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平成21年度施政方針

最終更新日:2009年7月23日

 本日、ここに、平成21年第2回蕨市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。新年度前の定例会でありますので、この際、私が市政運営に臨む基本的な考え方や新年度予算の編成方針、更には予算の概要と主な事業について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第であります。
 さて、皆さんご存知の通り、いま、日本と世界は未曾有の経済危機に直面しています。深刻な雇用危機と個人消費の落ち込み、企業経営の悪化が相次ぎ、先日発表された、昨年10月から12月のGDP・国内総生産の実質成長率が年率換算でマイナス12.7%を記録し、昭和49年のオイルショック以来の大幅なマイナス成長となりました。これは、経済危機の発信源であるアメリカのマイナス3.8%、ユーロ圏のマイナス5.8%と比べても際立った落ち込みです。
 こうした経済危機は、サブプライムローン問題に端を発したアメリカ発の金融危機から世界同時不況に突入したものではありますが、問題は、日本の経済危機がこれだけ深刻となった背景には、構造改革の名で、個人消費を軽視し、派遣労働の自由化や社会保障費の削減、外需頼みの経済運営を続けてきた政治の責任が問われているのではないか、という点であります。
 こうした中で、今日、政治や行政は何のためにあるのか、その根本が問われています。私は、一昨年の市長就任以来、日本一小さな市・蕨で日本一市民にあたたかい「あったか市政」を目指し、市政の改革やマニフェストの着実な前進を図ってまいりましたが、今日の深刻な経済危機に直面する中で、市民のくらしを支える「あったか市政」が、いよいよ求められていると感じております。いまこそ、政治、行政が総力をあげて、市民のくらしを守りぬくべき時であり、私は、蕨の市長として、そのために頑張りぬく決意であることをまず初めに申し上げるものであります。
 さて、平成21年度の予算編成並びに市政運営の基本的な考え方につきましては、昨年の12月市議会において、4点にわたる方針を申し上げましたが、その方針に沿って、順次ご説明いたします。
 まず、第1の方針は、今日の厳しい社会経済状況の中で市財政も厳しさを増しておりますが、これを「ピンチはチャンス」ととらえ、職員の知恵と力を尽くし、蕨の優れた地域力に依拠して、前向きな市政運営に当たるということであります。
 特に、大切なことは、厳しい財政状況の中で、全ての市職員が、蕨のため、市民のために何が出来るのかを、真剣に考え、行動する集団に成長するという事であります。職員採用につきましても、20年度は技術職で、年齢制限を緩和し、民間経験者の採用を行いましたが、昨今の経済情勢から、優秀な人材を獲得するチャンスと捕らえ、対応してまいりたいと考えております。
 そして、何よりも、厳しい時だからこそ、私自身、市長として、常に、明るく、元気に、前向きに、市政運営にあたっていきたいと考えております。
 第2の方針は、厳しい経済状況の中で、市民のくらし、さらには中小企業の経営を守る市政運営を貫くことであります。
 まず、この深刻な経済危機から中小企業の経営を守るための「緊急経済対策」について申し上げます。まず、蕨市の中小企業向け融資について、21年度に限り、利子分1.8%を市が補助を行う無利子融資制度を実施いたします。
 また、景気対策として一日も早い予算の執行、とりわけ公共事業の執行が求められていることから、市が予定している公共事業を可能な限り「前倒し発注」してまいります。
 さらに、公共事業の分割発注や小規模契約登録制度の対象事業を現行の50万円から100万円に拡大するなど、地元の中小企業を支援してまいります。
 あわせて、景気低迷の中、市内の商店や企業、事業所への支援といたしまして、「蕨市商店街連合会」が中心となって実施する検討がされております(仮称)「市制施行50周年記念プレミアム付き商品券事業」に対する補助を、追加で提案する予定であります。
 市民のくらしを守ると言う点では、「国民健康保険税と下水道料金の連続値上げ計画の中止」とのマニフェストに基づき、20年度に続き、21年度につきましても、値上げを行わず、据え置く措置を講じます。
 国民健康保険につきましては、医療費の伸びなどにより、大変厳しい財政状況となっておりますが、高齢者や不況にあえぐ商店・自営業者の皆さんなど、蕨の約38%の世帯が加入しており、現在、加入していない勤労世帯の皆さんも、会社退職後は、いずれ加入することになるなど、市民の健康を守る根幹をなす制度であります。そこで、行政として、引き続き人件費の抑制などの努力を続け、21年度予算では、一般会計から10億7千万円を国民健康保険特別会計に繰り出し、運営の安定化を図ってまいります。
 また、今日の不況の中で生活困難に直面している市民が増えていることから、新たに、月2回、弁護士による多重債務相談を行います。
