市長報告(令和7年12月定例会)

ページ番号1012466  更新日 令和7年11月26日

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はじめに

 本日、ここに令和7年第6回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案10件、補正予算案3件、人事案1件、契約案2件、その他4件、計20件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、9点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

令和7年度市民意識調査

 1点目は、令和7年度の市民意識調査の結果がまとまりましたので、ご報告申し上げます。
 この調査は、市民の皆さんのまちづくりに対するご意見やご要望を把握し、市民と行政が一体となったまちづくりを進めるために毎年実施しているもので、18歳以上の市民の方1,000人を対象に調査票をお送りし、461人、率にして46.1%の方から回答をいただきました。
 それでは、主な内容についてご説明いたします。まず、毎年お聞きしている項目のうち、「まちへの愛着」については、今年度から「感じている」「感じていない」の2つの選択肢としてお聞きしたところ、「感じている」と答えた方の割合が78.1%と、8割近い方がまちへの愛着を感じているという結果になりました。また、「定住意識」についても同様に、これからも「住みたいと思う」「住みたいと思わない」の2つの選択肢から選んでいただき、「住みたいと思う」と答えた方の割合は、80.0%と、8割の方が、今後も蕨に住みたいと回答しています。
 次に、「まちづくり」についての考え方のうち、18歳未満の子どもがいる方に「子育て」についてお聞きしたところ、「子育てしやすいまちだと思う」、または「どちらかといえばそう思う」と回答した方の割合が、80.2%となっており、引き続き、子育てをしている方の8割が子育てしやすいまちだと感じているという結果になっています。
 また、健康づくりや運動習慣に関する設問では、「健康に気をつけている」と回答した方の割合が、昨年より7.5ポイント高い92.2%に、「週1日以上運動する」と回答した方の割合が、昨年より7.8ポイント高い60.5%となり、この間、蕨市では、スマートウエルネスシティによる取り組みを推進してきましたが、健康づくりや運動に対する市民の意識が一層高まっていることがうかがえる結果となりました。
 続いて、今後の市政の重点施策に関する設問では、37項目について、「重要度」と「満足度」の両面からお聞きし、「重要度」では、1位が「防犯対策」、2位が「消防・救急体制」、3位が「防災対策」で、昨年と同様、安全安心に関わる分野が上位を占め、「満足度」では、1位が「消防・救急体制」、2位が「防災対策」、3位が「コミュニティバスなどの公共交通の充実」となりました。
 市では、これら調査結果を今後の市政運営の参考にして、引き続き、将来ビジョンⅡに掲げる目指すまちのビジョン「安心・にぎわい・未来 みんなで創る みんなにあたたかい みんなのまち 蕨」の実現に向け、各施策の充実を図ってまいります。

リチウムイオン電池等の安全対策

 2点目は、リチウムイオン電池等の安全対策についてご報告申し上げます。
 本年7月に発生した蕨戸田衛生センターの火災につきましては、消防による実況見分の結果、出火原因は「不明」となっておりますが、全国的にリチウムイオン電池や電池を内蔵する製品が原因となった火災が発生していることから、今回の火災についても「その可能性は排除できない」と考えています。リチウムイオン電池等については、安全対策のため、令和6年4月から「消火器・バッテリー」の区分として、分別することとしてきましたが、更なる分別の徹底及び安全対策に向けて、12月から、リチウムイオン電池や電池を内蔵する製品については、透明の袋に入れて分別していただくとともに、「消火器・バッテリー」のかごの表記も、「リチウムイオン電池等」に変更することとしました。今後、広報蕨12月号と合わせて、分別方法を記載したチラシと分別のための透明の袋を全世帯へ配布していきます。また、かごの表記については、現在、ステッカーの貼り替え作業を公衆衛生推進協議会や収集委託事業者と連携して順次、進めており、市民の皆さんがリチウムイオン電池等の分別のかごであると認識しやすいよう、対策を講じてまいります。
 更には、リチウムイオン電池等による火災事故及びごみ処理施設への被害が全国的な問題となっていることから、先月、埼玉県市長会において、国に対して「リチウムイオン電池等の安全な回収及びリサイクルの強化」「ごみ処理施設等の安全基準及び支援の強化」「火災被害発生時の支援制度の充実」を求める決議を採択いただき、今後、埼玉県市長会と連携し、各省庁等へ要望を行ってまいります。
 現在、蕨戸田衛生センター組合では、原因究明と再発防止のため、外部の専門家を含む対策会議を計4回実施し、「運転管理体制」「設備関連」「初期消火及び消防通報対応」「出火原因」「法的側面」といった視点から検証を進めるとともに、再発防止対策として、最新の火災対応設備の状況を調査するなど、今後の対策に活かせるよう検討を進めているところです。今後は、来年1月を目途に検証報告書をまとめた後に、公表していく予定となっています。
 引き続き、リチウムイオン電池等の分別の徹底と安全対策の向上及び蕨戸田衛生センターの早期復旧に向けて全力で取り組んでまいります。

