施政方針(平成30年3月定例会)

ページ番号1002639  更新日 令和1年11月23日

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はじめに

本日、ここに、平成30年第1回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。今定例会は、平成30年度の当初予算をはじめとする重要な案件をご審議いただくことになりますが、この際、私がこれからの市政運営に臨む基本的な考え方や新年度予算の編成方針、更には予算の概要と主な事業について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第です。

暮らしを支え心が通い合う「あったか市政」の更なる充実発展が求められている

さて、わが国経済は、世界経済の拡大による輸出の増加や異次元の金融緩和などによる株高など、引き続き「回復基調」にあると言われています。確かに、株価は乱高下がありながらも高い水準を続けており、企業収益は過去最高を記録し、雇用についても昨年12月の有効求人倍率は1・59倍で44年ぶりの高水準となりました。しかしながら、肝心の市民生活はどうかと言えば、市民の皆さんからは、依然として、景気回復の実感がない、との声が聞こえてきます。それは、市民生活に直結し、日本経済の6割を占める個人消費は、引き続き低迷が続いており、実質賃金も伸び悩んでいるからに他なりません。更には、超高齢化、人口減少社会の進展による今後の社会保障への懸念や、人と人とのつながりの希薄化などにより、将来に対する漠然とした不安感が増しているのも事実です。
折しも、昨年は、昭和22年5月3日に地方自治法が施行されて70周年の節目を迎えましたが、地方自治法第1条に「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として」とある通り、市民の皆さんのより良い生活と心の豊かさの実現こそ、自治体の最大の使命であると言えます。
私が、市長就任以来進めて来た「日本一のあったか市政」とは、市民の皆さんの暮らしを支える施策を拡充するとともに、人と人、市民と行政の心が通い合い、蕨の未来をみんなで創り上げる、まさに、自治体の最大の使命に応えるまちづくりでもあります。市民の皆さんの暮らしの実態に目を向け、その声に耳を傾けた時、私は、「あったか市政」の更なる充実発展が切実に求められている、その思いを更に強くしている所であります。

これまでの市政の成果

市民の願いに応え、市政改革を前進させ、未来への飛躍の土台をつくる

「一を以て之を貫く」。

中国の思想家・孔子の言葉のとおり、私は、平成19年に市長に就任して以来、一貫して、市民の暮らしを支える市政運営を貫いてまいりました。
その一端を申し上げますと、子育て支援や教育では認可保育園や学童保育室の大幅な増設を図るとともに、35人程度学級や学校土曜塾、教育センターの充実などに取り組み、昨年の市民意識調査では、市政に対する満足度において、子育て支援が第2位となりました。子ども達の学力や体力についても、県内において、大変優れた成果をあげています。介護や健康では、介護予防や健康づくりの取り組みを進めつつ、土地の確保が難しい蕨市において、民間の力を借りた誘致策を講じる中で特別養護老人ホームが増設されるなど、市民の暮らしの安心を広げてまいりました。こうした中、蕨市の人口は、私の市長就任時の約7万1000人から7万4000人を超え、人口減少社会にあって、子育て世代を含めて微増傾向を続けています。
同時に、前市政からの課題を乗り越え、蕨の将来を見据えた市政改革にも着実に取り組んでまいりました。
大きく立ち遅れていた公共施設の耐震化については、学校、保育園、公民館に続き、昨年は、市民体育館と市民会館という2つの大きな公共施設を完了させるなど一定の見通しが立つところまで前進させることができました。土地開発公社を含む財政の健全化については、蕨の借金残高を18年度末の363億円から28年度末で307億円にまで削減し、地方交付税の一部振り替えである臨時財政対策債を除けば313億円から185億円へ128億円もの削減となりました。市庁舎整備基金をはじめとする各種基金についても、18年度末の38億円から28年度末には50億円に増加するなど、持続可能な都市の基盤となる財政健全化を前進させてまいりました。

「未来とは今である」。

これは、未来は今の行動の積み重ねで決すると説いたアメリカの文化人類学者、マーガレット・ミードの言葉でありますが、私が進めて来た「あったか市政」は、市民の皆さんの「今」の願いに応えながら、「未来」に向けた飛躍のための土台づくりであった、とも言えます。この成果の上に立って、蕨の未来への更なる前進に向けて、大きな一歩を踏み出す、これが、平成30年度の最大のテーマであります。

