青色防犯パトロールに加えて、新たに警備会社による徒歩での巡回パトロールを実施し、更なる犯罪抑止力の向上や体感治安の向上につなげて行きたいと考えています。
第3に、「蕨戸田衛生センターへの対応と環境問題の取り組み」です。蕨戸田衛生センター組合では、昨年7月に発生した火災により稼働を停止していた焼却施設について、この間、復旧工事を進めてきましたが、来月から順次運転を再開するとともに、新年度には、1月にとりまとめられた「火災に関する調査検証・再発防止対策会議報告書」に基づき、監視カメラや火炎センサー、散水設備の増設、遠隔で消火活動ができる放水銃の設置などの検討を含め、施設の安全対策を強化していく予定です。加えて、新年度からごみの分別方法を更にわかりやすく変更するなど、リチウムイオン電池の安全対策を強化してまいります。また、脱炭素社会の実現に向けて、小中学校などの公共施設の照明設備のLED化を進め、電気代や環境負荷の軽減を推進します。
(3)子ども達が輝く子育て・教育の充実
重点課題の3つ目は、「子ども達が輝く子育て・教育の充実」です。
その第1は、「全ての子ども達が安心して学べる教育環境の充実」です。
はじめに、全国的に不登校児童が増加傾向にある中、不登校対策の抜本的な拡充として、今年度は、全ての中学校に、校内教育支援センター「e-sta(エスタ)」を整備し、専任の担当教員とスタッフを配置しましたが、新年度は、小学校においても、南小学校・中央東小学校・西小学校・東小学校の4校に「e-sta」を整備し、ここを拠点としながら、全ての小学校の児童を対象に、子ども達一人ひとりに寄り添った学習支援と居場所づくりを進めます。また、特別な支援を必要としている児童生徒への支援拡充に向けて、通級指導教室について、新たに中央小学校と塚越小学校に発達・情緒の教室を設置し、6校に増設するとともに、特別支援教育支援員を10名から15名に増員します。
次に、学校トイレの全面リニューアルについては、新年度は、西小学校、北小学校、中央東小学校、塚越小学校で改修工事を実施し、これで小学校での改修が完了するとともに、次年度の改修に向けて、3つの中学校の設計委託を行います。
更に、学校給食費の無償化・負担軽減については、国と連携して、新年度から、小学校の学校給食費の無償化を実施するとともに、中学校においては、引き続き、市独自に第2子以降の無償化と物価高騰に伴う学校給食費の負担軽減を行います。
第2は、「子育て支援の更なる充実」です。
まず、「こども誰でも通園制度」の実施です。全ての子どもの育ちと全ての子育て家庭に対する支援を強化するため、6か月児から満3歳未満の子どもを対象に、就労要件を問わずに利用できる「こども誰でも通園制度」を、市内11箇所の保育園等で新たに実施します。
次に、保護者が病気などで一時的に子どもを養育することが困難となった場合に、児童養護施設などで一時的に子どもを預かるショートステイ事業を新たに実施するとともに、学童保育のニーズの増大に対応して、4月から、南小学校区に市内23か所目となる学童保育室「キッズクラブ蕨南」を開設します。
第3は、「子ども達がいきいき育つ環境づくり」です。子ども達の居場所づくりや遊びの充実をはかるため、子ども達が自然と触れ合える公園をコンセプトとする錦町1号公園の整備工事を進めるとともに、キャッチボールやバスケットボールなど、ボール遊びのできる広場を市民公園内に整備します。
また、来年夏の竣工に向け、整備を進めている蕨駅西口再開発公共公益施設の新図書館について、子どもエリアやヤングアダルトコーナーなど、子ども達にとっても大切な空間、居場所となるよう、準備を進めていきます。
(4)新たなにぎわいと交流の広がるまちづくり
重点課題の4つ目は、「新たなにぎわいと交流の広がるまちづくり」です。
その第1は、「駅前再開発と連動したまちのにぎわいの創出」です。
