施政方針(平成31年3月定例会)

ページ番号1005112  更新日 令和2年1月8日

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はじめに

本日、ここに、平成31年第1回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。
今定例会は、平成31年度の当初予算をはじめとする重要な案件をご審議いただくことになりますが、この際、私がこれからの市政運営に臨む基本的な考え方や新年度予算の編成方針、更には予算の概要と主な事業について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第であります。

3期目の市政運営について

将来ビジョンの推進

まず、最終年度を迎えた「コンパクトシティ蕨」将来ビジョンの前期実現計画でありますが、この間、市議会並びに市民の皆さんのご協力をいただきながら、実現に向けた取り組みを推進してきました。 現在、社会情勢の変化や前期計画の進捗状況も検証しながら、31年度からの後期実現計画の策定作業を進めており、パブリック・コメントでお寄せいただいたご意見も参考にしながら、年度内に策定してまいります。

マニフェストの推進

また、私の3期目の市政運営も間もなく4年を迎えますが、お約束した公約、マニフェストについては、昨年来の取り組みの中で、街なか防犯カメラや市民会館の耐震化、錦町スポーツ広場の人工芝化などが実現し、その進捗率は、実施済みと着手を合わせて89%にまで前進させることができました。
3期目の残りの任期もわずかではありますが、お約束した公約、マニフェストの実現に向けて全力を挙げることは、市長として、また政治家として、もっとも大切な事であり、引き続き、そのために力を尽くしていきたいと思います。
 

平成の時代とあったか市政

平成の時代を振り返って

さて、5月に皇位継承が行われることから、4月末をもって、30年余続いてきた「平成」という時代が幕を閉じることとなります。新聞やテレビなどでは、いろいろな角度から平成を振り返る特集も見られますが、昨年、朝日新聞社が行った世論調査では、「平成はどんな時代だったか」との問いに対し、最も多かったのが「動揺した時代」、次いで「停滞した時代」という結果でありました。 たしかに、バブル経済の崩壊やリーマンショックなどによる日本経済の低迷、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめとする大規模な自然災害の発生、更には、国際情勢における、世界的なテロの拡散や中東情勢の不安定化、米中貿易対立の激化など、「平成」は、暮らしや将来への不安が広がった時代でもありました。
 また、同調査では、インターネットやスマートフォンをはじめとする情報通信技術の目覚ましい進歩により、生活が便利になる一方で、「人と人のつながりが希薄になった」との回答も80%近くとなりました。

あったか市政とは

こうした時代にあって、平成19年6月、私は、「日本一のあったか市政」を掲げて、蕨市の第6代市長に就任しました。これまで申し上げてきたとおり、 「あったか市政」という言葉には、市民の暮らしを支える市政運営を貫く、市民の皆さんと心が通い合う市政を目指す、という2つの思いが込められています。暮らしや将来への不安の広がり、人と人のつながりの希薄化、という平成の時代にあって、「あったか市政」は、正に、こうした時代や市民の皆さんが求めているものであった、そんな思いを強めているところであります。

3期12年の市政運営を振り返って

ここで、改めて、これまでの3期12年の市政運営を振り返ったとき、市長就任時に掲げた「日本一のあったか市政」の実現に向けて、確かな前進を図ることができた、と考えています。

暮らしを支える市政の前進

暮らしを支える市政という点では、防犯対策において、町会の皆さんとの連携を深め、町会による防犯パトロールや全ての防犯灯のLED化、市内に140台の防犯カメラを設置する「街なか防犯カメラ」などの取り組みを通じて、平成15年には3046件あった蕨市内の犯罪発生件数が、昨年は、約4分の1の765件にまで減少し、18年以上続いてきた犯罪発生率県内ワースト・スリーから脱却することができました。
子育て支援では、県南地域でいち早く中学卒業までの医療費無料化を実現するとともに、認可保育園は、市長就任時の5園から13園へ、 学童保育室は7室から16室へ、大幅に増やすことができました。 その結果、昨年の市民意識調査では、子育てしやすいまちと思う市民の割合は、過去最高となる52・5%となり、市政満足度においても 「子育て支援」が第2位となりました。
教育では、全国的にも早い段階で全ての普通教室にエアコンを設置するとともに、6年生までの35人程度学級や教育センターの整備などを進め、蕨の子ども達は、学力、体力ともに、素晴らしい成果をあげています。
介護の分野でも、土地の確保が困難な蕨市において、独自の誘致策を創設し、2つの特別養護老人ホームが増設されたほか、健康づくりや介護予防活動も取り組みが広がっています。
その他、蕨駅へのエレベーター設置、75歳以上のぷらっとわらび無料化など、住み良いまちづくりを着実に前進させることができました。