我が国が直面する課題と自治体の役割 日本一のコンパクトシティ蕨の出番

今、わが国は、超高齢化や人口減少社会の進展、発生が懸念される首都直下地震への対応など、これまで、経験したことがない大きな課題に直面しており、わが国の英知をかたむけて、それらの課題を乗り越えていくことが求められています。そのためには、国においても、「地方創生」が掲げられている通り、市民に最も身近な基礎自治体である地方自治体での取り組みがカギとなることは、言うまでもありません。
私たちのまち蕨は、歴史文化、コミュニティの豊かさと利便性の高さを併せ持ち、なにより地方自治体に最も大切な、優れた「地域力」があります。私は、この日本一のコンパクトシティ蕨の強みを生かし、市民の暮らしの願いに応えながら、日本が直面する課題に対しても果敢に挑戦し、全国に誇れる日本一のまちづくりを進めていく決意であります。

安心・にぎわい・みんなにあたたかいまちづくり 3つの重点事業と3大プロジェクトの推進

こうした中で迎える平成30年度は、あったか市政の更なる前進に向け、「安全で安心できるまち」、「にぎわいあふれる元気なまち」、「みんなにあたたかくだれもが住みやすいまち」の3つの基本方向に沿った重点事業を進めるとともに、「超高齢社会への対応」、「蕨駅西口再開発」、「市庁舎の建替え」という蕨の未来に向けた3大プロジェクトが大きな第1歩を踏み出す、いわば、蕨にとって、「未来づくり元年」とも言える重要な年であります。私は、市長を先頭に、職員一丸となってそれらの取り組みを前進させてまいります。

安心・にぎわい・みんなにあたたかい 3つの重点事業

それでは、はじめに3つの基本方向に沿った重点事業について申し上げます。

(1)「安全で安心できるまち」の重点事業

まず、第1の重点事業である「安全で安心できるまち」では、公共施設の耐震化事業として、錦町児童館と図書館の耐震化工事を行い、消防署塚越分署については、平成29年度に策定した「建替基本計画」に基づき、現在地での建替えに向けた基本設計・実施設計を行うとともに、建替え中の一時移転先に予定している市民公園管理棟内の整備を行います。
社会インフラの老朽化対策では、引き続き、水道の基幹管路の耐震化を進めるとともに、下水道については、「蕨市下水道管路長寿命化基本計画」及び「詳細計画」に基づき、管路の長寿命化工事に向けた設計を実施いたします。橋りょうについても、現在策定している「橋りょう長寿命化修繕計画」に基づき、31及び32年度に工事を予定している6橋について、補修や架け替えに向けた設計を行います。
また、蕨駅へのホームドア設置については、昨年1月の痛ましい転落事故を受け、関係機関の皆さんと連携して早期設置を求める取り組みを進める中で、1年前倒しとなり、31年度中に設置されることとなりました。いよいよ30年度から2か年で設置工事が行われることから、30年度は、埼玉県と共に、JR東日本に対する補助を行い、引き続き、蕨駅ホームドアの早期設置に向けた取り組みを進めてまいります。
更には、突然の心肺停止の際に使用する自動体外式除細動器、いわゆるAEDを市民の皆さんが昼夜を問わず利用しやすい環境を整えるため、市内の24時間営業のコンビニエンスストア31店舗とガソリンスタンド2店舗にAEDを設置する「街なかAEDステーション」事業をスタートさせ、救命率向上につなげてまいります。

