市長報告(令和3年6月定例会)

ページ番号1007704  更新日 令和3年6月1日

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はじめに

 本日、ここに令和3年第2回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、公私とも大変お忙しいなか、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今定例会でご審議いただく案件は、条例案3件、補正予算案1件、契約案1件、その他4件の計9件であります。いずれも重要な案件でありますので、慎重なるご審議をいただき、ご議決くださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、先の定例会から今日までの市政の取り組みや当面する課題など、6点について、ご報告を申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解を賜りたいと思います。

新型コロナウイルス感染症にかかるこの間の市の取り組み

(1)新型コロナワクチン接種事業

 1点目に、新型コロナウイルス感染症にかかる、この間の蕨市の取り組みについて、ご報告申し上げます。
 第1は、新型コロナワクチン接種事業についてです。蕨市では、感染対策の決め手として期待されるワクチン接種を円滑に進めるため、1月12日にプロジェクトチームを立ち上げて以来、全庁的な体制で取り組みを進めてまいりました。
 まず、市内医療従事者等の接種については、市立病院が担当して3月8日からスタートし、1回目の接種は約90%、2回目の接種は約68%が完了しており、今月上旬に完了する予定です。
 次に、65歳以上の高齢者の皆さんについては、当初、国からのワクチンの供給量が非常に限られていたことから、まずは、施設入所者から接種を始め、その後、一般の高齢者を対象に段階的に実施することとしました。ワクチン接種券の発送については、予約の集中を避けるため、4月23日の85歳以上を皮切りに5歳刻みで行い、5月19日までで完了しています。
 予約は、電話かインターネットで受け付けていますが、コールセンターの体制も強化し、これまでのところ、大きなトラブルもなく進んでおり、現在、対象者の約79%にあたる13,865名の方が予約されています。
 接種については、5月16日から保健センターでの集団接種を開始し、17日からは市内医療機関での個別接種を順次開始し、これまでに2,870名、15.8%の方が1回目の接種を終えました。ワクチンの廃棄を防ぐ取り組みでは、集団接種の従事者と市内保育施設の保育士を対象にリストを設け、急なキャンセルに対応しています。
 今後、ワクチン接種を加速化するため、集団接種を拡充することとし、保健センターでは、毎週日曜日と今月17日からの毎週木曜日に加えて、26日からは毎週土曜日も追加するとともに、新たに、東公民館を会場に26日から毎週土曜日に、市民体育館小体育室を会場に、21日から7月末までの期間、毎週、月曜日から木曜日に、それぞれ実施いたします。こうした取り組みにより、蕨市においては、7月末までに、希望する全ての高齢者の皆さんが接種できる見通しとなっています。また、インターネットに不慣れな方を対象に、職員がインターネット予約を支援する取り組みを、旭町公民館を除く市内6つの公民館で、5月31日と6月1日の2日間行うこととし、昨日は123名の方が利用されました。
 基礎疾患のある方及び高齢者施設等従事者の皆さんには、昨日より、優先接種に係る接種券の申請受付を行っておりますが、高齢者の皆さんに続き、基礎疾患のある方及び高齢者施設等従事者、そして、一般市民の皆さんと順次、ワクチン接種を推進し、市民の皆さんが、なるべく早く、安心して、受けられるよう、引き続き、全力で取り組んでまいります。

(2)電子商品券支給事業

 第2は、蕨市電子商品券支給事業についてです。この事業は、新型コロナの影響が厳しさを増すなか、全ての家計を応援し、地域経済の活性化、事業者の支援につなげていくため、全ての市民に1人3000円の電子商品券を支給するもので、県内初の取り組みとなります。電子商品券は、蕨の伝統織物である「双子織」をイメージしてデザインし、消費者と事業者が、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)のように交わり、心を通わせ、まちのにぎわいにつながることを願い、名称を「織りなすカード」としました。なお、今回の事業では、環境配慮型カードを採用しており、自治体発行のカードとしては、日本初となります。
 利用方法については、カードに記載されている二次元コードを、取扱い店舗側がスマートフォンなどで読み取り、決済を行う仕組みとなっており、市民の皆さんは、カードを店舗で提示するだけで支払いができるようになっています。
 利用の期間は、7月から9月までの3か月間となっており、カードは今月中旬までに、行政連絡員を通じてご自宅にお届けする予定となっています。なお、織りなすカードは、1人1枚のカード毎にシステムで管理しており、万が一、カードの不正取得や複製などが発覚した際には、システムで即時利用が停止できるなど、安全対策を講じています。
 また、取扱い店舗については、大型店やチェーン店を除く市内店舗を対象に募集を進めているところであり、7月の利用開始までに、多くの店舗に参加していただきたいと考えています。なお、取扱い店舗の一覧については、専用ホームページを設け、随時、更新しながらお知らせするとともに、7月号の広報蕨にも店舗一覧を掲載したチラシを折り込む予定となっています。
 この事業を通じて、コロナに負けない元気な蕨のまちづくりを進めていきたいと思います。