蕨市役所の仮設庁舎跡地を活用した、中山道への新たな「にぎわい交流拠点」の整備について、民間機能施設として、コメダ珈琲店蕨宿店のオープンを今月27日に予定するとともに、蕨ゆかりの商品などを取り扱い、まちの魅力を発信していく物販施設や、市民の皆さんがくつろぎ、イベント会場としても活用できる広場機能などを持つ公共機能施設について、令和8年度末までに、整備を進めます。更に、中央第一地区まちづくりにおいて、蕨駅西口駅前通りを「にぎわい交流軸」として拡幅整備するための実施設計を行うなど、駅前再開発と連動した回遊性のあるまちづくりを推進します。
第2に、「市民が集う生涯学習・文化スポーツの拠点の整備」です。
市立病院の建替え方針の決定に伴い、移転整備を行うこととなった西公民館・松原会館について、「子どもから高齢者まで、あらゆる世代の人々が集い、交流し、学び、絆を紡ぐひろば」を基本理念とする、新たな複合施設の建設工事を、令和9年春の開設を目指し、進めてまいります。
また、蕨市の芸術文化の拠点である市民会館コンクレレホールの舞台照明設備や舞台床、客席等の改修を行うリニューアル工事やピアノの更新を行い、8月から新たな装いとしたホールをお披露目するとともに、市民体育館アリーナについて、近年の猛暑に対応した、快適な利用環境の整備と、災害時の避難所としての環境改善に向けて、エアコン整備の設計を進めます。
(5)市民の健康と命を守るまちづくり
重点課題の5つ目は、「市民の健康と命を守るまちづくり」です。
まず第1に、「スマートウエルネスシティの推進」です。
今年度は、誰もが健康と幸せを実感できるスマートウエルネスシティのまちづくりを本格化させ、健康アプリ「コバトンALKOOマイレージ」への登録者数は、4000名を超え、人口に対する登録率が県内市で1位となるなど、市民のウォーキングの輪も着実に広がっていますが、新年度は、引き続き、ウォーキングイベントや蕨あるこうキャンペーンの開催、公園への健康遊具整備に加えて、まちなかベンチ整備工事や歩道の改修、ウォーキングコースを活用した公民館での講座の開催など、その取り組みを加速させます。
第2に、「市立病院の経営改革」です。
近年、病院経営の環境悪化が全国的な問題となっていますが、市立病院においても、新型コロナ以降の患者数の減少とともに、国の診療報酬の抑制や人件費の上昇、物価高騰などにより、その経営が非常に厳しい状況に置かれています。そこで、市立病院が将来に向けて安定運営ができるよう、「蕨市立病院 経営危機打開プラン」を策定し、入院患者の受け入れ強化や外来患者増に向けた医療サービスの充実、組織改革や経営の効率化などを強力に進めてまいります。
蕨の未来への飛躍を本格化するリーディングプロジェクト
次に、蕨の未来への飛躍を本格化する2つのリーディングプロジェクトについて申し上げます。
(1)蕨駅西口再開発事業の推進
第1に、「蕨駅西口再開発事業の推進」についてです。この事業は、駅と直結した魅力ある商業施設や公共公益施設、都市型高層住宅など、駅前を一体的に整備し、蕨の新たな玄関口にふさわしいまちづくりを進めるものであり、蕨の未来への飛躍に向け、人口減少社会にあっても、蕨市が「選ばれるまち」として発展していくための核となる事業であります。
令和8年度は、引き続き、建物建設工事を進めていくとともに、駅前広場の拡幅リニューアルや区画街路の整備にも着手します。建物の竣工は令和9年7月の予定ですが、公共公益施設については、令和9年秋の開所を目指し、新図書館については、カフェコーナーと一体となった新聞・雑誌ラウンジなど、居心地の良い空間づくりを進めるとともに、駅直結の利便性の高さを生かして、平日は、通勤・通学帰りの方も利用しやすい午後9時まで開館するなど、誰もが豊かな時を過ごせる魅力的な空間として整備していきます。行政センターについても、パスポートの申請・交付や各種証明書の交付、転出入の手続きなどを取扱業務として、平日は午後8時まで、土日祝日も開所することを基本に準備を進めてまいります。そして、この公共公益施設の愛称を来月から募集いたします。