学校におけるICT教育環境の充実

 3点目は、学校におけるICT教育環境の充実についてご報告申し上げます。
 蕨市では、この間、児童生徒一人一台の端末整備や全ての学校でのWi-Fi環境の整備など、ICT教育環境の整備に力を入れ、日経BP社による「公立学校情報化ランキング」では、令和5年度は、小・中学校ともに県内1位、令和6年度は、小・中学校ともに全国9位に入るなど、高い評価を受けてきましたが、今年度は、更なる充実に向けて、全ての市立小中学校児童生徒の端末の一斉更新と東中学校DXルームの整備に取り組んでいます。
 端末の一斉更新につきましては、令和2年度に整備したGIGAスクール端末導入から約5年が経過し、耐用年数を迎えることから、埼玉県による共同調達会議を経て、先月中旬から下旬にかけて全ての市立小中学校に新たな端末が納品され、順次、活用を始めています。
 また、東中学校のDXルームには、電子黒板機能付き大型ディスプレイや高性能パソコン、3Dプリンターのほか、ICTを活用した意見交換や様々な授業形態で活用できるよう、モバイルディスプレイやホワイトボードパーテーション等も整備しました。整備したDXルームでは、生徒が各自の端末で調べ、作成した資料を大型ディスプレイで発表する探究型学習や各自の意見を画面上で共有しながら進めるグループ討議・共同制作など、協働的な学習が一層活発になっており、教員にとっても、ICTを活用した授業設計や教材の工夫が進み、授業の質の向上につながっています。また、可動式の設備により、教室を容易にレイアウト変更できるため、個別学習・グループ討議・プレゼンテーションなど、目的に応じた学びの空間づくりが可能となり、生徒一人ひとりの特性や学習スタイルに応じた指導を実現しています。
 今後とも、充実した教育環境を基盤として、ICT教育支援員や指導力向上ワーキンググループ等を活用しながら、ICT教育を更に推進してまいります。

学校トイレのリニューアル

 4点目は、学校トイレのリニューアルについてご報告申し上げます。
 学校トイレの整備につきましては、これまでも順次、洋式化などの改修を行ってきましたが、子どもたちや保護者の皆さんの要望に応えて、私の今期のマニフェストにおいて、「全学校トイレの洋式化」を掲げ、令和9年度までに全ての学校トイレのリニューアルを完了することとし、取り組みを進めてきました。
 今年度は、東小学校、南小学校、中央小学校の3校において、洋式化に加えて、床の乾式化や天井の改修を含む内装の全面的なリニューアルを実施しています。工事が完了した場所から、順次、利用を開始しており、児童たちも大変喜んでいる、と聞いており、実施してよかったと思っています。今後の予定といたしましては、西小学校、北小学校、中央東小学校、塚越小学校の4校について、現在、設計委託を行っており、令和8年度に改修工事を予定しているほか、中学校3校についても令和9年度に改修を予定しています。
 全ての改修には、十数億円かかる大事業でありますが、引き続き、未来を担う子どもたちの教育環境の充実に向けて、全力をあげてまいります。