心が通い合う市政の前進

市民の皆さんと心が通い合う市政という点では、市民の皆さんとの直接の対話触れ合いを市政運営の原点に位置付け、町会をはじめとするさまざまな行事に積極的に参加するとともに、毎年、市長タウンミーティングを開催し、これまでの参加者数は4000名を超えました。また、みんなで創るわらび推進条例の制定や協働事業提案制度の創設、わらびネットワークステーションの開設などを通じて、協働のまちづくりが大きく前進しています。
蕨市では、現在、交通死亡事故ゼロが1300日を越えて続いており、県内40市の中で最も長く、蕨にとっても過去最長となっています。 これは、先ほど触れた犯罪件数の減少と合わせて、町会や交通関係団体をはじめとする市民の皆さんとの協働の力があってこそ実現できた大きな成果であります。 また、昨年、北町公民館が文部科学省の優良公民館表彰を受け、これで市内7つの公民館全てが優良公民館表彰を受けたことになりましたが、充実した生涯学習活動は、協働のまちづくりを進める大きな力となっています。
そして、昨年の市民意識調査において、まちへの愛着が73・3%と7割を超える結果となりました。まちへの愛着の高さこそ、蕨の誇りであり、まちの発展の最大の原動力であります。
こうした市政運営の中で、蕨市は、既に人口密度日本一でありますが、人口減少社会にあって、私の市長就任時の約7万1000人から昨年5月には7万5000人を超えるなど、着実な発展が続いています。

市政改革の推進

同時に、市長就任以来の市政運営は、前市政からの課題の解決に向けた市政改革を着実に進めてきた12年でもありました。遅れていた公共施設の耐震化については、学校、保育園、公民館に続き、市民体育館と市民会館、図書館の耐震化も完了し、一定の見通しが立つところまで前進させることができました。大型公共事業の見直しでは、厳しい財政状況の中で見通しが立たなかった中央第一土地区画整理事業について、地区計画による修復型のまちづくりに転換することで市の負担が大幅に軽減され、権利者の皆さんのご協力の下で、新たなまちづくりが進んでいます。
蕨駅西口再開発についても、権利者の皆さんとともに市の負担軽減に向けた計画の見直しを行い、事業が大きく前進しつつあります。 赤字経営が続いていた市立病院についても、2次にわたる経営改革プランを策定・実行し、21年度には5年ぶりに黒字化し、現在、安定経営を継続しつつ、将来を展望した市立病院将来構想の策定を進めています。
更には、財政の健全化では、土地開発公社の経営健全化も含めて、市民の願い実現との両立を図りつつ着実に推進し、市の借金総額は、市長就任時の363億円から29年度末には 303億円へ60億円削減し、地方交付税の振り替わり措置である臨時財政対策債を除けば、135億円の削減となります。 一方、市の貯金にあたる各種基金残高は、37億円から51億円へ14億円増加しています。
 こうした市政改革は、前市政からの課題を解決するだけでなく、蕨市が未来に向けて飛躍するための土台づくりであり、言わば、飛躍のための体力をしっかりとつけてきた12年でもありました。
 