 介護保険料につきましても、21年度は3年に一度の改定の時期となりますが、基金を活用するなどして、保険料の基準月額を3950円から3900円とし、制度発足以来、初めて引き下げることといたしました。
 さて、第3の方針は、厳しい財政状況の中でも、経費削減と歳入確保のいっそうの努力を強め、引き続き、マニフェストの着実な前進と市民の願いに応える施策を推進することでありますが、まず、マニフェストで掲げました「3つの改革」について申し上げます。
 1点目の「長期政権のしがらみからの脱却」につきましては、昨年、市政検証委員会の報告書をまとめ、市政の課題を明らかにしましたが、この間、部長会議の活性化、市職員からのホットメール制度を創設し、管理職の削減も昨年に引き続き進めてまいります。
 2点目の「ムダづかいの一掃」「大型開発の見直し」でありますが、まず、蕨駅西口再開発の第2、第3工区の見直しにつきましては、駅前広場や駅前の市有地の活用のあり方を中心に検討いただいております市民検討委員会の報告を近くいただけると聞いています。それらも踏まえながら、新年度には、庁内に検討委員会をつくり、蕨駅周辺のまちづくりについて検討を進めてまいります。その際、莫大な費用を要する都市計画事業の見直し、というマニフェストに沿いながら、すぐに着手できるものと、中長期的な課題となるものとを整理しながら、今後の方向性を具体化してまいります。
 次に、中央第一土地区画整理事業についてであります。今年度は、「抜本的な見直し」とのマニフェストや公共事業評価監視委員会の「見直しを前提とする継続」との答申に基づき、市として見直しの作業を行い、区画整理の手法として、現道重視型や区域縮小型など、事業費の縮減策を検討してまいりました。その結果、総事業費と市の負担は、現在の計画である、総事業費110億円、市負担72億円と比べて大幅に縮減されるものの、市の負担が最も少ない区域縮小案でも、総事業費は約52億、市負担は約32億円にのぼり、この場合でも区域から除外した地域のまちづくりにも相当の経費を要することから、今の蕨市の財政状況から見て区画整理事業の推進は極めて厳しいとの結論に達しました。
 財政見通しがない中で、計画をそのまま進めることは、結果として、長期にわたり権利者の皆さんに権利制限を強いることになり、多大な負担をかけるとともに、商業の活性化にも支障を来たすことになります。そこで、次の通り、「中央第一土地区画整理事業の見直しの方向性」を決定いたしました。
 その主な内容は、第1に、中央第一地区6.5ヘクタールの全域において、土地区画整理事業によるまちづくりを見直して、地区計画によるまちづくりの誘導、木造密集市街地整備事業など都市計画による新たなまちづくりの方法について検討し、緊急車両の通行が可能な道路等の整備など、生活・防災環境面で支障のないまちづくりを進めること、第2は、都市計画道路の見直しについて検討し、埼玉県や関係機関と協議していくこと、第3は、新たなまちづくりに際しては、権利者の皆さんとともに、仮称・中央第一地区まちづくり整備計画を策定するとともに国や埼玉県と協議し事業を進める、というものであります。
 今後は、中央第一地区の住環境や防災性などの課題解決を蕨市の重点施策の一つとして位置づけ、見直しの方向性に基づき地区権利者の皆さんとの協議を進め、新たなまちづくり事業に向けての検討を進めていきたいと考えておりますので、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 3点目の連続値上げ計画の中止につきましては、私は、市長就任直後に、マニフェストに沿って値上げ計画を定めた蕨市行政経営戦略プランの該当部分を凍結いたしました。これは、値上げの前に経費削減の最大限の努力を行うべきである、との立場から、少なくとも、戦略プランの最終年度である21年度までは、大型開発の見直しや、人件費の抑制など経費削減の努力を続け、値上げは行わない、というものでありますが、先ほど申し上げた通り、この方針通り、戦略プランの最終年度となる21年度も値上げを行わない対応を行います。
 なお、戦略プラン終了後の新たな計画につきましては、21年度早々に、策定作業を始め、案が出来上がった時点で、市民の皆さんのご意見も広くお伺いし、遅くとも、22年の前半には確定をしてまいりたいと考えております。
 それでは、次に、具体的な施策につきましては、マニフェストに掲げております「5つの柱」に沿って申し上げます。
 まず第1の柱であります「安全・安心、きれいなまちづくり」につきましては、昨年も、行政と町会、市民の皆さんが一体となった防犯活動により、蕨市内の刑法犯件数は216件、率にして10.8%減少しましたが、引き続き、75基の防犯灯設置、防犯ボランティア団体への物品購入費補助制度を実施する他、新たに蕨市防犯計画を策定し、犯罪発生の抑止を図ってまいります。また、交通事故多発地区解消のための整備工事なども、引き続き実施をしてまいります。
 防災対策では、4年間ですべての小中学校の耐震化を図るというマニフェストに基づき、21年度は南小旧校舎、塚越小と一中B棟の耐震補強工事に取り組むとともに、20年度の地震ハザードマップに続き、新年度は洪水ハザードマップを作成いたします。
