市長報告(令和3年9月定例会)

ページ番号1008020  更新日 令和3年9月1日

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はじめに

 本日、ここに令和3年第4回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案5件、補正予算案2件、その他2件、決算認定9件の計18件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、7点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

新型コロナウイルス感染症にかかるこの間の市の取り組み

(1)緊急事態宣言等への蕨市の対応

 1点目に、新型コロナウイルス感染症にかかる、この間の蕨市の取り組みについて、ご報告申し上げます。
 第1は、緊急事態宣言と増加する感染者への対応についてです。この間、第5波と言われる新型コロナウイルスの急速な感染拡大が続く中、東京都などに加えて、8月2日からは、埼玉県にも緊急事態宣言が発出され、8月20日からは、宣言の対象が13都府県に、更に27日から21都道府県に拡大されるとともに、期間も8月末まで、から、9月12日まで、に延長されました。
 これを受け、蕨市では、新型コロナ対策本部で対応方針を決定し、市民の皆さんには、より感染力の強いデルタ株の影響を踏まえて、これまで以上に感染防止対策を徹底していただくよう、ホームページやケーブルテレビ、防災行政無線で呼びかけるとともに、お盆を前にした8月11日には、蕨駅において、埼玉県と合同で、帰省や旅行を極力控えるよう呼び掛ける啓発活動を実施しました。また、飲食店に対しては、終日、酒類の提供及びカラオケ設備の使用を行わないことや午後8時までの営業時間の短縮を要請しているところです。
 こうした中、埼玉県内においても、8月19日には、過去最多となる2169人の感染が確認されるなど、8月以降、連日多くの感染が確認され、現在、確保病床使用率が70%を超えるなど、医療提供体制はひっ迫の度合いを増しており、自宅療養者も急増しています。蕨市においても、同様に感染確認が急増していることから、自宅療養者等への市独自の支援として、本日より、希望者に対するパルスオキシメーターの貸し出しを始めました。また、消防本部においては、自宅療養者からの救急要請に対し、救急車に加えて、酸素投与などの医療資器材を搭載した支援車両が出動し、必要に応じて、支援隊が現場に残り、在宅での酸素投与などの応急処置を行うなど、救急体制の拡充を図っています。更に、市立病院においては、急増する発熱外来への患者に対応するため、待機所などの増設を図るとともに、これまでの抗原定量検査に加えて、病院独自にPCR検査を行える機器を導入することといたしました。また、8月19日からは、感染者の入院受け入れを3床に増やし、必要に応じて抗体カクテル療法にかかる新薬も活用するなど、検査医療体制の拡充も進めています。
 次に、学校での対応ですが、今回の第5波では、従前と比べて子ども達への感染が広がっていることから、2学期が始まった8月30日と31日は、午前中のみの通常登校とし、給食が始まる9月1日からは、午前中は登校しての授業を行い、午後はオンラインによる学習を基本とするなどの感染対策を講じます。登校に不安のある児童生徒については、登校しない場合でも欠席扱いとせず、学習支援を行うなど、実施にあたっては、家庭との連絡を緊密に取り、子ども達の様子に十分留意してまいります。
 現在の感染状況は極めて厳しいものがありますが、今後とも、市長として、新型コロナから、市民の命と健康、暮らしを守るため、全力をあげてまいります。

(2)新型コロナワクチン接種事業

 第2は、新型コロナワクチン接種事業についてです。蕨市では、感染対策の決め手と期待されるワクチン接種について、全庁的な体制で取り組みを進めてまいりましたが、地元医師会や市民の皆さんのご協力により、8月末現在で、65歳以上の高齢者の皆さんについては、約84%の方が2回目を終えており、概ね、希望する方々への接種を行うことが出来ました。また、対象者全体でも、50%を超える方が1回目を終え、2回目については約38%の方が完了しております。
 今後についてですが、7月以降、国からのワクチン供給量が減少し、見通しが不透明な状況となっていましたが、当面のワクチン確保の目途がついたことから、ワクチン接種の加速化に向けて、8月18日に日本アンテナ株式会社と連携協定を締結し、9月18日より、新たに、日本アンテナ蕨工場を会場として、毎週土曜日に、10月1日からは、毎週金曜日を加えて、集団接種を実施いたします。現役世代や若い世代へのワクチン接種を進めるため、金曜日は、午後8時までの接種を予定しています。更には、母子の健康を守るため、妊娠中の方及びその配偶者等へのワクチンの優先接種を行うこととし、独自の接種枠を設けて、8月28日より、予約の受け付けを進めています。こうした取り組みにより、11月までには、希望する全ての市民の皆さんにワクチン接種が行える見込みとなっていますが、今後とも、市民の皆さんが、なるべく早く、安心して接種が行えるよう、全力で取り組んでまいります。