(3)まん延防止等重点措置の指定への蕨市の対応

 第3は、「まん延防止等重点措置」指定に伴う蕨市の対応についてです。政府は、4月20日に、埼玉県を含む4県をまん延防止等重点措置の対象とし、埼玉県は、さいたま市と川口市を措置区域に指定し、更に、4月28日には、蕨市を含む13市町についても追加指定を行いました。
 これを受けて、蕨市では新型コロナウイルス感染症対策本部を開催し、引き続き、県境をまたぐ移動や日中を含む不要不急の外出・移動の自粛などといった感染防止対策の徹底を市民の皆さんに要請するとともに、飲食店に対し、午後8時までの営業時間の短縮のほか、期間中は終日、酒類の提供を行わないよう要請するなどの対策を講じました。また、飲食店に対する感染防止措置については、埼玉県感染防止対策協力金の支給を受ける条件となる「安心宣言飲食店+(プラス)」の認証に向けて、埼玉県と市が連携し、5月18日までに、市内292店舗への実地確認を行ったところです。

(4)子育て世帯生活支援特別給付金、その他の取り組み

 第4は、子育て世帯生活支援特別給付金をはじめとする、その他の取り組みについてです。低所得の子育て世帯に対し、児童1人当たり5万円を支給する「子育て世帯生活支援特別給付金」について、国からは「5月中に支給を」とされていましたが、蕨市では、新型コロナの影響で厳しい状況におかれている皆さんに、できるだけ早く支給するため、議会のご理解により関連予算を専決処分させていただき、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯に対して、4月28日に支給することができました。
 また、家計が急変し、収入が児童扶養手当の受給世帯と同じ水準になっているひとり親世帯などに対しても、4月21日から申請を受付け、順次、支給しており、更に、ひとり親世帯以外の非課税の子育て世帯に対しても、同様の支給を、今月中に行えるよう、準備を進めているところです。
 その他、コロナの影響で生活が困窮している方々に対して、食料品を無料で提供し、必要な方には生活相談を行うフードパントリー事業の3回目を、5月27日、社会福祉協議会が中心となって実施し、99世帯の方が利用されたほか、4月9日から、仮庁舎と東公民館で、生理用品の無料配布を行うなど、生活支援対策にも取り組んでいます。
 ご承知の通り、昨日までの予定であった、東京など9都道府県に対する緊急事態宣言及び埼玉県等に対するまん延防止等重点措置が、今月20日までに再延長されました。これを受けて、蕨市では、対策本部を開催し、これまでの取り組みを継続することといたしましたが、コロナの影響が厳しさを増す中、今後とも、市長として、市民の健康と暮らし、市内事業所の営業を守り、一日でも早く豊かな日常を取り戻すため、全力を挙げてまいりますので、市議会並びに市民の皆さんには、引き続きのご理解とご協力をお願いいたします。

市長タウンミーティング

 次に、2点目として、市長タウンミーティングについて、ご報告申し上げます。
 私は、市長就任以来、市民の皆さんとの直接の対話・ふれあいを市政運営の原点に位置付け、毎年、市民の皆さんと、まちづくりについて直接、意見交換する市長タウンミーティングを開催してきました。昨年度は、新型コロナの影響により中止としましたが、今年度は、初めて、ケーブルテレビと動画配信を活用して開催しました。
 テーマは、「新年度の予算・施策について」とし、まず最初に、説明編として、私から、市政運営の考え方や新年度の主な施策について、お話しさせていただきました。続いて、今回、59名の市民の皆さんから71件ものご意見、ご質問が寄せられたことから、私からの回答については、回答編として、「新型コロナ対策」「子育てや教育」「福祉全般や防災」「にぎわいやまちづくり、その他」の4回に分けて、放映、配信いたしました。なお、時間の関係で回答できなかったものを含めて、ご意見、ご質問と市からの回答の概要を市ホームページに掲載するとともに、内容によっては、担当から個別にお答えさせていただきました。これらのご意見については、すでに対応したものもありますが、今後とも、可能な限り、市政に反映していきたいと考えています。

