市長報告(令和2年6月定例会)

ページ番号1006349  更新日 令和2年6月1日

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はじめに

 本日、ここに令和2年第3回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案7件、補正予算案1件、人事案5件、契約案3件、その他3件の計19件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、4点につきまして、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

蕨市における新型コロナウイルス感染症への対応

 1点目に、蕨市における新型コロナウイルス感染症への対応について、ご報告申し上げます。

(1)緊急事態宣言延長への対応

 第1は、緊急事態宣言の延長への対応など、これまでの基本的な取り組みについてです。4月7日に埼玉県を含む7都府県に発出された緊急事態宣言は、4月16日、全国に対象が拡大され、更に5月4日には期間が5月31日まで延長されました。
 蕨市では、宣言延長を受けて、引き続き、市民の皆さんに、不要不急の外出自粛を要請するとともに、イベントの中止や公共施設の利用中止、小中学校の臨時休校と休校中の児童の預かり、保育園や学童保育室の規模を縮小しての開設、などの対応を、5月31日まで延長する措置を講じてまいりました。
 この間、市民の皆さん、市内事業所の皆さんには、不要不急の外出自粛や営業自粛をはじめ、感染拡大の防止に向けて大変なご協力をいただき、市長として、心から感謝申し上げます。また、多くの市民の皆さん、企業・団体の皆さんからは、マスクをはじめ多くのご寄附をいただき、その数は、40件、マスクについては5万8000枚に上りました。いただいたマスクは、すでに地元医師会や歯科医師会、市内介護事業所、障害者施設、保育施設、学校、商工会議所、清掃事業所などに提供させていただいていますが、改めて、ご寄附いただきました皆さんに、感謝申し上げます。

(2)国の緊急経済対策の実施状況

 第2は、国の緊急経済対策の実施状況について、です。
 1人10万円を支給する「特別定額給付金」については、4月には庁内にプロジェクトチームを立ち上げ、一日も早い支給に向けて、全庁的な取り組みを進めてまいりました。
 マイナンバーカードをお持ちの方には、5月1日より、オンライン申請を開始するとともに、オンライン申請ができず、生活が困窮していて、より早く給付金を必要としている方を対象に、5月15日までの期間、市ホームページから申請書をダウンロードする形での申請受付も行いました。その結果、5月末現在で、オンライン申請1751件、ダウンロード申請1255件の計3006件の申請をいただいています。支給については、オンライン申請及びダウンロード申請の方を対象に、5月20日から開始し、5月末時点で、2674件、総額約5億6000万円となっています。
 また、各ご家庭への申請書の郵送については、5月29日に、約3万7000世帯を対象に一斉に発送を行ったところであり、郵送申請の方への支給は、6月11日から開始する予定です。今後とも、市民の皆さんに、少しでも早く支給できるよう、全力で取り組んでまいります。
 次に、児童手当を受給する世帯に対し対象児童1人につき1万円を給付する「子育て世帯への臨時特別給付金」については、現在システム開発などの準備を進めており、6月26日に支給を行う予定となっております。

(3)蕨市新型コロナ緊急対策の実施状況

 第3は、「蕨市新型コロナ緊急対策」の実施状況についてです。
 第1の柱である緊急経済対策では、売り上げの減った市内小規模企業者の皆さんに対し、家賃補助を含めて最大で15万円を支給する「小規模企業者応援金」事業を進めております。この問題は、何よりもスピード感が重要であることから、5月1日から申請の受付を行い、19日から支給を開始いたしました。5月末の時点で、665件の申請があり、うち499件、総額約5500万円を支給しております。今後も、事業の周知徹底を図るとともに、厳しい状況にある事業所の皆さんに、なるべく早く支給できるよう、取り組んでまいります。
 第2の柱である緊急生活支援対策では、まず、ひとり親家庭の皆さんに対し、市独自に3万円を支給する「ひとり親家庭等支援臨時給付金」については、児童扶養手当を受給している302世帯に対し、5月20日に支給を行いました。
 次に、妊娠中の方への支援として、タクシーなどに使える1万円相当の交通系ICカードを支給する「マタニティパス交付事業」については、妊娠届の際に申請をいただくとともに、既に、妊娠届を出されている方には、5月8日に申請書を郵送し、5月末時点で、対象の約8割となる340名の方から申請をいただき、うち290件の交付を行ったところです。
 さらに、「学習支援事業」では、全ての児童・生徒の皆さんを対象に、小学校は国語と算数、中学校は国語と数学について、教科書に準拠したワークブックを5月11日から13日までの間に、各学校を通じて配布いたしました。休校期間が長期化し、オンライン学習の環境も、まだ十分整わない中、各家庭での学習に活用していただいているところです。また、このワークブックは、学校再開後も、1年を通して学習を支援する教材として、活用する予定です。
 その他、就学援助家庭への給食費相当額の支給については、3月分については5月15日に支給し、4・5月分についても今月に新年度の認定を行った後、速やかに支給を開始する予定です。学童保育室の保育料の免除については、4月、5月に登室自粛にご協力いただいたご家庭に対し、順次、対応しているところです。
 第3の柱である緊急医療対策では、地元医療機関への支援として、5月7日に、蕨戸田市医師会に対し、サージカルマスク3万2000枚、防護服、ゴーグル各350個、手袋200組を提供いたしました。蕨戸田市医師会は、4月20日より、県内でいち早く発熱外来PCRセンターを設置し、医師会の会員である病院等が診察し、必要と判断した市民の皆さんに対し、保健所を介さずにPCR検査を実施するなど、市民の健康を守るために奮闘していただいており、こうした取り組みに役立てていただいているところです。
 また、市立病院の医療体制強化では、外来患者の発熱などの有無を来院時に確認し、症状がある方に対しては、専用の診察室を設けて適切な診療を行うとともに、救急搬送され、入院が必要となった方などに対しては、PCR検査を実施するなど、院内における感染防止の取り組みを進めているところです。

