市長報告(令和5年9月定例会)

ページ番号1009942  更新日 令和5年9月1日

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はじめに

 本日、ここに令和5年第4回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案7件、補正予算案2件、人事案2件、決算認定9件の計20件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 さて、本日、9月1日は、死者・行方不明者約10万5千人、被害家屋約37万棟という未曽有の被害をもたらした関東大震災から100年目となります。当時の蕨町では幸い死者は出なかったものの、家屋や工場の倒壊など、大きな被害があったそうです。私は、市長就任以来、防災対策を市政の最重点課題に位置付け、学校など遅れていた公共施設の耐震化やライフラインの要である水道管の耐震化、自主防災会への支援と連携など、災害に強いまちづくりを進めてきましたが、改めて、自助、共助、公助の連携による防災都市づくりを加速化していきたい、その思いを新たにしているところです。
 それでは、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、9点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

物価高騰対策

 1点目は、物価高騰対策についてご報告申し上げます。
 まず、6月定例会においてご議決いただきました、暮らし応援券「織りなすクーポン」第2弾については、7月末に、公募型プロポーザル方式により委託事業者を決定し、現在、市民の皆さんがより多くの場所で利用いただけるよう、取扱店舗の募集を行うなど、準備を進めているところです。「織りなすクーポン」第2弾は、第1弾と同様、全ての取扱店舗で使える共通クーポン3,000円と、大型店以外の店舗で使える専用クーポン2,000円の計5,000円とし、利用期間は11月から来年1月までの3か月間となっており、10月中には、配送事業者から世帯ごとにまとめて市民の皆さんにクーポンをお配りする予定です。
 次に、住民税非課税世帯の方などを対象に1世帯3万円を給付する「物価高騰重点支援給付金」については、7月から申請者に給付を開始し、8月末現在、5,652件の給付を行うとともに、「学校給食費負担軽減事業」については、2学期の学校給食の食材購入費から補助を実施し、食材費が高騰するなかでも、保護者の負担を増やすことなく、美味しくて、栄養のある学校給食を継続していきたいと考えています。
 加えて、「保育所等物価高騰対策給付金」については、今定例会に予算を計上し、保育所等を対象に、物価高騰による運営費の負担増に対する緊急措置として、光熱費及び食材購入費の上昇相当分を給付することで、保育所等の運営の安定化を図ってまいります。
 主な取り組みは以上となりますが、8月にはガソリンの全国平均価格が1リットル185.6円となり、過去最高値を更新するとともに、食品は、9月の約2,000品目に続き、10月も約4,500品目を超える値上げが予定されるなど、依然として物価高騰の厳しい状況が続くことが見込まれており、蕨市ではこうした取り組みを通して、市民生活と地域経済を守るため、引き続き全力を挙げてまいります。

新型コロナワクチンの接種

 2点目は、新型コロナワクチンの接種についてご報告申し上げます。
 今年度は、5月8日から、「春開始接種」として、高齢者の皆さんや基礎疾患のある方など、重症化リスクの高い方を対象にワクチン接種を実施してきましたが、今月19日をもって終了となります。なお、8月末現在における高齢者の接種率は56.5%となっています。
 引き続き、20日から「秋開始接種」がスタートしますが、対象は生後6か月以上の全ての市民で、使用するワクチンは、現在流行しているオミクロン株の「XBB(エックスビービー)系統」に対応したワクチンとなり、重症化予防効果はもとより、発症予防効果の向上も期待されるものとなります。接種場所は、最大16箇所の個別医療機関に加えて、10月には保健センターと東公民館で集団接種も実施してまいります。
 現在、県内における新型コロナの入院患者数は、国が注意喚起する目安とした基準を上回るなど、感染者数が緩やかな増加傾向にありますが、今後も、地元医師会の皆さんと連携をしながら、円滑なワクチン接種を進めてまいります。

新たな「将来ビジョン」策定に向けた取り組み

 3点目は、蕨市の最上位計画である、新たな「将来ビジョン」策定に向けた取り組みについてご報告申し上げます。
 新たな将来ビジョンは、令和6年度から10年間の蕨市の目指すまちの将来像やまちづくりの方向性などを示すものであり、その策定に当たっては、昨年度から、市民意識調査や市民ワークショップ、若者ミーティング、キーパーソンヒアリングなどの基礎調査を行うとともに、庁内組織である将来ビジョン策定委員会において検討を進めてまいりました。
 今年度からは、市議会議員や学識経験者、各分野の有識者、公募による市民の計18名の委員で構成する「蕨市将来ビジョン審議会」を設置し、新たな将来ビジョンの核となる蕨市将来構想について、これまで5回にわたりご審議いただき、併せて、庁内の策定委員会において検討を行い、このほど、新たな将来構想の素案がまとまりました。
 この素案については、広く市民の皆さんからご意見をいただくため、今月7日から27日までの期間で、パブリック・コメントを行う予定ですが、お寄せいただいたご意見や11月に予定されている審議会の答申を踏まえ、将来構想案を決定し、12月定例会に提案していく予定です。
 また、将来構想の実現に向けた「重点プロジェクト」や「分野別計画」からなる「基本計画」についても、並行して策定作業を行っており、今後、広く市民の皆さんのご意見をいただきながら、蕨の更なる飛躍につながる、新たな将来ビジョンの策定を進めてまいります。