こうした蕨駅西口再開発を着実に推進するため、令和8年度は、再開発事業に対する補助金約62億円を計上するとともに、引き続き、再開発組合に対する支援を行ってまいります。
(2)市立病院の移転建替え
第2は、「市立病院の移転建替え」についてです。市民の命と健康を守る拠点である市立病院の移転建替えについては、昨年3月に新病院の基本構想・基本計画を策定いたしましたが、急性期医療の継続や地域包括ケアへの対応、周産期医療、小児医療の提供、市民の健康の維持増進への対応、入院環境の改善など8つの基本方針を掲げ、今年度は、新病院建設の基本設計に取り組んでまいりました。現在、基本設計は素案の段階にありますが、バリアフリー、ユニバーサルデザインへの対応や災害に強い施設、近隣環境と景観への配慮などを行いながら、昨今の建設費用の増大に対応し、ローコスト建築の徹底を図り、建設工事費は約87億円、病床数は現在の130床から120床とする内容で検討を進めており、市議会議員の皆様との意見交換会を経て、基本設計案を固める検討を行っているところです。
今後、パブリック・コメントや住民説明会を行い、その後、基本設計を策定し、新年度は、実施設計に着手していく考えでありますが、市立病院の建替え・充実は、超高齢社会に対応し、蕨市が安心して住み続けられる、選ばれるまちとして発展していく上で、大変重要な課題であり、引き続き、市議会並びに市民の皆さんのご理解をいただきながら、着実に進めていきたいと考えています。
令和8年度蕨市予算概要
それでは、令和8年度蕨市一般会計予算の概要について申し上げます。
歳入においては、歳入の根幹をなす市税収入を前年度比7億1,000万円増の129億8,000万円、地方交付税は2億6,000万円減の23億4,000万円、国庫支出金は再開発事業補助金などの増により、約37億2,500万円増の約110億6,300万円と見込んだほか、繰入金は約5億1,300万円増の約28億5,300万円、市債は約15億8,900万円増の約31億2,000万円と見込みました。
一方、歳出においては、蕨駅西口再開発事業補助金や西公民館等複合施設建設工事、錦町1号公園などの公園等整備工事、市民体育館アリーナへの空調設備設置工事設計委託などの建設関連予算をはじめ、保育の充実や特別支援教育支援員の増員、校内教育支援センター「e-sta.」の拡充など、子育て・教育関連予算の増額のほか、市立病院事業会計負担金の増や火災への対応の影響による蕨戸田衛生センター組合への負担金の増、等により、予算総額は前年度比21.9%増の392億4,000万円となりました。
特別会計は、国民健康保険や錦町土地区画整理事業など5つの会計からなり、その総額は165億6,700万円、病院、水道、下水道の企業会計合計額は、66億4,284万6,000円で、以上の全会計を合わせた蕨市全体の予算規模は、624億4,984万6,000円となりました。
将来ビジョンⅡの7つの柱に沿った主な施策
次に、将来ビジョンⅡに掲げる、まちづくりの目指す姿を分野別に示した7つの柱の主な施策について申し上げます。
(1)安全で安心して暮らせるまち
1点目の「安全で安心して暮らせるまち」では、防犯対策として、高齢者を対象とした振り込め詐欺防止に効果が高い通話録音機能付き電話機購入費の補助制度や家庭用防犯カメラ補助制度の予算を増額します。交通安全対策では、今年度に実施した施設点検の結果に基づき、160基の道路照明灯の更新を行なうとともに、自転車乗車時のヘルメット着用をいっそう促進するため、自転車用ヘルメット購入への補助を、令和8年度も延長して実施してまいります。
また、市民の方からいただいた1億5千万円の寄附金を活用して、消防ポンプ自動車や高規格救急自動車等の更新を行うなど、市民の皆さんの命を守る消防・救急体制の更なる整備を進めていきます。
(2)豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち
