市長報告(令和6年6月定例会)

ページ番号1010574  更新日 令和6年6月3日

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はじめに

 本日、ここに令和6年第2回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案4件、補正予算案1件、契約案2件、その他2件の計9件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、8点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

市立病院の建替え整備

 1点目は、市立病院の建替え整備について、ご報告申し上げます。
 市立病院の耐震化や老朽化への対応のため、昨年11月、西公民館・松原会館を含む一体的敷地への移転建替え方針案をお示しさせていただき、その後、市議会や市立病院整備検討審議会でご審議いただくとともに、市内5地区で開催した市民説明会では、私から直接、市民の皆さんにご説明し、ご意見やご質問の一つ一つにお答えさせていただきました。この間、市民の皆さんの期待の大きさを感じるとともに、新病院へのアクセスの向上や工事等に関する近隣への配慮など、建替えに向けて、貴重なご意見をいただきました。そして、3月7日に、審議会から「移転建替え方針案は妥当である」との答申をいただいたことから、3月26日に、市として移転建替え方針を正式に決定いたしました。
 今年度は、建替えによって、どのような市立病院を建設するのか、新病院の基本構想・基本計画の策定作業を進めていくこととなりますが、4月に、市民2000人を対象に、市立病院の建設に関するアンケートを行うとともに、5月22日に、自治体病院経営に精通された城西大学経営学部伊関友伸教授による「新病院建築についての講演会」を実施したほか、5月29日には、市立病院整備検討審議会を開催し、基本構想・基本計画の策定をスタートしたところであります。
 市立病院は、市内で唯一救急医療を担う医療機関であるとともに、災害時や感染症への対応など、命と健康を守る拠点となる重要な施設でありますので、早期の整備に向けて、建替え事業を着実に推進し、市民の皆さんが安心して住み続けられる、蕨が未来に飛躍するまちづくりを進めていきたいと思います。

市長タウンミーティング

 2点目は、市長タウンミーティングについて、ご報告申し上げます。
 市民の皆さんと、蕨のまちづくりについて直接語り合う市長タウンミーティングについては、4月12日から21日までの期間、市内7つの公民館において開催し、623名の市民の皆さんにご参加いただきました。
 私からは、新年度予算や施策についてご説明させていただき、その後の市民の皆さんとの意見交換では、防災対策や身近な公園・道路の整備、ごみ問題への対応、教育環境の整備、市立病院の建替えなど、暮らしの身近な問題から市政全般まで、さまざまなご意見やご提案をいただき、その一つひとつについてお答えさせていただきました。お寄せいただいたご意見については、すでに対応したものもありますが、市民の皆さんの声をしっかりと受け止め、今後とも、可能な限り、市政に反映していきたいと考えています。

18歳・高校卒業までのこども医療費完全無料化

 3点目は、18歳・高校卒業までのこども医療費完全無料化の取り組みについて、ご報告申し上げます。
 私は、市長就任以来、認可保育園や学童保育室の増設など、子育て支援の充実に思い切って力を入れてまいりましたが、こども医療費についても、県南地域でいち早く中学卒業までの医療費無料化を実施するとともに、令和4年10月には、特に経済的負担の大きい入院については対象年齢を18歳まで拡大してまいりました。このたび、県南で初めてとなる、18歳・高校卒業までのこども医療費の完全無料化について、本年4月から実施いたしました。なお、高校生についても、4月から、県内全域の医療機関で、窓口での立て替え払いが不要となり、利便性も向上したところです。