スマートウエルネスシティ蕨アクションプランの取り組み

 5点目は、「スマートウエルネスシティ蕨アクションプラン」の取り組みについてご報告申し上げます。
 本市では、市民誰もが健康で幸せを実感できる「スマートウエルネスシティ」の実現を目指し、本年度からアクションプランに基づく多彩な取り組みを加速化しています。
 「歩きたくなる・歩いてしまうまちづくり」では、今年も今月29日に「ウォーキングイベント in 蕨市民公園」を開催し、一人ひとりの体力に応じた2つのコース設定や女子プロサッカーWEリーグに所属するちふれASエルフェン埼玉による子ども向けトレーニング体験会を実施します。また、昨年12月の第1弾、今年5月の第2弾に続き、「蕨あるこうキャンペーン」第3弾を来月1日から31日まで実施いたします。本キャンペーンは、県の健康アプリ「コバトンALKOOマイレージ」に登録のうえ、1か月間に8,000歩以上歩いた日が4日以上ある市民の方全員に500円分のデジタルギフトを贈呈するものですが、アプリの登録者数は、昨年の第1弾実施前の676人から現在では、3000人を超えており、今回の取り組みを通じて、市民の皆さんのウォーキングの輪を更に大きく広げて行きたいと考えています。
 また、「多様な健康づくりに、みんなが取り組みたくなるまち」では、市内に4000歩と8000歩の7つのウォーキングコースを新たに設定しましたが、今年度は、このウォーキングコースに面する公園や広場に、ストレッチや軽い運動、筋力トレーニングなどが気軽に行える健康遊具の設置を進めており、9月には、春日公園など、市内5地区の公園・広場に設置いたしました。今後は、更に市内の公園・広場に設置を広げていく考えです。加えて、ウォーキングコースの活用を促進するため、コース沿いの道路に路面標示や案内看板を設置してまいります。
 こうした取り組みを通じて、市民誰もが健康で幸せを実感できる「スマートウエルネスシティ」のまちづくりを一層推進してまいります。

図書館システムの更新

 6点目は、図書館システムの更新についてご報告申し上げます。
 社会のデジタル化が急速に進むなか、蕨市ではこれまで、デジタル技術を活用した市民サービスの向上に積極的に取り組んでおり、蕨市立図書館においても、令和4年度から、電子図書サービスを開始しましたが、今年度は、国の交付金を活用した新たな図書館システムの導入を進め、9月23日より、運用を開始することができました。
 新システムでは、従来の図書館利用券に加え、LINEをはじめ、SuicaなどのICカード、マイナンバーカードを図書館利用券として使用できるようになり、利用者がより便利でスマートに図書館を利用できる環境が整いました。また、LINEとの連携を強化し、図書館公式LINEから資料の検索・予約、予約順番のプッシュ通知受信が可能となったほか、読書・読み聞かせ手帳に貼る記録ラベルを印刷する機能も導入し、読書活動の記録がより簡単に行えるようになりました。
 更に、今回導入した新システムは、令和9年度の蕨駅西口新図書館開設を見越したもので、新図書館では、ICタグを活用した自動貸出機の設置や開館日時の拡大、Wi-Fiの導入、パソコン利用スペースの整備など、更なる利便性の向上を図ってまいります。
 今後も、市民の皆さんがより快適に図書館を利用できるよう、デジタル技術も活かしたサービス向上に努めてまいります。