(2)「にぎわいあふれる元気なまち」の重点事業

第2の重点事業である「にぎわいあふれる元気なまち」では、双子織や河鍋暁斎、わらびりんごをはじめ、蕨の地域資源を活かした蕨ブランドの取り組みなどわらびシティプロモーションのいっそうの推進を図るとともに、蕨駅開業120周年を機に始まった「わらてつまつり」が、その後、協働提案事業として、市民と民間企業、JR東日本蕨駅、行政の連携による新しいお祭りとして発展してきたことから、蕨の観光事業の更なる充実に向けて、支援してまいります。
音楽によるまちづくりでは、昨年、文化・音楽団体や商工関係団体の皆さんとの協働により、まち中が音楽にあふれ、まちのにぎわいにつなげる新しいイベントとして市民音楽祭が盛大に開催されました。30年度は、この市民音楽祭を、音楽が豊かなまち蕨を象徴し、その魅力を市内外に発信し、まちの活性化につながるイベントとして、更に発展させるため、補助金を増額するなど、推進を図ってまいります。

(3)「みんなにあたたかくだれもが住みやすいまち」の重点事業

第3の重点事業である「みんなにあたたかくだれもが住みやすいまち」については、子育て支援として、昨年実施した公募により、4月に小規模保育園3園が開設されるなど、引き続き待機児童対策に取り組むとともに、新たに保育・子育てコンシェルジュを配置し、保育・子育てに関する相談支援体制を拡充します。
高齢者や障害のある方々をはじめ多くの市民の皆さんにとって、より利用しやすい公民館の整備に向けて、中央公民館と西公民館のエレベーターについて、設置場所などの調査及び設計を実施いたします。
蕨独自の誘致策を通じて、現在、中央7丁目において、市内4か所目の特別養護老人ホームの整備が進められていますが、平成31年2月の開設に向けて、引き続き、支援を行い、介護の充実と将来への安心につなげてまいります。
地域の中核病院であり、市民の健康を守る拠点である市立病院については、私のマニフェストにも位置付けています「将来構想」の策定に取り組みます。将来構想の中では、国における医療制度改革や地域包括ケアシステムにおける医療と介護の連携、28年度に策定された埼玉県地域医療構想を踏まえ、市立病院の果たすべき役割と方向性を明確化させるとともに、耐震化や老朽化対策を含めた病院施設の課題について検討してまいります。
国民健康保険については、4月から、都道府県が財政主体となって市町村と共に運営する、広域化が図られますが、市民の暮らしや健康を守る立場から、国保税を据え置く決断をいたしました。30年度は、蕨市データヘルス計画に基づき、特定健診や特定保健指導の受診率向上や糖尿病性腎症の重症化対策、ジェネリック医薬品の利用促進による医療費の適正化など、保健事業の拡充を図ります。国保税の見直しについては、広域化後の財政状況や国の今後の財政支援の見通しなどを踏まえつつ、改めて、検討してまいります。

未来に向けた3大プロジェクト

次に蕨の未来に向けた3大プロジェクトである「超高齢社会への対応」、「蕨駅西口再開発」、「市庁舎の建替え」について、申し上げます。

(1)超高齢社会への対応

第1のプロジェクトは、超高齢社会への対応であります。団塊の世代が75歳を迎える2025年を7年後に控える中で、健康寿命の延伸、医療・介護・介護予防・生活支援などが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築、元気な高齢者の皆さんのまちづくりへのいっそうの参加、この3つの柱での取り組みを進めて行くことが、超高齢社会を見据えたまちづくりにとって、大変重要です。蕨市では平成29年度に、この3つの柱に沿って、それぞれ埼玉県のモデル事業を進めてきましたが、30年度はそれらの取り組みを更に前進させてまいります。
健康づくりでは、埼玉県の健康長寿モデル事業として、平成27年度から3か年計画で「ウォーキングと筋力アップ」を中心とする健康プロジェクトに取り組み、参加者の皆さんの健康度アップや医療費の抑制など、大きな成果を上げることができました。県のモデル事業は29年度末で終了となりますが、30年度からは、引き続き、官民連携による健康アップステーションを拠点に、ウォーキングと中強度の運動による健康づくりを継続発展させつつ、埼玉県の健康マイレージ事業との連携により、健康づくりの輪をより多くの市民に広げる「健康長寿蕨市モデル」事業として、進めてまいります。
地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みでは、18教室にまで拡大した「いきいき100歳体操」や地域での交流サロン、有償ボランティアなど住民が主体となった介護予防、支え合いの取り組みが進んできましたが、この取り組みを更に広げるとともに、在宅医療の中心となる連携拠点の運営や、認知症初期集中支援チームの設置、専門家の支援を受けながら自立につながるケアの在り方を検討するケア会議の開催など、その推進を図ってまいります。
また、元気な高齢者の皆さんが、これまで以上に、地域に目を向け、さまざまな活動に取り組める環境づくりを目指し、29年度に引き続き、元気な高齢者の皆さんと市内の各種団体のマッチングに向けた見本市や体験会を開催するなど、アクティブシニア社会参加支援事業の充実を図ってまいります。