「あったか市政」第2ステージへ

現在、日本は、本格的な少子高齢化・人口減少社会に突入し、これをどう乗り切るかは、日本の未来がかかった最大の課題となっています。懸念が高まっている大規模災害への備えや持続可能な経済成長の実現なども、日本の未来にかかわる大きな問題であります。
我が国が、こうした困難な課題を乗り越え、未来に向けて、着実に発展を遂げていく上で鍵と言われているのが、地方における魅力的なまちづくり、安心して暮らせるまちづくり、です。そうした点では、今日、暮らしを支え、心が通い合う「あったか市政」を更に継続発展させつつ、蕨の未来への飛躍に向けた大きな課題にも、果敢にチャレンジする、言わば「あったか市政」第2ステージを迎えているのであります。
50年前、大型コンピュータの時代にあって、未来を見据えてパーソナルコンピュータという概念を提唱し、アップル創業者スティーブ・ジョブスに影響を与えたと言われている、アメリカの科学者アラン・ケイが次のような言葉を残しています。
「未来は予測するものではない。自ら創るものだ」
私は、市長として、引き続き、安全で安心できるまち、にぎわいあふれる元気なまち、みんなにあたたかく、だれもが住みやすいまち、この3つのビジョンに向けたまちづくりを更に推進しつつ、昨年、大きな一歩を踏み出した、超高齢社会に対応したまちづくり、蕨の玄関口にふさわしい蕨駅西口再開発、市民サービスと災害対応の拠点となる市庁舎整備、という未来への3大プロジェクトを力強く推進し、より魅力的で、住み良いまちとして、蕨の未来を創造していく決意であります。
市議会並びに市民の皆さんには、こうした輝く未来へのまちづくりに対し、引き続きのご支援、ご協力を心からお願いする次第であります。

 

3つのビジョン実現に向けた重点事業

それでは、将来ビジョンで掲げる3つの基本方向に沿った重点事業について申し上げます。
 

(1)安全で安心できるまち

 まず、第1の重点事業である「安全で安心できるまち」では、消防防災行政の拠点の一つである消防署塚越分署の建替え整備を進めてまいります。建設期間は7月から1年間を予定しており、その間は、一時的に、塚越分署の機能を市民公園管理棟内に移転いたします。 蕨駅へのホームドア設置については、31年度末までの供用開始に向けて、JR東日本に対し、埼玉県とともに、整備費補助を行います。 社会インフラの老朽化対策では、水道については、基幹管路の耐震化を更に推進し、耐震管率は、全国平均が40%程度であるのに対し、31年度末には95・8%に達する見込みです。 また、下水道では、「蕨市下水道管路長寿命化基本計画」及び「詳細計画」に基づき、更生工法などにより管路8か所の改修・修繕を行い、橋りょうでは、「橋りょう長寿命化修繕計画」に基づき、早期措置対象の13橋のうち、6橋の改修と4橋の設計を行ってまいります。

 

(2)にぎわいあふれる元気なまち

第2の重点事業である「にぎわいあふれる元気なまち」では、引き続き、蕨市にぎわいまちづくり連合会や蕨商工会議所と連携して、中心市街地活性化基本計画の推進を図ります。
蕨ブランドの取り組みでは、この間、双子織や河鍋暁斎など、蕨の地域資源を活かした5つの認定品が誕生し、蕨の新たな魅力を創り出してきました。 認定期間が終了し、新たな認定を行う31年度には、蕨ブランドの更なる拡大を目指してまいります。
音楽によるまちづくりでは、昨年の市民音楽祭は、2日間で23もの音楽ステージが行われ、まち中が音楽にあふれ、にぎわいにつながる、音楽のまち蕨ならではのイベントとなりましたが、31年度も、市民・文化団体、経済団体との協働により、蕨の新しい魅力あふれるイベントとして継続・発展させてまいります。
 

(3)みんなにあたたかく、だれもが住みやすいまち

第3の重点事業である「みんなにあたたかく、だれもが住みやすいまち」では、コミュニティバス「ぷらっとわらび」を、3台運行から4台運行に拡充し、現行の西ルートに逆回りを設けるなど、12月の運行開始を目指して、更なる利便性の向上を図ってまいります。
また、高齢者や障害のある方々など、だれもが利用しやすい公民館への整備に向けて、中央公民館と西公民館にエレベーターを設置します。
子育て支援では、保健センターに子育て世代包括支援センター母子保健型を整備し、妊娠期から子育て期まで、切れ目のない支援を行うとともに、蕨では初めてとなる、病気や病気からの回復期にある子どもを一時的に預かる病児・病後児保育施設「(仮称)虹の部屋」が4月に開設されます。
市立病院については、30年度に策定する将来構想の実現に向けて、安定経営を継続しつつ、 二次救急医療を担う地域の中核病院として、 また、地域包括ケアシステムを支える公的医療機関として、その役割をしっかりと果たすとともに、懸案である市立病院の耐震化に向けて、院内に検討組織を立ち上げ、今後の具体的な方向性を検討してまいります。