(3)電子商品券支給事業

 第3は、蕨市電子商品券支給事業についてです。全ての家計を応援し、地域経済の活性化を図る蕨市電子商品券「織りなすカード」が、7月1日から利用開始となりましたが、8月30日現在、利用件数は、延べ5万1949件、利用総額は、約9480万円で、参加した市内375店舗のうち、約90%にあたる336の店舗でご利用をいただいており、事業所の皆さんから、普段利用されていない新しいお客の来店につながっているなどの声も多く寄せられています。
 利用期間は、当初、9月末までの予定でしたが、7月の利用開始以降、蕨市は、7月20日からまん延防止等重点措置の対象となり、8月2日からは、埼玉県に緊急事態宣言が出され、この間、飲食店などの休業も増えていることから、10月末までに1か月延長することとしました。今月号の広報紙の折込チラシで、期間の延長とともに、改めて、最新の取扱店舗の一覧を市民の皆さんに周知し、引き続き、感染防止対策を徹底しつつ、カードの名前に込められた願いのごとく、市民の皆さんと事業者の皆さんが心を通わせ、織りなしていく、コロナに負けない元気な蕨のまちづくりを進めていきたいと思います。

中学校体育館へのエアコン設置

 次に、2点目として、中学校体育館へのエアコン設置についてご報告を申し上げます。
 蕨市では、全国的にも早い段階で小中学校の普通教室等のエアコンを整備するなど、これまでも教育環境の向上に力を入れてまいりましたが、近年の厳しい猛暑から子どもたちを守るとともに、指定避難所における避難者の生活環境の向上を図るため、私の「あったか市政」第2ステージのマニフェストにおいて、小中学校体育館のエアコン設置を掲げ、今年度は中学校3校の体育館において設置工事を実施しています。昨年9月現在の埼玉県内の小中学校体育館等への空調設備設置率は2.9%でありますので、蕨市は、県内でも早い取り組みとなっています。今回、体育館に採用したのは、輻射式と呼ばれる空調システムで、対流式に比べて、直接風が当たらないため、競技への支障が少なく、また、輻射熱を利用するため、温度ムラが少なく大規模空間に適しているとされています。
 設置工事は、学校の教育活動に影響がないよう、夏休みを中心に行い、8月中に部分使用検査を終え、2学期の当初から使用できるようにいたしました。今後は、各校ともに9月中旬頃までに完成検査を行い、工事が竣工となる予定です。
 なお、学校体育館の空調設備は、子どもたちの教育や災害対応のほか、学校体育施設開放事業においても市民の皆さんにご利用をいただけます。

認可保育園の増設など保育の充実に向けた取り組み

 3点目は、認可保育園の増設など保育の充実に向けた取り組みについてご報告申し上げます。蕨市では、平成22年度以降、認可保育園を9園、小規模保育園を14園整備し、今年度には待機児童ゼロを達成することができましたが、今後も増加が見込まれる保育ニーズに応えるため、来年4月の開設に向けて、更に1園、認可保育園を増設することといたしました。新たに整備される認可保育園は、「(仮称)わらび星の子保育園」で、計画定員は69人、場所は塚越1丁目、整備・運営主体は「株式会社ゆうかり」となっております。また、その他、保育の充実に向けて、保育の必要性のある0歳から2歳児を定期的に預かる一時預かり事業を、学校法人わらび学園「わらび幼稚園」において、来年4月より実施することとなりました。今後、これらの認可保育園の開園及び一時預かり事業の開始に向けて、今議会提出の補正予算に計上させていただいた整備費に対する補助など、必要な支援を行ってまいります。

民間留守家庭児童指導室の開設に向けた取り組み

 4点目は、民間留守家庭児童指導室の開設に向けた取り組みについてご報告申し上げます。留守家庭児童指導室についても、年々増加する利用ニーズに対応するため、平成21年度以降、12室開設するなど増設を進め、現在は19室が整備されています。そのなかで、30年度からは、民間留守家庭児童指導室を公募し、3か年で3室を開設したところでありますが、その後も、定員を上回る利用希望が続いていることから、今年度も、定員を大きく超えている中央小学校の地域を中心に、8月に公募を行いました。その結果、2つの事業者からの応募をいただきましたので、今後、審査・選考を行い、来年4月の開設に向けて整備に対する必要な支援を行ってまいります。