蕨市都市計画マスタープラン等の策定

 3点目は、「蕨市都市計画マスタープラン」等の策定について、ご報告申し上げます。
 都市計画マスタープランは、概ね20年後の都市の将来像を明確にし、その実現に向けた都市計画を定める際の基本的方針を示すものになりますが、今後の人口減少や少子高齢化に対応した持続可能な都市の実現を目指す立地適正化計画と合わせて検討を進めてまいりました。
 これらの計画の策定にあたっては、令和元年度から市民意識調査や市内5地区による意見交換会を行うとともに、都市計画審議会からご意見を伺いながら進めてまいりましたが、「蕨市都市計画マスタープラン」(案)では、本市の現状と課題を整理し、都市づくりの理念に「住みたい 住み続けたい 住んでよかったと思えるまち」を掲げ、目標、分野別・地域別方針などを定めるとともに、「蕨市立地適正化計画」(案)は、「歩いて暮らす 安全で快適な都市づくり」を基本的な方針とした内容となっています。
 これらの案については、広く市民の方からご意見を伺うため、本日から21日までの期間でパブリックコメントを実施しておりますが、お寄せいただいたご意見や8月に予定されている都市計画審議会の答申を踏まえ、計画を決定していく予定です。
 また、都市計画マスタープランに基づく都市づくりを進めるにあたって、より積極的に景観形成にも取り組んでいく必要があると考えていることから、あわせて「蕨市景観計画」の策定も進めており、「蕨市景観条例」(案)についてもパブリックコメントを実施しているところです。
 快適で過ごしやすい蕨を目指し、都市の将来像となる都市計画マスタープラン等の計画策定に向け、引き続き、取り組みを進めてまいります。

蕨市国土強靭化地域計画の策定

 4点目は、「蕨市国土強靭化地域計画」の策定について、ご報告申し上げます。
 国土強靭化地域計画については、昨年度から、早期の策定に向け作業を進めてまいりましたが、この度、計画案がまとまりました。本計画は、国土強靭化基本法に基づき、大規模自然災害等の発生時、市民の生命を最大限守り、地域社会の重要な機能を維持する「強さ」と、生活・経済への影響、市民の財産及び公共施設の被害をできる限り軽減して迅速な復旧・復興ができる「しなやかさ」を持って、市民の安全・安心を守ることを目的とし、県の地域計画を参考に、「コンパクトシティ蕨」将来ビジョンの内容を基本としながら、新型コロナへの対応を加えるなど、市の取り組みや行動内容を示したもので、計画期間は、令和5年度までとしています。
 今月16日までパブリックコメントを実施しており、お寄せいただいたご意見も参考にしながら、6月末までに策定し、安全安心の蕨のまちづくりを一層進めていきたいと考えています。

AIによる無人子育て相談室の開設

 5点目は、子育てAIとオンライン相談を活用した産後うつ予防等の実証実験の開始について、ご報告申し上げます。
 昨年11月、蕨市と京都大学COI拠点研究推進機構、株式会社ほっこりーのプラスとの3者で、子育て支援などに関するイノベーションの創出と実証実験に取り組みながら、地域社会の発展と人材育成に寄与することを目的とした連携協定を締結しましたが、本協定に基づく実証実験として、5月26日から、無人子育て相談室を蕨市福祉・児童センター3階に開設しました。
 同施設では、子育てについて悩んでいる方が、子育てAIロボット「WARABO(ワラボ)」に相談できるほか、オンラインで、日本で初めて夜泣き外来を開設された専門医や市の家庭児童相談室の職員、子育て支援団体による先輩ママとの遠隔相談を行うことができます。
 今年度、この実証実験を通じて、産後うつ予防など、女性とこどものこころとからだの健康サポートなどに取り組んでまいります。

さよなら私のクラマーと連携した取り組み

 6点目は、「さよなら私のクラマー」と連携した取り組みについて、ご報告申し上げます。
 蕨を舞台とした人気女子サッカー漫画「さよなら私のクラマー」のテレビアニメが4月からスタートしましたが、主人公が所属するワラビーズのチーム名や市内各所の街並みが度々登場するなど、大きな話題となっています。この間の取り組みとしては、3月11日に、主人公・恩田希(おんだ のぞみ)役を務める声優の島袋美由利(しまぶくろ みゆり)さんが蕨市役所を表敬訪問されたほか、今年度の生涯学習カレンダーの表紙へのアニメ画の掲載、図書館での特設コーナーの設置とともに、蕨市にぎわいまちづくり連合会と連携し、「映画の舞台が蕨市なんです!」などの見出しを付けた作品ポスターが100枚以上、市内商店に張り出されています。更には、5月24日からは、主人公が通った中学校のモデルとされる第一中学校に横20m・縦4mのPR横断幕を掲げましたが、これらの取り組みは、メディアでも数多く取り上げられています。
 今月11日からは、映画「さよなら私のクラマー ファーストタッチ」も上映されますが、それに先立ち5日から、歴史民俗資料館において作品の場面カットなどを60点以上展示する企画展を開催することをはじめ、まち連や市内事業所の皆さんと連携したコラボ商品の開発や「SPORT in LIFE プロジェクト」を進めているスポーツ庁とのタイアップなど、さまざまな取り組みを展開し、蕨市の魅力発信と活性化につなげていきたいと考えています。
 以上、簡単ですが、令和3年第2回蕨市議会定例会における市長報告といたします。

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