蕨の未来に向けた3大プロジェクト

(1)超高齢社会に対応したまちづくり

 次に蕨の未来に向けた3大プロジェクトについて申し上げます。
 第1のプロジェクトである超高齢社会に対応したまちづくりでは、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを加速化させてまいります。住民主体の介護予防事業である「いきいき100歳体操」の更なる拡大を図るとともに、生活支援担い手講座や有償ボランティアの取り組み、認知症サポーター養成講座の開催など、生活支援体制の整備と認知症対策を進めます。
 また、新たに、地域包括ケアシステムの要とも言われている定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを31年度中に開始するとともに、医師会に運営を委託している在宅医療支援センターを通じて、医療と介護のいっそうの連携を図ってまいります。
 

(2)蕨の玄関口にふさわしい蕨駅西口再開発の推進

第2のプロジェクトである蕨の顔、玄関口にふさわしい蕨駅西口再開発については、この間、事業推進の大きな節目となる都市計画の変更手続きを進め、1月には蕨市都市計画審議会から答申をいただき、先日、都市計画の変更を決定することができました。また、再開発事業の中で整備する公共公益施設は、昨年11月、パブリック・コメントを経て、規模は2000から2200平方メートル程度とし、用途は、行政センターと図書館とする方針を決定しました。31年度は、事業主体である準備組合が行う実施設計や権利変換計画の策定などに対する補助を行うとともに、公共公益施設については、図書館の利用者など、市民の皆さんからのご意見を伺いながら設計の検討を進めるなど、引き続き、組合と連携し、蕨の未来につながる魅力的な再開発に向けた取り組みを進めてまいります。
 

(3)市民サービスと災害対応の拠点となる市庁舎の建替え

第3のプロジェクトである市庁舎の建替えでは、新庁舎整備の根幹となる「蕨市新庁舎建設基本構想・基本計画」について、去る1月8日に、審議会から答申をいただきました。答申では、新庁舎の基本理念を「~歴史・文化を活かし『未来の蕨』を創造~人と環境にやさしく、市民に親しまれ、安全でコンパクトな庁舎」とし、建設の基本方針に「防災拠点となる安全な庁舎」「だれもが利用しやすい庁舎」「環境にやさしい庁舎」「建設・維持管理コストを抑えたコンパクトな庁舎」「市民が親しみやすい庁舎」の5つを掲げています。市では、この答申を踏まえ、昨日まで実施したパブリック・コメントでお寄せいただいたご意見も参考にしながら、今年度中に基本構想・基本計画を決定し、新年度からは、2か年の継続事業で、建物の配置やデザイン、機能、設備などを決める基本設計・実施設計を行うなど、2023年度の庁舎完成に向けて、本格的な作業を進めてまいります。

「蕨の未来への創造」を特徴とした予算編成

以上のような考えに基づき、編成しました平成31年度予算案のキーワードは、「あったか市政」第2ステージ、「蕨の未来への創造」であります。

平成31年度当初予算の概要

それでは、平成31年度蕨市一般会計予算の概要について申し上げます。歳入においては、歳入の根幹をなす市税収入を前年度比2億5000万円増の115億2000万円、地方交付税は4000万円増の13億3000万円、国庫支出金は約1億2300万円増の約43億9600万円と見込んだほか、繰入金は約7億7300万円増の15億5100万円、市債は6000万円増の約11億7600万円と見込みました。
一方、歳出においては、小規模保育園の増設などによる子育て関連予算の増額、蕨駅ホームドア整備費補助金、消防署塚越分署や新庁舎整備事業費、駅西口地区市街地再開発事業補助金などを計上し、予算総額は前年度比6・3%増で、過去最大となる245億5000万円となりました。
特別会計では、国民健康保険や公共下水道、錦町土地区画整理事業など6つの会計の総額は172億3700万円、病院、水道の企業会計合計額は、45億8453万8000円で、以上の全会計を合わせた蕨市全体の予算規模は、463億7153万8000円となりました。
なお、本年10月からの消費税率引き上げについては、歳出において、必要な額を計上するとともに、歳入については、必要な条例改正を行い、10月より、10%分を見込むこととしております。また、それに合わせて実施が予定されている幼児教育・保育の無償化については、詳細が国から示されていないことから、補正予算等で対応していく予定です。
 