2人目以降の学校給食費無償化

 4点目は、2人目以降の学校給食費無償化について、ご報告申し上げます。
 学校給食費の無償化につきましては、国と連携して完全無償化を目指しつつも、まずは、市独自に、新年度から、2人目以降の学校給食費無償化事業をスタートさせました。対象は、中学生以下の2人目以降の市立小中学校在籍児童生徒で、これは、県内都市部の自治体においては、先進的な取り組みとなっています。実施方法は、一度お支払いいただいた対象児童・生徒の給食費を保護者の申請に基づき、指定口座に還付する方式とし、先月、各学校から保護者に対し、制度についてのお知らせを行ったところです。今後、7月1日から申請受付を開始し、来年3月に、年度分を一括で給付していく予定です。
 2人目以降の学校給食費無償化は、先ほどご報告した、18歳・高校卒業までのこども医療費完全無料化と同じく、新しいマニフェストでお約束をした事業です。全国的な人口減少・少子高齢化の中にあっても、蕨市は選ばれるまちづくりが進み、蕨の小中学生の数は、この10年間で8%以上増加していますが、これからも、次代を担う子ども達が輝き、子育てしたいと思える蕨のまちづくりに向けて、全力で取り組みを進めてまいります。

笛吹市との災害協定の締結

 5点目は、笛吹市との災害協定の締結について、ご報告申し上げます。
 5月2日、山梨県笛吹市と蕨市との間で「災害時における相互応援に関する協定」を締結しました。
 今年元日に発生した能登半島地震は、甚大な被害を及ぼしましたが、被災地には、全国から人的、物的支援が行われ、大きな支えとなるとともに、避難生活が長びくなかで、ライフラインの耐震化や二次避難などの重要性も改めて認識されたところです。
 蕨市では、これまでに群馬県片品村、静岡県湖西市、栃木県大田原市と相互応援協定を締結しておりますが、新たな締結先となった笛吹市は、山梨県の中央に位置し、蕨市と被害想定地震が異なり、これまでの災害協定の締結自治体とは異なる交通経路で結ばれ、職員派遣等に対応しやすい距離にあります。人口は約6万7千人、面積は約202平方キロメートルで、桃とぶどうの収穫量が日本一など全国有数の果樹地帯であり、豊かな自然や石和温泉・春日居温泉郷などの観光資源に恵まれ、多数の宿泊施設を有していることなどが特徴として挙げられます。
 今回の協定では、災害時に、蕨市と笛吹市が相互に連携し、物資や資機材の提供、職員の派遣、避難者の一時受け入れなど、助け合うことを定めており、災害に強いまちづくりを進めるうえで、大変有意義なものであります。また、協定には、地域間交流を行うことも盛り込んでおり、協定締結を機に、ぜひ、蕨市と笛吹市との交流も広げていきたいと思います。

株式会社ルネサンスとの災害協定の締結

 6点目は、株式会社ルネサンスとの災害協定の締結について、ご報告申し上げます。
 3月28日、株式会社ルネサンスと蕨市との間で「災害時における施設開放及び運動支援に関する協定」を締結しました。この協定では、災害時に、中央1丁目にある「スポーツクラブルネサンス蕨24」の施設を一時的な避難場所として利用することや被災者への運動支援を行うことなどにご協力いただくもので、使用可能であれば施設内の入浴施設なども利用させていただけることとなっています。今回の協定は、市内でも人口が多い中央1丁目、2丁目などの地域において、災害時の避難場所の確保や避難者の生活を支援する上で有意義なものと考えています。
 なお、災害協定の締結は、先ほどの笛吹市との協定を含めて、53件となりましたが、今後も災害に強いまちづくりをはじめ、協働のまちづくりに積極的に取り組んでまいります。

脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進

 7点目は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進について、ご報告申し上げます。
 5月20日に、災害協定及びふれあい交流協定を締結している群馬県片品村と「森林整備の実施に関する協定」を締結しました。この協定は、片品村の森林の一部を「わらびの森」として、連携して整備を行うことで、健全な森林を育て、二酸化炭素吸収量の増加を図るとともに、増加した吸収量を蕨市の排出量から相殺する「カーボン・オフセット」事業を推進しようとするものです。協定期間は5年間、整備する森林の面積は約2.9ヘクタールで、国から交付される森林環境譲与税の一部を活用します。また、今回の協定を機に、森林整備とともに、蕨の子どもたちには、ぜひ、環境学習や自然とふれ合える機会を作りたいと考えており、今年度は、7月26日から28日に、「夏休み! ワクワク自然体験ツアーin片品」を開催する予定です。
 今、地球温暖化問題が深刻化するなか、脱炭素社会、カーボンニュートラルへの取り組みは、大変重要な課題となっています。蕨市では、町会や公衆衛生推進協議会の皆さんと一体となって環境問題に取り組み、ごみの分別資源化では、昨年度、ビン・缶・ペットボトルなどの資源物は約3133トン回収され、その売却代金は7264万円にのぼり、昨日のクリーンわらび市民運動にも約3000名の市民の皆さんのご参加いただきましたが、こうした活動は脱炭素社会の実現にとっても重要なものです。
 更に、昨年3月には、第3次蕨市環境基本計画を策定し、この間、再エネ・省エネの加速化に向けて、太陽光発電への補助金を1.5倍に拡大し、新たに、蓄電池やEV・電気自動車を補助対象に加えるなど、地球温暖化対策設備等・設置費補助金制度の抜本的な拡充を行いました。昨年5月からは、民間事業者との連携によるシェアサイクルの実証実験をスタートし、これまでの1年間で、1万5630名の方に延べ8万4441回ご利用いただくとともに、家庭で気軽に緑を増やせる「プランターファームinわらび」については、今年度は、先日の苗木市をはじめ、希望者への苗木やプランターキットの配布を行うとともに、秋にはフォトコンテストの開催を予定しています。また、蕨戸田衛生センターでは、令和4年度に完了した基幹的設備改良工事により省エネ化が図られ、ごみ焼却の際の熱を利用した発電による余剰電力の売電額が、昨年度、約4950万円と、工事前の概ね5倍程度に増加しており、地域の二酸化炭素削減にも大きく寄与しています。そして、先ほどご報告した通り、先日、片品村とのカーボン・オフセット事業に向けた協定を締結することができました。
 こうした取り組みを踏まえて、去る5月27日、記者会見において、蕨市が2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す「蕨市ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。本宣言を契機として、今後、市民の皆さん、事業者の皆さん、そして、行政が一体となって、脱炭素社会の実現に向けた取り組みをいっそう推進し、持続可能なまちづくりを進めていきたいと思います。

スマートウエルネスシティの推進

 8点目は、スマートウエルネスシティの推進について、ご報告申し上げます。
 「スマートウエルネスシティ」の推進は、従来の健康づくりの施策にとどまらず、都市環境やにぎわい、コミュニティなど、総合的なまちづくりを進め、そこに住むことで、自然と歩きたくなり、人と触れ合えるなど、健康で幸せを実感できるまちを目指す取り組みでありますが、私のマニフェストや今年度からスタートした第3次わらび健康アップ計画においても、重点的に取り組む事項として掲げています。
 今年度は、まず介護予防や健康づくりの充実に向けて、帯状疱疹ワクチン接種費用への助成制度や高齢者の補聴器購入費への助成制度を創設するとともに、先月には、市内各地区で「からだ健康チェック会」を開催し、今月からは心と体の健康度の低下を防ぐ「フレイル予防教室」を順次開催するほか、「いきいき百歳体操」の実施団体への補助制度も開始するなど、取り組みを進めているところです。
 更に、今後、「スマートウエルネスシティの実現」に向けて、総合的に施策を進めていくための「アクションプラン」を今年度中に策定していくとともに、11月には市民公園でウォーキングイベントを、来年1月には、東京医科大学との包括連携に基づく市民健康公開講座の開催も予定しているところです。
 去る5月28日に、「スマートウエルネスシティ首長研究会」が、筑波大学東京キャンパスで行われ、私自身、初めて参加をしてきました。日本一のコンパクトシティである蕨市は、町会や市民活動、生涯学習が活発で、市内のどこからも歩いて行ける距離にある鉄道駅やコミュニティバスなど公共交通機関も充実しており、魅力的なイベントやお店も多数あるなど、スマートウエルネスシティの推進に大きな強みを持っていると考えていますが、今後も様々な専門的な知見や事例を参考にし、首長研究会の皆さんとも連携しながら、市民誰もが、健康で幸せを実感できるスマートウエルネスシティの実現に向けて、取り組みを進めていきたいと思います。

 以上、簡単ですが、令和6年第2回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

 

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