新庁舎建設事業

 4点目は、新庁舎建設事業についてご報告申し上げます。
 令和2年秋から、市役所の建替え事業を進めてきましたが、いよいよ、10月10日に全面開庁する運びとなりました。仮設庁舎等で業務を行っている部署は、先行して10月2日から新庁舎で業務を開始し、市民課や税務課、福祉部門など、現在、市民会館の仮庁舎で業務を行っている部署は10月10日から業務を開始し、全面開庁となります。
 新庁舎は、「~歴史・文化を活かし『未来の蕨』を創造~人と環境にやさしく、市民に親しまれ、安全でコンパクトな庁舎」の基本理念に基づき、免震構造による極めて高い安全性を備え、新たに非常用発電機設備や太陽光発電設備、防災情報システムなどを導入するとともに、住民票などの自動交付機や窓口の利便性向上、プライバシーに配慮した多くの相談室を設けるほか、市民の皆さんが多目的に使えるスペースやカフェも整備されます。また、建物周囲を囲むルーバーは、遮熱効果を備え、環境負荷の軽減につながるとともに、中仙道蕨宿や双子織をイメージしたデザインを採用し、市民サービスや災害対応の拠点にふさわしく、新たなまちのシンボルとなる建物となっています。
 開庁に先立ち、今月18日には、関係者をお招きし、落成式を執り行うとともに、その日の午後3時から5時まで、市民の皆さんが広くご参加いただける内覧会も行います。新庁舎の完成を契機として、将来に渡り、市民の皆さんに親しまれ、選ばれる、そんな全国に誇れる蕨のまちづくりを、職員一丸となって、進めてまいります。

多機能型地域子育て支援センターの開設

 5点目は、今定例会に予算計上している、多機能型地域子育て支援センターの開設に向けた取り組みについてご報告申し上げます。
 多機能型地域子育て支援センターは、子育ての相談や親子の交流、講座など、従来の地域子育て支援センターの機能に加えて、子育て家庭からニーズの高い「産後ケア事業」や「一時預かり事業」、そして「子ども食堂などの子どもの居場所づくり事業」を併せて行うものです。子育て中の親子が気軽に集える地域子育て支援センターの特長を生かし、これを多機能型とすることで、それぞれの事業の相乗効果が期待でき、子育て家庭への切れ目のない支援が行え、子育て支援のいっそうの拡充につながるものと考えています。
 こうした事業は、県内でも先進的な取り組みであり、5期目の市長マニフェストで掲げた「産後ケアや一時保育、親子の居場所づくりの充実」及び「子どもの居場所づくり」の取り組みの一環として実施していくものです。
 今定例会でのご議決後、事業の実施主体となる民間事業者の公募を行い、来年1月からの開設に向けて整備及び運営費に対する必要な支援を行ってまいります。

蕨市犯罪被害者等支援条例(案)

 6点目は、蕨市犯罪被害者等支援条例の制定に向けた取り組みについてご報告申し上げます。
 蕨市では、これまで犯罪被害に遭われた方やその家族に対応するため、犯罪被害者支援に総合的に対応できる窓口を市民活動推進室に設け、相談があった際には適切な支援が受けられるよう、埼玉県・警察・民間支援団体で組織する「彩の国犯罪被害者ワンストップ支援センター」や市の関係部署と連携できる体制をとってまいりました。
 複雑な現代社会においては、誰もが、突然、犯罪に遭う事が起こりえます。そして、犯罪被害に遭われた方々は、生命や身体、財産上の被害にとどまらず、心身の不調や経済的負担など、その影響は計り知れないものがあり、市民生活に最も身近な市町村が、これまで以上に寄り添った支援に努めていくことが重要となっています。そこで、これまでの取り組みをさらに充実させ、犯罪被害に遭われた方が受けた被害の軽減又は回復を図り、再び安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指すため、この度、本条例案をとりまとめ、パブリック・コメントを経て、今議会に提出させていただきました。
 その主な内容としては、犯罪被害者等の支援に関し、基本理念並びに市・市民・事業者それぞれの責務を定めるとともに、犯罪行為により死亡した方の遺族へ30万円、重傷を負った方へ10万円の見舞金、従前の住居に居住することが困難になった方へ1人最大3万5千円の一時避難費用支援金の給付を行うこととしています。蕨市には、既に、人為的行為による被害に対し、見舞金及び弔慰金を支給する制度がありますが、本条例の制定によって、犯罪被害者への見舞金等が拡充されることとなります。
 今後は、本条例の施行を通じて、犯罪被害に遭われた方への支援、ひいては誰もが安心して暮らせるまちづくりに、いっそう努めていきたいと考えています。