6つの基本目標に沿った主な施策

 次に、将来ビジョンに掲げるまちづくりの6つの基本目標及び推進プランに沿って、重点事業で触れた以外の主な施策について申し上げます。

 

(1)安全で安心して暮らせるまち

1点目の「安全で安心して暮らせるまち」では、防災対策として、防災行政無線のデジタル化に向けて、31年度は、既設40局の調査及びシステムなどの設計を進めてまいります。
水害対策では、市内の電柱に、荒川が氾濫した場合に想定される浸水の高さや洪水時の避難所の表示を行います。表示する電柱は100本を予定しており、その選定については、町会の皆さんからのご意見を伺いながら、進めてまいります。 また、昨年6月の大阪北部地震などの教訓を踏まえ、道路に面した安全性に疑いのあるブロック塀の撤去を促進するため、撤去費用に対して10万円を上限に補助する制度を新設します。
 

(2)豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち

2点目の「豊かな個性を育み子どもたちの未来輝くまち」では、次代を担う子どもたちのため、全ての小学校と更新時期を迎える東中の教育用パソコンをタブレット兼用型に更新するとともに、授業で使用する教師用タブレット端末を導入し、2020年度から順次実施される新学習指導要領を見据えた学校ICT環境の整備を推進してまいります。 また、学校運営や学校の課題に対し、これまで以上に広く地域住民などが参画し、子どもたちの豊かな成長を育んでいくため、学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールを導入します。平成31年度は、コンパクトシティである蕨の特性を生かし、モデル地区として、東小・塚越小・東中の3学校区を1地区として、PTAや学校応援団の代表などによる学校運営協議会を設立します。
子育て支援では、4月に民設民営の留守家庭児童指導室である「キッズクラブ蕨中央」が中央7丁目に開設しますが、午後8時までの延長保育対応や学校へのお迎えなど、きめ細かなニーズにも応える内容となっています。31年度においても、民設民営の施設増設に向けた公募を行い、2020年4月の開設に向けて、整備費を補助するなど、取り組みを進めてまいります。

(3)みんなにあたたかく健康に生活できるまち

3点目の「みんなにあたたかく健康に生活できるまち」では、「1日8000歩のウォーキングと20分間の中強度の運動」を中心とする健康長寿蕨市モデルの取り組みについて、健康講座を開催するとともに、県の健康マイレージと連携した歩数計データの読み取り端末を、現在の1か所から8か所程度に増やすなど、充実を図ってまいります。
重度の知的障害がある方の入所施設については、私の3期目のマニフェストにおいて「広域的検討」を掲げ、この間、南部障害保健福祉圏域内で、市民が利用できるサービス提供事業者の確保に取り組んできました。 こうした中で、本年4月に、川口市内に入所施設が開設されることとなったことから、入所する蕨市民の支援の安定を図るため、開設月より最大60か月間、入所者1名につき月額4万円を運営費として補助する新たな制度を創設いたします。

(4)にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち

4点目の「にぎわいと活力、市民文化と歴史がとけあう元気なまち」では、商店街の活性化事業として、ぶぎん通り商店会が計画している街路灯のLED化に対する補助を行います。これにより、市内の商店街街路灯のLED化率は97%となります。
また、平成30年度に策定した生産性向上特別措置法に基づく導入促進基本計画を引き続き推進し、中小企業や小規模事業者の生産性向上を後押しするほか、空き店舗有効活用事業の推進やわらびりんごの育成にも力を入れてまいります。