(4)蕨市新型コロナ緊急対策第2弾

 第4は、蕨市新型コロナ緊急対策第2弾についてです。ただいまご報告した通り、現在、新型コロナ緊急対策を実施しているところですが、その後、緊急事態宣言が延長され、新型コロナウイルスの影響が更に多方面に広がる中で、蕨市として、市民の皆さんに対する更なる支援が必要と考え、第2弾を実施することとしました。
 対策は、3つの取り組みからなりますが、1つ目は、緊急生活・経済支援として、市内の全ての家庭、事業所の水道料金について、基本料金を2か月分、無料化する措置を講じます。実施時期は、検針の関係で、中央・南町地域は、6月検針分、錦町・北町・塚越地域は、7月検針分が対象となります。その影響額は8000万円程度を見込んでいますが、水道事業経営の中で対応してまいります。
 2つ目は、小中学校でのオンライン学習を見据えて、学校でのパソコン整備の前倒しを行います。蕨市では、GIGAスクール構想に基づき、今年度から4年間で、児童生徒1人1台のパソコンを整備する予定で、初年度の今年は、主に、小学5、6年生、中学1年生、特別支援学級の児童生徒を対象に1500台程度整備する予定でしたが、今回、国の第1次補正予算も活用して、整備する台数を2倍以上の3500台程度に増やします。この数は、全ての児童生徒数の8割相当となります。合わせて、指導者用パソコンの整備も前倒しいたします。
 3つ目は、感染予防対策として、イベントなどを開催する際に、参加者の発熱状況を測定できるサーモカメラを2台整備するとともに、非接触型の体温計を50個購入し、体温計については、各避難所にも配備する予定です。

(5)緊急事態宣言解除後の市の対応

 第5は、緊急事態宣言解除後の市の対応について申し上げます。緊急事態宣言は、5月25日をもって解除されました。蕨市民の感染者数は、現在、8名ですが、5月2日を最後に約1か月間、確認されておりません。これも、市民の皆さんの感染拡大の防止に向けたご協力の賜物であり、市長として、改めて、感謝申し上げる次第であります。
 蕨市では、宣言解除を受けて、まず、学校については、すでに、5月25日より、2回の登校日を設けてきましたが、本日、6月1日より、再開をいたしました。感染防止に十分配慮しつつ、本日、午後からは入学式を行い、6月12日までは、分散登校を実施し、15日から、通常登校・授業を行う予定です。また、学習時間の確保のため、夏季休業を8月1日から20日の20日間に、冬季休業を12月29日から1月7日までの10日間に短縮する予定です。
 保育園については、6月中を目安に、学童保育室については、学校の分散登校期間中は、引き続き、利用自粛要請を継続しつつ、開設してまいります。
 次に、イベントの開催や公共施設の利用についてですが、イベントは、50人規模を超えるものは6月末まで、100人規模を超えるものは8月末まで、原則として、中止するとともに、それ未満のものは、感染拡大に十分注意しながら順次開催を検討していくこととします。また、公共施設についても、本日6月1日より、利用を開始したところですが、イベントと同様に利用人数など段階的な再開を行うとともに、新型コロナウイルス感染を予防する「新しい生活様式」を徹底していく必要があるものと考えています。
 緊急事態宣言が解除されたとはいえ、今後も市民生活や経済などへの影響に加え、第2波の発生も懸念されており、引き続き、市長として、市民の健康と暮らし、市内企業の営業を守り、一日でも早く豊かな日常を取り戻すため、全力を挙げてまいりますので、市議会並びに市民の皆さんの引き続きのご協力をお願いいたします。

