市長あいさつ(令和2年5月臨時会)
はじめに
本日、ここに、令和2年第2回蕨市議会臨時会を招集申し上げましたところ、議員各位には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、闘病されている方々に心からのお見舞いを申し上げます。また、医療従事者をはじめ、社会を支えるために頑張っている方々に敬意と感謝を申し上げます。そして、不要不急の外出自粛をはじめ、感染拡大防止のためご協力いただいている全ての市民の皆さんに御礼申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大が、市民生活や市内事業所の営業に重大な影響を及ぼす中、市として早急な対応が必要と判断したことから、臨時会を招集させていただきました。
今臨時会でご審議いただく案件は、条例案2件、補正予算案2件、その他2件の計6件です。議案の提案理由については、こののち、理事よりご説明させていただきますが、私からは、蕨におけるこの間の取り組みや国の緊急経済対策への対応、この度、取りまとめた「蕨市新型コロナ緊急対策」の主な内容について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第であります。
緊急事態宣言の発出とこの間の市の取り組み
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、4月7日に埼玉県を含む7都府県に緊急事態宣言が発出され、さらに16日には全国に対象が拡大されました。緊急事態宣言では、県から不要不急の外出や一定の施設の休業要請などが行われましたが、蕨市では、発出当日に、速やかに新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、市としての対応方針を決定するとともに、市民の皆さんへの外出自粛要請をはじめ、イベントや公共施設の利用中止の延長、小中学校の臨時休校の延長と児童の預かり、保育園や学童保育の規模を縮小しての開設、地元医師会や歯科医師会、保育園、介護事業所、妊娠届を出された妊婦さん等へのマスク提供など、全庁一丸となって、対応を進めてきました。また、この間、多くの市民の皆さんや企業、団体などからマスクなどのご寄附をいただきました。市長として、改めて、感謝いたします。
市立病院では、先月、助産師2名と出産したお母さんと赤ちゃんの感染事例が判明しましたが、産科業務や新規外来・救急患者の受け入れを一時停止するとともに、関係者全員のPCR検査を実施し、陰性を確認するなど、感染拡大の防止措置を講じ、先月22日に業務を再開することができました。市立病院では、これからも、市民の皆さんの健康と地域医療を守るため、全力を尽くしてまいります。
国の緊急経済対策への迅速な対応
それでは、まず、昨日、国会において補正予算が成立した国の緊急経済対策にかかわる市の対応について、申し上げます。国民全員に1人10万円を支給する「特別定額給付金」については、一般会計補正予算に76億円を計上しておりますが、既に庁内にプロジェクトチームを設置しており、システム改修、申請書の発送、給付業務など関連する事務を迅速に行い、なるべく早く支給が開始できるよう取り組んでまいります。また、児童手当を受給する世帯に対し対象児童1人につき1万円を給付する「子育て世帯への臨時特別給付金」については、7400万円を計上しており、支給は、児童手当の直近の支給月である6月となる見込みであります。
蕨市新型コロナ緊急対策
次に、蕨市新型コロナ緊急対策の主な内容について申し上げます。新型コロナウイルス感染症の拡大により、市民生活、そして、市内事業所に深刻な影響を及ぼす中、市民にとって最も身近な自治体として、市民の皆さんの健康と暮らし、市内事業所の営業を守るため、3つの柱からなる「蕨市新型コロナ緊急対策」をとりまとめさせていただきました。総事業費は約2億7000万円となり、その財源は、全て、財政調整基金の取り崩しで対応をいたします。
(1)緊急経済対策
1つ目の柱である「緊急経済対策」では、収入が減った全ての小規模企業に対して、10万円を給付するとともに、家賃補助として、10万円を超える部分について5万円を上限に補助する「蕨市小規模企業者応援金」を創設いたします。家賃に対する市独自の補助は県内初の取り組みです。いま、まさに苦境に立たされている市内小規模企業の皆さんに対し、国や県による支援策を積極的に活用していただくとともに、最も身近な自治体として、精一杯の応援をしたい、との思いから、実施するものであります。お困りの事業者の皆さんのお手元に一刻も早く届くよう、取り組んでまいります。
(2)緊急生活支援対策
2つ目の柱の「緊急生活支援対策」では、5つの事業を実施します。
第1は、いま、とりわけ厳しい生活を余儀なくされている、ひとり親家庭の皆さんに対して、3万円の臨時給付金を支給する「ひとり親家庭等支援臨時給付金」を実施します。児童扶養手当受給世帯を対象に5月中の支給を目指してまいります。
第2は、新型コロナウイルス感染症でハイリスクとされる一方、定期健診など、どうしても外出が避けられず、不安を抱えている妊娠中の方に対し、タクシー等でも使用できる1万円相当の交通系ICカードを交付し、妊婦さんの感染予防や移動支援を行う「マタニティパス交付事業」を実施します。こちらも、県内では初の試みとなります。
第3は、全ての小・中学生に対し、教科書に準拠したワークブックを配布する「学習支援事業」です。連休明けの早い時期に配布できるよう、取り組んでまいります。
第4は、就学援助家庭においては、学校の臨時休校により給食が停止となった3月以降、給食費は支給されておりませんが、休校中の就学援助家庭の食費負担を少しでも支援するため、学校休校期間中の給食費相当額を支給いたします。
第5は、学童保育室について、利用の自粛を呼び掛けてきましたが、4月以降において、1日でも自粛にご協力いただいたご家庭については、利用料を無料とする措置を講じます。
(3)緊急医療対策
3つ目の柱である「緊急医療対策」では、第1は、今後も、必要とする医療機関などに感染防護用品などを支援していくため、市として必要な備蓄を進めます。
第2は、市立病院において、発熱者専用の診療室を設けて適切に診療を行うとともに、救急入院時等におけるPCR検査を実施するなど、診療体制の整備を進めます。なお、市立病院は、企業会計であるため、今回の補正予算には含まれていません。
結びに
新型コロナウイルスの感染拡大は、これまでに私たち人類が築き上げてきた社会経済システムを土台から揺るがし、世界中の国々に多くの深刻な問題をもたらしています。事態は刻々と変化し、問題が収束していく見通しは、いまだ立っていません。
こうした中にあって、私は、市民の皆さんに最も身近な存在である蕨市の市長として、これからも市民の皆さんに寄り添いながら、市民の皆さんの健康と暮らし、事業所の皆さんの営業と暮らしを守りぬくために、私、市長を先頭に、市職員が一丸となって、全力で取り組んでいく決意であります。
市議会をはじめ、市民の皆さんには、共にこの危機を乗り越えるため、なおいっそうのお力添えをお寄せいただきますよう、心からお願いを申し上げ、令和2年度の臨時会のあいさつといたします。ありがとうございました。
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