(2)蕨駅西口再開発

第2のプロジェクトは、蕨駅西口再開発についてであります。蕨駅西口再開発は、蕨の顔、玄関口に位置し、魅力的な商業施設や都市型高層住宅、市民に愛される公共公益施設、蕨らしい駅前広場の整備など、まちのにぎわい創出や市民の利便性向上、人口減少社会における選ばれる都市づくりの核となる事業であります。
この間、蕨市では、事業推進の母体となる蕨駅西口地区市街地再開発準備組合と連携しながら、権利者の合意形成、関係機関との調整、実効性ある資金計画の検討などを進めてきましたが、平成30年度は、事業化に向けて、準備組合が、基本設計、資金計画など、蕨駅西口再開発事業の青写真ともいえる事業計画の作成にとりかかります。そこで、市として、事業計画作成に対する補助を行うとともに、都市計画の変更手続きを進めてまいります。また、蕨駅西口再開発の中で整備する公共公益施設については、市民の利便性の向上、にぎわい創出を基本としつつ、市の財政負担にも留意しながら、現在、庁内の検討委員会で検討を進めている所であり、30年度には、その基本的な方針を策定するなど、蕨駅西口再開発事業の大きな第一歩を踏み出していきたいと考えています。

(3)市庁舎の建替え

次に、第3のプロジェクトである市庁舎の建替えであります。
市庁舎の耐震化整備については、「蕨市庁舎整備検討審議会」からの答申や市民アンケートの結果等を踏まえながら、昨年12月に、現在地での建替えを基本とする「蕨市庁舎耐震化整備基本方針」を決定いたしました。
市庁舎は、市民サービスや災害対応の拠点であり、まちを象徴する存在でもあり、その整備は、蕨の将来にかかる一大事業であります。
整備に当たっては、市民サービスや災害対応の拠点としての機能はもちろん、市民にとって使いやすく、親しまれ、将来に渡って、安心して使い続けることができる施設とすることが重要です。そこで、市議会議員や学識経験者、公共的団体等の代表、公募による市民の合計13名で構成する「蕨市新庁舎建設基本構想・基本計画審議会」を設置し、市民の皆さんのご意見を伺いながら、新庁舎建設の骨格となる基本理念や庁舎の規模、機能などをまとめた「新庁舎建設基本構想・基本計画」の策定を進めてまいります。

平成30年度予算「未来への前進」 その概要

「未来への前進」を特徴とした予算編成

以上のような市政運営の基本的な考え方や市政の進むべき「安全」「にぎわい」「みんなにあたたかいまちづくり」の3つの基本方向と3大プロジェクトに基づき、平成30年度は、「未来への前進」を予算編成の特徴としました。

平成30年度当初予算の概要

それでは、平成30年度蕨市一般会計予算の概要について申し上げます。
まず、歳入において、歳入の根幹をなす市税収入を、主に個人市民税収入の増により、前年度比2億2000万円増の112億7000万円、地方交付税は29年度の実績や市税収入の伸びなどを踏まえ1億円減の12億9000万円、国庫支出金は民間認可保育園や小規模保育園の運営費に対する負担金など、約1億2000万円増の42億7319万2000円と見込んだほか、繰入金は約4億4000万円減の7億7826万円、市債は約4億5000万円減の11億1640万円と見込みました。
一方、歳出においては、小規模保育園の増設に伴う運営費の増などによる子育て関連予算の増額、蕨駅西口地区市街地再開発事業補助金や蕨駅ホームドア整備費補助金、錦町児童館、図書館をはじめとする公共施設耐震補強事業費などを計上しましたが、市民体育館や市民会館の耐震化、錦町スポーツ広場の人工芝化が終了したことなどにより、予算総額は前年度比2・5%減の231億円となりました。
特別会計では、国民健康保険や公共下水道、介護保険、錦町土地区画整理など6つの会計の総額は167億1100万円、病院、水道の企業会計合計額は、46億2570万9000円で、以上の全会計を合わせた蕨市全体の予算規模は、444億3670万9000円となりました。

