蕨の歴史

ページ番号1002240  更新日 令和1年11月23日

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蕨の歴史(開拓)

奥東京湾の海面下にあった蕨は、やがて地上にその姿を現わし、湿地帯を形成していました。その上に荒川のはん濫で運ばれた土砂がたい積して、海抜4メートルから6メートルの微高地がつくられました。弥生時代の人々が生活していた痕跡が確認されており、平安時代末期頃から開発が進められたといわれています。言い伝えには、金子右馬之助家忠の一族が、平安末期の保元の乱(1156年)や平治の乱(1159年)を避けて蕨本村(法華田(ほっけだ)、現在の錦町5丁目付近)に落ちのびてきて、蕨開発の祖となったと伝えています。鎌倉時代に入ると、土豪を中心にある程度の集落ができていたようです。これは、市内に現存する鎌倉時代の板碑からも、うかがい知ることができます。

蕨の歴史(戦国時代)

長禄2年(1458年)古河公方に対抗するため、渋川義鏡が関東探題に任命され、蕨城主になりました。それから間もなく応仁の乱(1467年)が起こり戦国時代に突入、全国各地に戦火が広がっていきました。北条氏の武蔵進出で、その支配下に入った蕨城は、大永4年(1524年)に扇谷(上杉氏)朝興軍に攻められ、ついに落城しました。永禄7年(1564年)岩槻太田氏は世継ぎ問題をきつかけに北条氏の勢力下になり、渋川氏も再び北条氏に属するようになりました。このように蕨周辺は群雄割拠し、戦国大名の勢力範囲はめまぐるしく変化していました。このころ蕨では六斎市が開かれ、物資の交流が行われていて、現在、錦町6丁目の「一六橋」の名称が当時の名残をとどめています。永禄10年(1567年)蕨城主渋川義基は、北条方の援軍として上総(千葉県の一部)三舟山に出陣戦死しました。戦いに敗れた渋川氏の家臣たちは、その後、蕨周辺に帰農したといわれています。

蕨の歴史(天正から慶長)

天正18年(1590年)徳川家康が関東に入国し、翌19年には三学院に寺領20石を寄進しています。江戸幕府は、全国支配のため街道の整備に着手し、各地に宿駅を設置しましたが、蕨宿は慶長17年(1612年)ごろ成立し、中山道の宿駅として発展をとげました。

蕨の歴史(江戸から明治維新)

江戸時代の蕨宿の町並みは南北に約10町(約1.1キロメートル)続き、町裏に用水が堀りめぐらされていた構造が特徴です。この用水は人々の生活用水として利用されていたほか、宿の防備や防火の役割も担っていました。参勤交代の大名や公家の休泊施設である本陣は、蕨宿では、加兵衛家と五郎兵衛家が代々務め、宿場の中央に向かい合うようにして建っていました。加兵衛家には老中・水野忠邦や松平加賀守などが休泊し、文久元年(1861年)の皇女和宮降嫁の際には休憩所となり、大政奉還後の明治元年と同3年の明治天皇大宮氷川神社行幸時にも小休所になりました。現在は、蕨本陣跡として公開しています。 また、江戸時代末期から蕨では塚越村を中心に、綿織物業が盛んになりました。その後、2本の洋糸を絡ませて作る双子織が評判となり、蕨の織物業は飛躍的に発展しました。

蕨の歴史(明治から現代)

明治3年(1870年)石川直中は下蕨に郷学校を開き、近代学校教育の基礎を築きました。明治22年(1889年)には蕨宿と塚越村が合併して蕨町が誕生しました。同26年に念願の蕨駅が開設され、町民あげての祝賀会が催されました。大正4年(1915年)には「ワラビ」を図案化した紋章が東京高等工芸学校教授の安田禄造によって作製されました。第二次大戦後、町村合併が促進され、蕨町、戸田町、美笹村の三町村合併がまとまりかけましたが実現しませんでした。昭和34年、蕨町単独で市制を施行して今日に至っています。

「わらび」地名の由来

わらび地名の由来は「蕨」説と、「藁火」が変化して蕨になったとする説が伝えられています。まず、「蕨」説は、近隣の戸田市や川口市にもある地名の青木、笹目、美女木などの植物にならって名付けたとか、僧慈鎮(じちん)の「武蔵野の草葉にまさるさわらびをげにむらさきの塵かとぞみる」の歌をもって「蕨」としたなどです。「藁火」説は、源義経が立ちのぼる煙を見て「藁火村」と名づけたとか、在原業平が藁をたいてもてなしをうけたところから「藁火」と命名したなどです。文献上、初めて「わらび」が見られるのは観応3年(1352年)6月29日付「賀上家文書」で、「蕨郷上下」と記されています。

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