市長報告(令和8年6月定例会)
はじめに
本日、ここに令和8年第3回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案2件、人事案5件、契約案6件、その他4件の計17件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
それでは、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、8点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。
市長タウンミーティング
1点目は、市長タウンミーティングについて、ご報告申し上げます。
市民の皆さんと、蕨のまちづくりについて直接語り合う市長タウンミーティングについては、4月11日から19日までの期間、市内7つの公民館において開催し、667名の市民の皆さんにご参加いただきました。
私からは、新年度予算や施策についてご説明させていただき、その後の市民の皆さんとの意見交換では、交通安全対策や道路整備、ごみ問題への対応、子育て支援、市立病院の建替えなど、暮らしの身近な問題から市政全般まで、様々なご質問やご意見をいただき、その一つひとつについてお答えさせていただきました。お寄せいただいたご意見については、すでに対応したものもありますが、市民の皆さんの声をしっかりと受け止め、今後とも、可能な限り、市政に反映していきたいと考えています。
市立病院経営危機打開プラン及び新病院整備の取り組み状況
2点目は、蕨市立病院経営危機打開プラン及び新病院整備の取り組み状況についてご報告申し上げます。
蕨市立病院経営危機打開プランは、将来に向けて安定運営ができるように、今年2月に策定、推進してきており、4月からは、新たに就任した院長心得を中心として、職員一丸となって、さらに、取り組みを強めているところであります。
収益確保に向けた取組みでは、入院患者の受け入れ強化に向けて、積極的に近隣市の消防本部や医療機関、介護施設との連携強化と情報提供を行い、救急などの受け入れの強化に努めるとともに、産婦人科において無痛分娩や分娩費用のリピート割を開始するなど、プランに掲げた施策に取り組んできました。その結果、入院患者数は5月末時点で、1日平均90人、病床利用率69.2%となり、昨年度実績の1日平均77人、病床利用率59.2%を上回る状況となっております。特に、救急車の受け入れ強化を図り、受け入れ率は、昨年度平均の57.5%から、4月は75.5%、5月は87.8%と、大きく向上しています。しかしながら、まだプランの目標値である1日平均98人には達しておらず、更に、他の医療機関や福祉施設との連携強化を図っているところです。産婦人科においても、11月までの分娩数は、予約を含めて126人で、昨年同期の107人を上回っていますが、目標値である147人を下回っている状況です。外来患者増に向けた取組みでも、平日午後の一般外来を4月から内科、外科、眼科で、5月から整形外科で開始しており、5月末時点で、1日平均314人と昨年同時期の一日平均303人を上回っておりますが、こちらも、プランの目標値である370人は達成できておらず、内科において、新たに睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を開始したほか、今後、在宅訪問診療を始めるなど、プランの目標を達成するべく、新たな取り組みも同時に進めております。
このように経営危機打開プランは、各項目とも前年よりは改善してきておりますが、目標の達成には至っておりません。危機打開プランで掲げた目標値は、今後の市立病院の安定的な運営にとっても、市立病院の移転建て替えの推進にとっても、必ず達成する必要があるものであり、今後、更に取り組みを強めるとともに、外部アドバイザーの伴走型支援等も活用しながら、目標の達成に向けて、全力を尽くしてまいります。
次に、新病院整備の取り組み状況については、現在、昨年度から今年度までの2か年をかけて、基本設計及び実施設計を進めているところであり、昨年度末には基本設計案をとりまとめて公表させていただきましたが、まずは改めて3か月ほどの期間を設けて、基本設計案の妥当性について、検証を進めているところであります。今後につきましては、その結果を議会にも報告させていただいたうえで、実施設計を進めてまいりたいと考えております。
なお、プランの検証と充実をはじめとする市立病院の経営全般ならびに新病院基本設計案の検証作業については、外部アドバイザーに選任した、東京科学大学病院の石田岳史教授及び、NPO法人病院経営支援機構の合谷貴史理事長からの助言もいただきながら、着実に、取り組みを進めてまいります。
暮らし応援券「織りなすクーポン」第3弾
3点目は、蕨市暮らし応援券「織りなすクーポン」第3弾について、ご報告申し上げます。
依然として厳しい物価高騰が続く中、蕨市では、新たな物価高騰対策として、全ての市民の皆さんに1人7,000円分の暮らし応援券をお届けする「織りなすクーポン」支給事業第3弾を実施いたします。これまでの2回の織りなすクーポンは1人5,000円分の暮らし応援券でしたが、昨今の厳しい物価高騰の影響を踏まえて、今回は、一人7,000円分に拡充しております。