(5)快適で過ごしやすく環境にやさしいまち

5点目の「快適で過ごしやすく環境にやさしいまち」では、都市計画マスタープランの策定に向けた取り組みを進めます。 都市計画マスタープランは、上位計画となる将来ビジョンなどを踏まえ、長期的なまちづくりの基本的な方針や将来像などを総合的・体系的に示す計画で、2か年での策定を予定しています。
錦町土地区画整理事業については、一般会計からの繰出金とともに、国の交付金や市債などの最大限の活用を図り、22棟の家屋移転や17路線の街路築造など、事業の推進を図ります。 また、生産緑地については、過密都市である蕨市においては、貴重な緑地、空閑地であり、防災上も重要な役割があることから、下限面積を500平方メートルから300平方メートルに引き下げるための条例案を今議会に提出するとともに、所有者の意向を前提に、指定から30年が経過する2022年12月以降も、可能な限り特定生産緑地として継続できるよう、取り組んでまいります。

(6)一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち

6点目の「一人ひとりの心でつなぐ笑顔あふれるまち」では、市民の皆さんとの協働によるまちづくりを推進するため、平成30年度に協働提案事業として採択された女性の活躍とまちのにぎわいを目指す「蕨マルシェ」や視覚障害者の外出等を支援するボランティアを養成するための「ガイドヘルプ基礎講座」など、8事業を行います。
また、17回目を迎える国際青少年キャンプは、初めて、災害応援協定を締結している栃木県大田原市の青少年研修施設を会場に開催する予定で、友好都市ドイツ・リンデン市と蕨市の青少年のほか、ドイツ・マッヘルン市、大田原市・片品村の青少年も招待し、文化・スポーツなどを通じて交流を深めます。

(7)持続可能な都市・蕨に向けた行財政運営

続いて、推進プランに基づく、持続可能な都市・蕨に向けた、行財政運営について申し上げます。土地開発公社については、経営健全化計画に基づき、蕨駅西口第1駐車場の一部及び中央3丁目のちびっこ広場の一部、約2億1900万円を買い戻します。その結果、一般会計と特別会計、公営企業会計及び土地開発公社を合わせた市全体の31年度末借入残高見込みは約293億7600万円で、前年度と比較して、およそ2億7800万円の減となります。
歳入確保並びに市税等の収納率の更なる向上に向けて、自主納付を促す自動電話催告システムを導入し、現年滞納分の早期解消を図ってまいります。
また、蕨市公式ホームページのリニューアルを行い、情報発信の充実を図ってまいります。
以上が6つの柱と推進プランに基づく事業の概要であります。

むすびに~市制施行60周年を蕨市発展の契機に~

さて、平成31年度は、蕨市が市制を施行してから60周年という節目の年を迎えます。記念事業は、オープニングイベントや記念式典、記念グッズの製作、観光事業の拡充、蕨駅西口広場のイルミネーションの一新、わらびりんごを使った学校給食の提供、60周年を指定テーマとした協働提案事業などをはじめ、NHK公開収録「ラジオ深夜便のつどい」や「なんでも鑑定団」の収録も計画しており、年間を通じて、多くの皆さんに楽しんでいただける内容となっています。 60周年のキャッチフレーズについては、昨年10月から11月にかけて公募を実施したところ、982件のご応募をいただき、その中には674名の市内小中学生も含まれています。
そして、去る1月23日に公募の市民を含む選考会議で審査を実施した結果、「笑顔 希望 ずっとぎゅっと蕨」に決定をいたしました。 このキャッチフレーズには、明るく楽しく暮らす人々の笑顔や子ども達の希望ある未来が、これから先も、日本一小さな市のなかに「ずっと」「ぎゅっと」つまっている、そんな思いが込められています。この素晴らしいキャッチフレーズの下で、市制60周年という節目を、皆さんとともに祝い、未来の蕨への大切な一歩を踏み出す年にしたいと考えています。詩人高村光太郎の詩「道程」に「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」という有名な一節がありますが、市長として、常にチャレンジ精神を持って、新たな道を切り開き、全国に誇れる「日本一のコンパクトシティ蕨」を実現していく決意であります。
市議会をはじめ、市民の皆さんには、蕨の限りない発展に向けて、なおいっそうのお力添えをお寄せいただきますよう、心からお願いを申し上げ、平成31年度の施政方針表明といたします。ありがとうございました。

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