新庁舎建設工事の着工

 5点目は、新庁舎建設事業についてご報告申し上げます。
 昨年度より進めてまいりました、旧庁舎の解体工事については、6月に工事を終え、同月25日に、新庁舎建設工事の施工者である、清水建設株式会社主催による起工式が行われました。新庁舎建設工事につきましては、今年度は主に、地下の解体や杭工事を行うとともに、基礎躯体工事に着手し、来年度からは、いよいよ建物本体の工事に入り、令和5年6月末の完成を予定しております。
 また、今月上旬より、工事現場周辺の雰囲気が明るくなるように、敷地境界に設置する仮囲いを活用して、市内児童・生徒が描いた絵画等の展示を行ってまいります。
 新庁舎は、免震構造を採用し、自家発電設備を備えるとともに、わかりやすい窓口やユニバーサルデザインへの対応、相談室の拡充など、災害対応と市民サービスの拠点にふさわしい計画となっており、今後も、人と環境にやさしく、市民に親しまれ、安全でコンパクトな新庁舎の実現に向けて、周辺の安全対策、また、近隣住民への配慮を十分に行いながら、着実に事業を進めてまいります。

東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業

 6点目は、東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業についてご報告申し上げます。
 東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業については、首都圏を中心とした感染拡大が進むなか、市民の皆さんへの観戦チケット販売や子どもたちの学校連携観戦については中止にするとともに、その他の事業についても、内容の一部中止を含め、感染防止対策を徹底しての実施となりました。
 オリンピック聖火リレーにつきましては、埼玉県が実施を決めるなか、蕨市として安全安心な聖火リレーとするため、沿道で密にならないよう、事前に市民の皆さんにライブストリーミングで観覧いただくようご案内するとともに、沿道での感染防止対策や熱中症対策を講じて、7月6日に行われました。当日は、57年ぶりに聖火が中山道蕨宿から蕨市を駆け抜け、無事聖火を引き継ぐことができましたが、改めて多くの関係者の皆さん、市民の皆さんのご協力に心より感謝申し上げます。
 また、パラリンピック聖火ビジットにつきましては、8月19日に、蕨市総合社会福祉センターにおいて、参加者を障害者福祉の関係者等に制限するなど、感染防止対策を徹底したうえで、実施しました。パラリンピックは、障害のある方々を対象とした、もう一つのオリンピックであり、その聖火は、共生社会の実現を促進するというパラリンピックの理念の象徴でもあります。当日は、共生社会の実現への私たちの願いを確かめる機会となり、本市においても、引き続き、障害のある方もない方も共に支え合い、住み慣れた地域で安心して暮らすことのできるまちづくりに取り組んでまいります。

民間との連携協定の締結

 7点目は、民間との協働のまちづくりについて、先にご報告した日本アンテナ株式会社との連携協定に加えて、この間、新たに2つの協定を締結しましたので、ご報告いたします。
 1つ目は、6月7日に、株式会社ビバホームとの間で、災害時における防災活動協力に関する協定を締結しました。この協定は、荒川決壊などの水害を含む大災害時に、蕨市の協力要請に基づき、スーパービバホーム蕨錦町店の駐車場を住民が一時避難場所として利用することや市が所有する公用車の一時避難場所として利用すること、店舗が取り扱っている物資を市に供給することなどを定めています。近年、全国で想定を上回る大きな水害が発生しており、本協定の締結によって、災害に強いまちづくりをなお一層進めるとともに、水害時における市民の避難行動が円滑に進むことを期待しております。
 2つ目は、8月5日に、明治安田生命保険相互会社との間で、市民サービスの向上と地域の活性化を図ることを目的とした包括連携協定を締結しました。明治安田生命保険相互会社は、地域社会への貢献活動や子どもたちの健全育成に向けた活動に取り組んでおり、既に蕨市においても、子ども食堂への支援や新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた学校の消毒等のボランティアの取り組みなどを行っていただいているところです。
 これらの活動に加え、今後は、この協定に基づき、がん検診等の受診率向上に向けた周知・啓発活動や、地域の防犯・見守り活動などの実施を予定しており、多岐にわたる分野で市民サービスの向上と地域の活性化に向けて連携してまいります。
 今後も民間事業者の皆さんとの連携を図りながら、蕨の協働のまちづくりを更に進めてまいります。

 以上、簡単ですが、令和3年第4回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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