2点目の「豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち」では、民間事業者による屋内プールを活用した水泳授業を現在の小学校4校から5校に拡大するとともに、教育現場への支援として、弁護士による、児童生徒間や保護者間のトラブルへの助言や学校が抱える問題に対する法律相談等を実施するスクールロイヤー制度を導入します。
また、市内5つの地域子育て支援センターに子育て世帯に対する相談支援や情報発信などを実施する地域子育て相談機関を設置するとともに、児童館や学童保育室の空調設備の更新を行うほか、公立保育園リニューアル3か年計画に基づき、空調や照明、トイレ、セキュリティー対策などの施設改修に向けて、新年度は2つの公立保育園における設計委託を行います。
(3)みんなにあたたかく健康に生活できるまち
3点目の「みんなにあたたかく健康に生活できるまち」では、新たに妊婦へのRSウィルスワクチンと75歳以上への高用量インフルエンザワクチンの定期接種を行うとともに、保健センターにおけるボックス型ベビーケアルームの設置やトイレ洋式化の改修工事を行います。
また、いきいき百歳体操については、昨年23か所まで増えましたが、新年度は、更に開催場所が増えるよう支援するほか、引き続き、からだ健康チェック会やフレイル予防教室を開催し、介護予防と認知症対策に力を入れるとともに、東京医大との包括連携事業として「市民健康公開講座」を開催します。
更に、11月に開催される「ねんりんピック彩の国さいたま2026」において、蕨市で将棋の文化交流大会を実施するとともに、新年度は、障害者や障害児、高齢者や介護保険にかかる各種計画の策定、そして新たに認知症施策推進計画の策定に取り組みます。
(4)にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち
4点目の「にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち」では、市内の空き店舗の有効活用や創業支援について、引き続き取り組みを進めていくとともに、蕨の優れた地域資源を生かした魅力やストーリー性にあふれた「蕨ブランド」認定品について、今月20日に第4期の認定証授与式を行い、そのお披露目を行うとともに、大宮駅前のPR施設で行う「蕨祭」の開催やパンフレットの作成など、その魅力を市内外に発信していきます。
また、新年度は、中仙道蕨宿商店街の街路灯及び防犯カメラの修繕について埼玉県と連携した補助を行います。
(5)環境にやさしく快適で過ごしやすいまち
5点目の「環境にやさしく、快適で過ごしやすいまち」では、令和8年度も引き続き、老朽化した道路や大木化した樹木等への集中的な対応を実施するとともに、今年度に実施した水路点検の結果を踏まえ、早期に対応が必要な水路を改修します。
また、蕨駅東口のエスカレーター改修工事を行うとともに、公園のトイレについて、引き続き洋式化などの改修工事を行うほか、塚越グラウンドについて、全面改修工事のための実施設計を行います。
更に、錦町土地区画整理事業については、繰越明許費分7棟と合わせて、新年度には27棟の家屋移転を計画しており、着実な推進を図ってまいります。
そのほか、生活環境の改善に向け、軽量型の資源ごみの回収かごについて、町会の皆さんからも好評であることから、更に300個分の貸与を進め、引き続き普及に向けた取り組みを進めます。
(6)一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち
6点目の「一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち」では、市民との協働によるまちづくりであるSDGs提案制度について、新年度は、6つの事業を市民の皆さんとともに実施していくとともに、塚越地区のまちづくりについて、市民懇談会やアンケートなど地域の皆さんの声を伺いながら、未来に向けた夢のある「塚越ビジョン」の策定に取り組んでまいります。