西公民館・松原会館の移転

 7点目は、西公民館・松原会館の移転建替えについてご報告申し上げます。
 昨年3月、市立病院の整備については、西公民館・松原会館を含む一体的敷地への移転建替え方針を正式に決定させていただき、今年は、市立病院の基本設計を行うとともに、西公民館は、市民の方からご寄附いただいた錦町五丁目の土地を活用し、松原会館との複合施設として移転建替えを行うため、「(仮称)蕨市立西公民館等複合施設整備基本計画」に基づき、基本設計、実施設計を進めてきました。
 新たに整備する西公民館等複合施設は、「子どもから高齢者まで、あらゆる世代の人々が集い、交流し、学び、絆を紡ぐひろば」を基本理念として、設計に当たっては、アンケートやワークショップ等でいただいた地域の皆さんのご意見やご要望を反映させ、大人数での利用が可能で、2つの更衣室も備えた集会室をはじめ、カラオケや軽い運動もできる多目的室、可動式の間仕切りがある会議室、音楽練習等に適した防音室、多世代が集えるコミュニティラウンジなど、多様なニーズに応える計画となっています。また、災害対応として、自家発電機や防災備蓄倉庫を備え、太陽光発電の導入など環境にも配慮する施設として、整備していく予定です。現在の西公民館、松原会館は、それぞれ、建設から47年、55年が経過し、老朽化が進んでいましたが、今回の建替えにより、生涯学習や高齢者の皆さんの憩いの場として、また、多世代の交流の場として、これまで以上に多くの市民の皆さんに利用され、愛される施設に生まれ変わるものと考えています。
 今議会に工事請負契約案件の議案を提出いたしましたが、ご議決をいただいた後に、速やかに、本体工事に着手し、令和8年度末の竣工に向けて、取り組みを進めてまいります。

蕨市・エルドラド郡姉妹都市締結50周年

 8点目は、蕨市・エルドラド郡姉妹都市締結50周年についてご報告申し上げます。
 蕨市とアメリカ合衆国カリフォルニア州エルドラド郡は、昭和50年に姉妹都市締結をして以来、今年で、50周年という大きな節目を迎えました。先月末には、エルドラドから22人の訪問団が来訪され、今月1日に蕨市役所において記念式典を開催するなど、各種記念事業が実施されました。
 これまで、両市郡では、市民を主体としたホームステイを中心とする相互訪問や文化交流、国際青少年キャンプ、SNSを活用した蕨の中学生とアメリカの中高生との交流など、多彩な取り組みを重ねてまいりました。こうした長年の交流は、次代を担う蕨の青少年の豊かな成長や蕨のまちの魅力向上に寄与するとともに、世界各地で紛争や分断が広がる現代において、国際理解と平和への架け橋となるものと考えています。また、本年5月には、カリフォルニア州議会において、姉妹都市締結50周年を記念した議決書が採択されるなど、本市との交流は、アメリカ国内においても高く評価されています。
 滞在中、訪問団の皆さんは、宿場まつり織姫道中パレードへの参加や中学校訪問、文化交流などを通じて、市民の皆さんと温かい交流を深めていただきました。来年度の国際青少年キャンプは、エルドラドの青少年を招いて、蕨市にて開催する予定となっておりますが、今後とも、この歴史ある友好の絆を大切にし、姉妹都市としての交流を更に発展させてまいりたいと考えております。改めまして、本記念事業の開催にあたり、多大なご尽力をいただきました蕨・エルドラド姉妹都市協力会をはじめ、ホストファミリー並びに関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

市民税の収納率向上

 9点目は、市民税の収納率向上についてご報告申し上げます。
 私は、市長就任以来、市民の皆さんの願いに積極的に応えるとともに、市財政の健全化も進めてきましたが、その取り組みの一つが、市民税の収納率向上です。蕨市では、この間、丁寧な納税相談の実施に加え、納税コールセンターの設置やスマホ決済の導入により、期限内での納付を促すとともに、官公庁での徴収実務経験を有する人材を採用するなど、滞納の早期解消に取り組んでまいりました。その結果、令和6年度決算では、個人市民税の収納率は、97.9%と、14年連続で上昇し、平成22年度の85.2%から12.7ポイントのアップとなりました。令和6年度の個人市民税の調定額は約53億円でありますので、年間、7億円近い税収が増えた計算となり、税の公平性と自主財源の確保にとって、貴重な成果と言えます。
 これも、ひとえに、市民の皆さんの納税に対するご理解とご協力のおかげであり、市長として心から感謝申し上げます。
 今後とも、市民の皆さんに寄り添いつつ、市民サービス実現のための自主財源の確保と、税の公平性の確保のために、更なる収納率の向上に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。

 以上、簡単ですが、令和7年第6回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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