6つの基本目標に沿った主な事業

次に、将来ビジョンに掲げるまちづくりの6つの基本目標及び推進プランに沿って、重点事業で触れた以外の主な施策について申し上げます。

安全で安心して暮らせるまち

1点目の「安全で安心して暮らせるまち」では、防災対策として、市営住宅2棟の耐震診断を実施するとともに、地域防災力の向上に向けて平成28年度から実施している自主防災会へのスタンドパイプの配備については、30年度に13台を予定し、これで、すべての自主防災会に配備されることとなります。合わせて、災害時における飲料水を地域にある消火栓から確保できることとするため、スタンドパイプに取り付けられる蛇口をすべての自主防災会に配布します。
更に、災害発生時における市職員の緊急連絡体制の強化に向けて、職員への一斉メール配信により、職員の安否と参集状況を迅速に把握する「緊急連絡・安否確認システム」を導入します。
防犯対策では、振込め詐欺の未然防止を目的に28年度に実施した通話録音装置の貸与事業について、ご利用いただいている高齢者の皆さんへのアンケートで効果が高かったことが確認できたことから、30年度も実施することといたします。

豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち

2点目の「豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち」では、教育の充実に向けて、引き続き、蕨市独自の35人程度学級を推進し、一人ひとりの児童へのきめ細かな支援を行ないます。教育センターについては、増加傾向にある外国人児童生徒などへの日本語指導の対応や教育上の諸問題の解決など、機能の拡充を図るため、場所を福祉・児童センターから中央小学校に移転するとともに、新たに主任指導員を配置し、教職員研修や学校からのさまざまな事案への対応も行っていきます。
また、平成32年度からの小学校における新学習指導要領の全面実施に伴い、30年度から移行措置として外国語活動の授業時間数が増加することを受け、外国語指導助手を5人から7人へ増員し、外国語教育の一層の充実を図ってまいります。
更に、学校のトイレ環境の改善に向けて、4か年で進めてきた小・中学校のトイレの改修促進事業は、塚越小学校と北小学校で整備を行います。

みんなにあたたかく健康に生活できるまち

3点目の「みんなにあたたかく健康に生活できるまち」では、健康分野として、蕨市成人健診センターの総合健康診査で実施している胃部の検査について、これまでのレントゲン検査のほか、胃内視鏡検査についても一部対応可能といたしました。
また、がん検診のうち、乳がん検診は、受診者が増加していることから、集団検診を継続しながら検診期間を20日間から23日間に拡充し、胃がん検診についても、胃内視鏡検査を希望される方が大変多いことから、定員を500人から600人に拡大します。
更に、だれもが自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて、保健医療や福祉の関係者などで組織されている蕨市健康づくり推進会議などにご意見を伺いながら、蕨市自殺対策計画を策定します。
障害者福祉では、障害のある方々の地域における日中活動の場の確保に向けて、(仮称)生活介護事業所「風」が、4月、交流プラザさくら1階に開設します。定員は20名で、運営を実施する特定非営利活動法人繭が、障害のある方々の日中活動の支援を行うとともに、相談支援事業も行います。

にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち

4点目の「にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち」では、引き続き、中心市街地活性化基本計画の推進を図るとともに、市民の皆さんの経験やキャリアをまちづくりに活かしていただくためのわらび創業講座の開催や商店街活性化事業として塚越商店会が行う街路灯のLED化に対する補助を行ってまいります。
また、蕨宿本陣岡田家より寄贈いただいた、古文書を中心とした約1500点の資料は、蕨市にとっても大変貴重な資料であり、近世史の専門家による整理・研究を行い、目録の作成を進めていきます。