この間、蕨市では、委託事業者の選定などの準備を進めてまいりましたが、クーポン券は、民間の配送事業者である佐川急便を通じて、7月中に、対面を基本に全てのご家庭に配達いたします。ご不在時には、不在票が投函され、再配達の手続きを行っていただくこととなりますが、配達期間内に受け取れなかった場合でも、事業期間中は、市役所で保管し、本人確認のうえ、お受け取りいただけます。
取扱店舗については、6月30日まで募集しますが、すでにスーパーなどの大型店をはじめ、飲食店や衣料品店など、5月末現在で、約350店舗の登録をいただいております。クーポン券は、全ての取扱店で使える「共通クーポン」が5,000円分、大型店以外の取扱店で使える「専用クーポン」が2,000円分となります。
さらに、今回、蕨市公式LINE開設1周年記念として、「織りなす×蕨市公式LINEコラボキャンペーン」を実施することといたしました。これは、市公式LINEに友だち登録のうえ、キャンペーンにご応募いただいた市民の方から、抽選で1,000名に1,000円分の専用クーポンをプレゼントするもので、応募期間は7月1日から8月31日までで、当選者には9月中旬にクーポン券を郵送します。
織りなすクーポンの使用期間は、8月1日から10月末までの3か月間となっておりますが、本事業を通じて、厳しい物価高騰から市民生活と市内事業所を守るため、全力を尽くしてまいります。
第四期蕨ブランドの認定事業
4点目は、第四期蕨ブランド認定事業について、ご報告申し上げます。
蕨ブランド認定事業は、蕨の歴史や文化などに根ざしたストーリー性のある優れた商品を、蕨ブランドとして認定し、地域産業の振興をはじめ、まちの魅力向上やPRにつなげる取り組みです。
第四期蕨ブランドの認定については、令和7年度に公募を実施し、応募のあった商品の中から、審査会による審査を経て、新たに3つの商品を認定しました。
1つ目は、ラ・テラス大作さんの「大人のプリン」です。この商品は、蕨高等学校料理部とのコラボレーションにより誕生し、蕨市が「成人式発祥の地」であることにちなみ、大人の味わいをコンセプトに、黒ビールを隠し味に使用したほろ苦いカラメルとカスタードのやさしい甘さが絶妙に調和した商品です。
2つ目は、岡本洋品店さんの「時を紡ぎ、蕨を描く‐刺繍 ワッペンシリーズ」です。創業100年を超える歴史の中で培われた高い刺繍技術を生かし、蕨の祭や観光名所などをモチーフに制作された作品で、立体感と高級感あふれる仕上がりとなっています。
3つ目は、わらびりんご生産管理団体さんによる「わらびりんごようかん」です。地域資源である「わらびりんご」を活用した商品で、果実の爽やかな酸味を生かしながら、白あんの上品な甘さと調和した、人気の商品となっています。
認定された蕨ブランド品は、これで合計19品となりますが、いずれも蕨の歴史・文化・地域資源を生かした特色ある商品です。
本年3月下旬に大宮駅前のイベント会場で開催された「蕨祭」において、これまでの蕨ブランド認定品とともに、第四期認定品の展示・販売を実施したところ、2日間で数百個が完売する商品も出るなど大変な盛況となり、蕨の魅力を広く発信する機会となりました。
今後もこうした取組を通じ、蕨の魅力を広く、発信していきたいと考えています。
小学校への校内教育支援センター「e-station、通称「エスタ」の新たな整備
5点目は、小学校への校内教育支援センター「e-station」、通称「エスタ」の新たな整備について、ご報告申し上げます。
全国的に不登校児童生徒の増加が課題となるなか、蕨市では、誰一人取り残されない学びの保障に向け、不登校対策の更なる充実をはかるため、昨年度、市内全ての中学校に「エスタ」の設置を行いました。「エスタ」は、専任の担当教員等を配置し、不登校の生徒たちにとって、落ち着いた空間で、自分に合ったペースで学習できる場であるとともに、安心して過ごすことのできる居場所にもなっており、昨年度は、38名が利用しています。
さらに、今年度は、「エスタ」による不登校の子ども達への支援を小学校にも広げるため、新たに、東小学校、西小学校、南小学校、中央東小学校の4校に、エスタを設置いたしました。
今回設置した小学校のエスタは、本日、6月1日から本格運用を開始しており、設置校以外の小学校に在籍する児童についても、近隣の指定されたエスタを利用できる体制としています。
今後は、児童が希望する教科等のサポートはもとより、担当教員の専門性を生かした指導や体験的な学習を展開するとともに、子どもたち一人ひとりの状況に寄り添った支援に努めてまいります。
スマートウエルネスシティ蕨アクションプランの取り組み
6点目は、スマートウエルネスシティ蕨アクションプランの取り組みについて、ご報告申し上げます。
蕨市では、市民誰もが健康で幸せを実感できる「スマートウエルネスシティ蕨」の実現を目指し、昨年3月にアクションプランを策定し、この計画に基づき、様々な取り組みを進めています。