多文化共生のまちづくりについては、外国人に対するゴミ出しルールの周知のため、クリーンステーション及びリサイクルステーション各100か所に4か国語で表記した看板を設置するとともに、外国人転入者に対し、日本の生活ルールやマナーをお知らせするオリエンテーションの充実を進めます。
また、第20回目を迎える国際青少年キャンプは、姉妹都市であるアメリカ・エルドラド郡の青少年を蕨に迎え、今回初めて、一昨年5月に市民交流を含めた災害応援協定を締結した山梨県笛吹市を会場として開催し、エルドラド郡と蕨市の青少年のほか、笛吹市の青少年も加わり、自然や文化、スポーツなどを通じて交流を進めます。
(7)市民と市がともに力を発揮して創る自立したまち
7点目の「市民と市がともに力を発揮して創る自立したまち」では、今年度に引き続き、税や福祉など13業務について、自治体情報システムの標準化を進め、令和8年度で全ての業務の移行を完了するとともに、デジタル技術の業務への更なる活用のほか、マイナンバーカード申請支援や初心者のためのスマホ教室などデジタルデバイド対策を進めるなど、自治体DXを推進していきます。
また、SDGsに積極的に取り組む市内事業者を認定するSDGsパートナー制度を今年度創設し、既に9社の認定をさせていただきましたが、引き続きその取り組みの輪を広げていくとともに、SNSでの蕨の魅力の発信を強化してまいります。
市税の納税率については、税の公平性確保と市の財源確保のため、この間、向上に向けた取組みを一貫して強化し、昨年度まで14年連続で向上し、その間、納税率は平成22年度の85.2%から昨年度の97.9%へ12.7ポイント上昇することができました。新年度においても、引き続き、今年度体制を強化した徴収専門員の活用など収納対策に力を入れるとともに、国・県の補助金の積極的な活用やふるさとわらび応援寄附のポータルサイトを拡充し、受け入れ拡大を図るなど、財源の確保にも努めてまいります。
以上が、令和8年度の主な施策や予算となります。
結びに
「安心ほど人間の幸福に直接貢献するものはない」
これは、19世紀イギリスの哲学者・経済学者であるジョン・スチュアート・ミルの言葉です。ミルは、当時、絶頂期にあったイギリス資本主義を支えた著名な経済学者の1人でありますが、そんなミルが、特に強調していたのが、社会経済の発展と市民の幸せの実現には、社会的な安心感が不可欠であるということでありました。
いま、世界と日本は、インフレの進行や大国を中心とする世界の構造変化など、先行きへの不透明感が増していますが、そうした中だからこそ、市民に最も身近な自治体として、暮らしの安心のために最大限の力を尽くす時であると考えています。そして、子育てや教育、防災防犯、健康づくりなど、その安心を基礎としつつ、未来への発展の希望に向けて、駅前再開発や市立病院の建替え事業についても、様々な困難を乗り越えて、何としても、成し遂げていくことが求められています。
施政方針の冒頭に、困難を乗り越える力として、強い意志と市民の信頼をあげましたが、今年度の市民意識調査では、蕨に愛着を感じている方、蕨に定住意識をお持ちの方、子育て世帯で、蕨を子育てしやすいと感じている方が、いずれも約8割という高い結果となるなど、蕨市は、市民のまちへの高い愛着と豊かな地域力を持つ、大きな可能性と力を持つまちであります。
新年度は、市長として、そうした市民の皆さんと一体となって、この困難の時代を乗り越え、蕨の未来への飛躍を本格化する強い覚悟をもって、市政運営に当たり、市民の皆さんの安心、にぎわい、未来のために、蕨のまちづくりを更に加速化し、7万7千市民の幸せと蕨の限りない発展に向けて未来を創造していく決意であります。
市議会並びに市民の皆さんには、このような全国に誇れる蕨のまちづくりに、なおいっそうのお力添えをお寄せいただきますよう、心からお願いを申し上げ、令和8年度の施政方針表明といたします。ありがとうございました。
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