快適で過ごしやすく環境にやさしいまち

5点目の「快適で過ごしやすく環境にやさしいまち」では、錦町土地区画整理事業については、一般会計からの繰出金とともに、国の交付金や市債などの最大限の活用を図り、25棟の家屋移転や街路の築造、舗装新設工事のほか、仮設住宅2世帯1棟の新築及び4世帯2棟の改修などを進め、事業の進捗を図ります。
中央第一地区のまちづくりでは、国庫補助金を活用しながら、道路の拡幅整備を進めます。合わせて、公共用地先行取得事業特別会計でも、地権者との合意形成を図りながら、用地の先行取得などを進めます。
そのほかに、市内に生息する飼い主のいない猫の繫殖を抑制し、公衆衛生の向上と良好な生活環境を図るため、飼い主のいない猫に不妊・去勢の手術を受けさせた方に対し、1頭につき5000円を補助する制度を新設します。

一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち

6点目の「一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち」では、市民の皆さんとの協働によるまちづくりを推進するため、平成29年度に協働提案事業として選定された「わらび防災大学校」を開催します。
また、30年度は、蕨独リンデン市民交流協会において、4年毎に行っている友好都市ドイツ・リンデン市への第11回定期訪問団の派遣を予定しておりますが、蕨の青少年達が、そうした素晴らしい国際交流を通じて、視野を広げ、次代を担う人材としての成長を後押しするため、訪問費用の一部を助成する青少年海外派遣事業を実施します。

推進プラン

続いて、持続可能な都市・蕨に向けた、行財政運営についてであります。
土地開発公社については、経営健全化計画に基づき、平成30年度は、中央1丁目の蕨駅西口第1駐車場の一部、約2億2000万円の土地を買い戻します。その結果、土地開発公社の借入金は31億4500万円程度に縮減される見込みであり、一般会計と特別会計、公営企業会計および土地開発公社を合わせた市全体の30年度末借入残高見込みは約299億7600万円で、前年度と比較して、およそ、3億6500万円の減となります。
また、歳入確保並びに市税等の収納率の更なる向上を図るため、調査事務等を補助する臨時職員を配置し、よりいっそう効率的・効果的な滞納整理を進めます。
そして、26年度に策定した、蕨のまちづくりの指針である10か年計画の「コンパクトシティ蕨」将来ビジョンは、30年度が前期実現計画の最終年度となることから、その総仕上げを行うとともに、これまで取り組んできた施策の検証や新たな行政課題などを踏まえながら、後期実現計画の策定に取り組んでまいります。

以上が6つの柱と推進プランに基づく事業の概要であります。

むすびに

ところで、2月9日に開幕した平昌冬季オリンピックも、閉幕まで3日となりましたが、世界のトップアスリートによる一流のパフォーマンスと、日本人選手の活躍に、大いに盛り上がりを見せています。その中でも、右足首のけがを乗り越えオリンピック2連覇を果たしたフィギュアスケートの羽生結弦選手と、3回目の挑戦で夢をつかみ取ったスピードスケートの小平奈緒選手の金メダルには、大きな感動が日本中を駆け巡りました。
羽生選手、小平選手、それぞれに感動的なドラマがありますが、共通しているのは、困難や挫折を乗り越えてきたからこその強さと、多くの方々の支えがあり、それを力にしていることです。
今回の施政方針の中では、わが国が、超高齢化や人口減少社会という、これまで経験したことがない困難な課題に直面している中で、それを打開するカギが地方自治体の取り組みにあることを申し上げました。私は、今回、二人の活躍を見ながら、市民の皆さんとともに、こうした困難な課題を乗り越えるまちづくりを進めていく中でこそ、まちを成長させる力がいっそう育ち、市民と行政や市民同士の信頼の絆が更に深まり、全国に誇れる住み良いまちづくりが大きく前進していくのではないか、そんな思いを新たにしました。
私は、市長として、7万4000市民の幸せはもちろん、子どもたちや将来の世代に、素晴らしい故郷・蕨を引き継いで行く、未来を見据えたまちづくりを更に力強く進めて行く決意であります。
議員並びに市民の皆さんには、こうした全国に誇れる蕨のまちづくりに、なおいっそうのご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げ、平成30年度の施政方針表明といたします。ありがとうございました。

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