「歩きたくなる・歩いてしまうまちづくり」の取り組みでは、昨年、新たに、8000歩コース2つと地区毎の4000歩コース5つの計7つのウォーキングコースを設定しましたが、このたび、それぞれのコースに案内看板を設置し、コースの曲がり角109箇所には路面標示を整備いたしました。この案内看板と路面標示では、ウォーキングする「ワラビー」のキャラクターを用いて、4000歩コースは青色、8000歩コースは赤色に色分けするなど、分かりやすく表示しており、市民の皆さんには、こうしたコースも活用し、楽しく、気軽にウォーキングに取り組んでいただければと思います。
また、蕨市では、これまで3回にわたり「蕨あるこうキャンペーン」を実施するなど、ウォーキングの輪を広げる取り組みを進めてきた結果、埼玉県の健康アプリであるコバトンALKOOマイレージの登録者数は、キャンペーン実施前の約700名から4200名を超えるまでに増加し、人口比では、県内40市の中で第1位となっています。今後も、11月にはウォーキングイベントを開催するほか、市内5地区でウォーキングコースを活用した公民館講座を新たに開始し、12月には4回目となる「蕨あるこうキャンペーン」を実施する予定としています。引き続き、アクションプランに掲げた取り組みを着実に推進し、市民の皆さんの「健幸づくり」をより一層進めてまいります。
民間企業等との協定締結について
7点目は、民間企業等との2件の協定締結について、ご報告申し上げます。
1件目は、3月24日、笑美キッチンカー協会と蕨市との間で締結した「災害時におけるキッチンカーによる炊き出し等の実施に関する協定」についてです。
笑美キッチンカー協会は、32のキッチンカー事業者で構成されており、日頃から蕨市役所でのキッチンカーによる飲食物販売をはじめ、市内外のイベント出店などを通じて、地域のにぎわい創出にご協力いただいております。
今回の協定は、災害時において、避難者への炊き出しなど、食事の提供にご協力いただくものであり、避難生活を支える重要な支援体制の一つとなるものです。蕨市では、災害により電気やガスなどのライフラインが停止した場合に備え、クラッカーやレトルトパウチ食品などの主食に加え、カセットコンロ及びカセットボンベなどの備蓄を進めておりますが、今回の協定により、キッチンカーの高い機動力を活用することで、温かい食事を迅速に提供できる体制の構築が期待されます。
今後も、災害に強いまちづくりを進めるとともに、市民や事業者の皆さんとの連携による協働のまちづくりに積極的に取り組んでまいります。
2件目は、5月18日、東京ガス株式会社と蕨市との間で締結した「カーボンニュートラルなまちづくりの実現に向けた包括連携協定」についてです。
蕨市では、令和5年に第3次環境基本計画を策定し、地球温暖化対策設備等設置費補助制度の拡充やシェアサイクルの導入、群馬県片品村と連携したカーボン・オフセットの実施、「プランターファームinわらび」による家庭での緑化推進など、様々な取組を進めてまいりました。こうした取組を踏まえ、令和6年5月には、2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す「蕨市ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
今回の協定は、蕨市の地域特性に応じたカーボンニュートラルの取組を一層推進するものであり、今後は、東京ガス株式会社の豊富な知見や技術力を活用しながら、エネルギーの地産地消、地域防災力の向上、学校や地域における環境教育の推進など、市民・事業者・行政が一体となった取組を進めてまいります。また、本協定の締結を契機として、東京ガス株式会社には蕨市担当チームが設置され、実効性の高い推進体制も構築していただいています。今後、蕨市と東京ガス株式会社が緊密に連携しながら、各種取組を着実に推進してまいります。
蕨駅西口再開発事業による公共公益施設の愛称
8点目は、蕨駅西口地区市街地再開発事業公共公益施設の愛称決定について、ご報告申し上げます。
蕨駅西口市街地再開発事業につきましては、令和9年の竣工にむけて工事が進んでいるところでありますが、本事業において整備を予定しております、図書館及び行政センターからなる公共公益施設については、市民の皆さんにとって覚えやすく親しみやすい施設となるよう、3月1日から31日を期間として、愛称の募集を行いました。
その結果、市内外から434件ものご応募をいただき、市の選定委員会で選考を行った結果、愛称は、市内在住の吉田碧さん12歳の作品である、ひらがなの「わらら」、及び、同じく市内在住の廣居風花さん19歳の作品であるローマ字の「WARARA」に決定しました。応募理由によると、この名称には、「蕨」と「笑い」を掛け合わせ、笑いや笑顔であふれる施設になってほしいという意味が込められています。今後、ひらがな及びローマ字の「わらら(WARARA)」は、状況に応じて、ともに「愛称」として使っていくことになりますが、隣接する公共公益施設「くるる」と同様に、市民の皆さんに愛着を持って呼んでいただける名前となるよう期待しています。
以上、簡単ですが、令和8年第3回蕨市議会定例会における市長報告といたします。
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