新庁舎整備に向けた基本設計の策定

 次に、2点目として、新庁舎整備に向けた基本設計の策定について、申し上げます。
 基本設計については、昨年度より策定作業を進め、その基本的な内容については、昨年12月議会で報告させていただくとともに、『広報蕨』1月号において、中間報告として、新庁舎案のイメージや配置などをお伝えしたところであります。そして、3月30日から4月19日まで、市民の皆さんのご意見を広くお伺いするパブリックコメントを実施した上で、この度、蕨市新庁舎建設基本設計を策定いたしました。
 基本設計の主な内容ですが、新庁舎の敷地は市役所通りに面するよう拡張し、建物の規模は、国の基準が約8000平方メートルであるのに対し、災害対策本部室と日常的な会議室を兼用するなどの工夫により、約6500平方メートルとコンパクト化を図りましたが、それでも、今の庁舎の約1.4倍の広さとなります。また、駐車場も敷地内に現在の2倍以上となる80台程度を確保できる計画となっています。
 また、新庁舎は、市民サービスと災害対応の拠点としての役割を十分に果たすとともに、中山道蕨宿を連想させる「屋根」や「軒」のあるキューブ形状で、外壁には蕨の伝統的な織物である「双子織」の特徴的な色彩を採用するなど、蕨らしさのあるデザインとなっております。
 新庁舎整備については、市民の皆さんのご理解をいただくことが、特に重要であることから、当初、基本設計の内容について、5月中に、2回にわたり市民説明会を開催する予定でありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため開催を中止し、代わりに、5月22日から1週間、蕨ケーブルテレビを通じて、ご説明させていただくとともに、市ホームページでご覧いただけるようにいたしました。また、5月19日から6月4日までの間、市役所正面ロビーに、新庁舎の模型を展示しているところです。
 今後は、実施設計の策定作業を進めるとともに、計画通り、10月頃をめどに、仮設庁舎及び仮庁舎への移転を行い、現庁舎の解体に入る予定です。これからも、市民サービスと災害対応の拠点にふさわしい新庁舎整備を進めてまいります。

コミュニティバスぷらっとわらびのルート拡充

 3点目は、ぷらっとわらびのルート拡充についてです。
 ぷらっとわらびは、昨年12月、乗車数300万人を突破するなど、市民の足として定着し、多くの市民の皆さんに利用されていますが、高齢化の更なる進展の中で、高齢者の皆さんへのいっそうの移動支援や社会参加の促進、さらには、子育て世代をはじめ、市民の皆さんの交通利便性向上を図るため、ルート拡充に取り組んでまいりました。ルート拡充の基本的な考え方は、バスを4台に増やし、西ルートに逆回りを設けること、南ルートと東ルートについては、市役所や市立病院へのアクセスを改善すること、河鍋暁斎記念美術館や南町3丁目など一部空白地域を運行すること、そして、中心市街地活性化のため、駅前通り商店街を運行すること、などです。
 こうした考えに基づき、国土交通省への認可申請などルート拡充の取り組みを進め、3月27日より、バス4台による新ルートの運行がスタートしました。また、運賃の支払いにはSuicaやPASMOなどの交通系ICカードも利用できるようにし、市民の皆さんの利便性向上を図っています。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントの中止や公共施設の利用中止、不要不急の外出自粛要請などを行ってきたことから、市民の皆さんの本格的な利用は、今後になりますが、住みよい蕨のまちづくりの一助になることを期待しています。

高齢者運転免許証自主返納奨励事業

 4点目は、「高齢者運転免許証自主返納奨励事業」について、ご報告申し上げます。この事業は、近年、増加傾向にあり、全国で大きな課題となっている高齢ドライバーによる交通事故を防止する取り組みとして4月からスタートしたものです。その内容は、4月1日以降に、運転免許証を自主返納した市内在住の65歳以上の方を対象に、バス回数券7700円分またはタクシー券初乗り14回分を支給いたします。
 4月の制度開始以来、5月末時点で、74件の利用がありました。現在、交通事故件数は減少傾向にありますが、引き続き、高齢ドライバーによる交通事故防止をはじめ、交通安全の取り組みを進めていきたいと考えています。

 以上、簡単ですが、令和2年第3回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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