民間施設を活用した水泳授業の検証実施

 7点目は、民間施設を活用した水泳授業の検証実施についてご報告申し上げます。
 近年、小・中学校の水泳授業では、雨天や猛暑などの影響により、計画的に水泳授業が行えない日が多くなってきたことやプール施設の老朽化などの課題が挙げられていたことから、今年度、西小学校におきまして、民間施設を活用した水泳授業を、5月から7月の期間で検証実施いたしました。
 具体的には、民間スポーツクラブの室内プールを会場に、学年ごとにバスで移動し、移動など準備に要する時間を考慮して、2時間連続しての授業を4回にわたり実施しました。気温や水温が安定した環境のもと、泳力別に児童を20名程度に分け、グループごとに、同スポーツクラブのコーチ1名が着くほか、監視員2名と引率教職員がサポートを行う体制で、安全面に十分配慮しながら、子供たち一人ひとりの技能に合わせた指導が行われました。
 子供たちへのアンケートでは、9割以上が「授業が楽しかった。意欲的に取り組むことができた。」、また、6割以上が「これまでより泳げるようになった」と回答しており、更に、保護者の皆様からも好評をいただいています。今後については、この度の検証結果を踏まえて、取り組みを拡げていきたいと考えています。

エルフェンスポーツクラブとのサポータータウンに関する協定の締結

 8点目は、株式会社エルフェンスポーツクラブとのサポータータウンに関する協定の締結についてご報告申し上げます。
 蕨市では、蕨が舞台の女子サッカー漫画「さよなら私のクラマー」との連携を機に、この間、女子サッカーを応援するまちづくりを進めてきましたが、先月3日、女子プロサッカーWEリーグ所属の「ちふれASエルフェン埼玉」を運営する株式会社エルフェンスポーツクラブとの間で、サポータータウンに関する協定を締結しました。
 「ちふれASエルフェン埼玉」とは、昨年、市民の皆さんがWEリーグを応援するための軍手ダンスを考案するとともに、WEリーグ応援ツアーを企画し、参加した蕨の子どもたちが、選手入場時にピッチで軍手ダンスを披露したほか、チームエンブレムに蕨のマスコットキャラクター「ワラビー」をあしらった10メートルのビッグフラッグを市から寄贈しましたが、その後も、ホームゲームで、フラッグをバックスタンドに設置していただくなど、連携した取り組みを進めてきました。
 今回の協定は、蕨市が、サポータータウンという位置づけのもと、「ちふれASエルフェン埼玉」や女子サッカーを応援し、その盛り上がりを、蕨のまちづくりにも生かしていこうというもので、これまでの連携を更に発展させていくことを目的としています。具体的には、WEリーグ応援ツアーや情報発信など、まちを挙げた女子サッカーの普及を進めるとともに、選手たちによる市内のサッカー教室やイベントへの参加などを通して、スポーツ文化を創造するとともに、スポーツによるまちづくりや地域経済の発展、青少年の健全育成などにつなげていくことを目指しています。
 女子サッカーワールドカップでの「なでしこジャパン」の活躍が記憶に新しいところですが、この協定を機に、市民の皆さんとともに、女子サッカーを応援するまちを盛り上げながら、子ども達が夢や希望を持てるまちづくりをいっそう進めてまいります。

わらび機まつりと蕨市民音楽祭が本格開催

 9点目は、第71回わらび機まつりと第9回蕨市民音楽祭の開催についてご報告申し上げます。
 まず、「わらび機まつり」は、先月4日から7日まで、4年ぶりに、本来の日程である4日間にわたり開催され、七夕装飾コンクールや手踊りも復活し、駅前通りは、華やかな箱飾りで彩られました。また、スターライトステージと織姫広場の2つのステージには、音楽やダンスなど、過去最高となる61団体が出演したほか、今回はじめて、7月19日から8月17日まで、イオンモール川口前川で、箱飾りや笹飾りが展示され、機まつりを紹介する取り組みが行われました。こうして4年ぶりの本格開催となった機まつりには、4日間で、約24万人の方が訪れ、多くの皆さんに蕨の夏の風物詩を楽しんでいただくことが出来ました。
 次に、「蕨市民音楽祭」は、先月25日から3日間開催され、模擬店や蕨駅西口ロータリーの会場が4年ぶりに復活し、市民会館など、市内5か所を会場に、10のイベントが行われました。市内在住で世界的に活躍されているサックス奏者・坂田明さん率いるジャズバンドのライブを皮切りに、市内中学生・高校生たちの合唱や吹奏楽演奏をはじめ、公募で参加した33のバンドやグループによる演奏やダンスが披露されたほか、大変な盛り上がりを見せた「昭和歌謡~紅白歌合戦」や「わら音横丁」と銘打ったフードブースやワークショップも開かれました。こうして、3日間で約6千人の方が訪れた市民音楽祭は、音楽とにぎわいあふれる、音楽のまち蕨ならではの魅力的なイベントとなりました。
 改めまして、「わらび機まつり」「蕨市民音楽祭」の開催にご尽力いただきました全ての関係者の皆さんに、市長として心より感謝を申し上げますとともに、これからも、観光や音楽などを通じて、にぎわいと魅力あふれる蕨のまちづくりを進めていきたいと考えています。

 以上、簡単ですが、令和5年第4回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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