 水害対策では、20年度に合流地域の浸水対策基本調査を実施し、合流地域の浸水対策に向けた計画を策定しておりますが、新年度は、調整池設置の事業化に向けた具体的な検討を進めてまいります。
 きれいなまちづくりでは、私が管理者をつとめている蕨戸田衛生センターにおいて、新年度に、生ゴミを堆肥化し、花を育てる「リサイクルフラワーセンター」の整備を予定しております。これは、生ゴミと交換でお花をお渡しするシステムを予定しており、これを機に、町会や学校などとの連携の下で、生ゴミのリサイクルや花を使ってのきれいなまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
 錦町土地区画整理事業につきましては、厳しい財政状況の中ではありますが、20年度に続き、前年度を上回る一般会計からの繰り出しに努めており、家屋移転や街路築造の他、新たに水路計画の策定や整備予定の「錦町7号公園」の設計を住民参加によるワークショップの手法ですすめるなど、錦町土地区画整理事業の総合的な推進を図ってまいります。
 第2の柱である「子育て支援、教育・文化・スポーツの振興」では、マニフェストで重点課題に掲げたこどもの医療費無料化制度の拡大につきまして、昨年10月より、通院は小学校3年修了まで、入院は中学校卒業まで拡大いたしましたが、新年度は、さらに、通院無料化の対象を小学校卒業まで拡大いたします。これは、子育てを支援するとともに、将来に向けて蕨の活力を高める大きな力になるものと確信をしております。
 保育園の延長保育につきましては、さつき保育園とみどり保育園で時間を延長し、全ての保育園で平日午後7時までの延長保育を実施いたします。併せて、さくら保育園におきましては、土曜日の保育時間を午後5時まで延長いたします。
 また、子どもたちの安全のために保育園や留守家庭児童指導室にAEDを設置するとともに、北町地区の留守家庭児童指導室は、希望者が増え、全員の受け入れが困難になってきていることから、新たに北小学校の施設を利用して、2ヵ所目の整備をいたします。なお、開設時期は、新年度に入りましたら急ピッチで改修工事を行い、8月には間に合わせていきたいと考えております。
 幼稚園児補助金につきましては、5歳児を対象に6千円増額し、3万4千円に引き上げてまいります。
 学校教育につきましては、小学校での35人学級実施に向けた準備経費を計上いたしました。これは、22年度から、当面、小学校3、4年生を対象に35人学級を実施すべく、そのための、教員採用事務などに当てる経費であります。
 さらに、妊婦健診につきましては、今年度、無料化の対象を2回から5回に拡大しましたが、本年4月より、14回全てを無料化したいと考えております。なお、そのための予算措置につきましては、今後、補正予算で対応する予定であります。
 第3の柱であります「高齢者・障害者をはじめ、市民誰もが健康に暮らせるまちづくり」では、まず、市民の皆さんから要望が寄せられております、後期高齢者医療制度に移行した75歳以上の皆さんを対象とする宿泊費補助制度を4月からスタートいたしたいと思います。
 健康密度日本一に向けて、乳がん検診が日曜日にも受けられるようにするなど各種がん検診の充実を図るとともに、特定健康診査の受診率向上につとめてまいります。
 また、精神障害者保健福祉手帳を更新する際に添付する診断書に対し、5千円を上限に助成する制度を実施いたします。重度障害者医療費の窓口払いの廃止につきまして、その対象を現在の国民健康保険に加え、他の健康保険にも拡大をしてまいります。
 蕨駅のエレベーター設置につきましては、蕨市が整備する西口とJRが整備する蕨駅構内とで、相互に補助金を出しあうという形で工事に着手いたします。その後、22年度に蕨市が東口にエレベーターを、JRが構内に下りのエスカレーターを設置する予定であり、駅のバリアフリー化が達成されることになります。
 蕨市立病院につきましては、17年度から経営が赤字となり、18年度1億7千万円、19年度2億5千万円、そして、20年度は4億円程度の赤字が見込まれるなど、深刻な経営を余儀なくされています。その最大の要因が、全国的にも問題となっている医師不足にあるわけですが、それにとどまらず、あらゆる面から経営の改革が急務の課題となっています。昨年11月、市立病院経営改革プラン懇談会から、「今後の病院経営の方向性に関する提言書」をいただきましたが、現在、その提言も踏まえながら、市立病院内において、経営改革プランを作成しているところであります。改革プランは5ヵ年の計画となっており、21年度が初年度となるわけですが、今日の市立病院の経営状況、あるいは市の財政状況を考えると、まさに21年度が勝負の年になると考えております。私は、先日、蕨戸田市医師の会長さんとお会いして、医師確保の協力のお願いをしたところであり、また、近々、医師派遣の件で東京医大にお伺いする予定でありますが、市長として医師確保の先頭に立つと同時に、病院長とともに強い覚悟で市立病院の経営改革を推進し、その結果を厳格に検証してまいります。どうか、市議会をはじめ、市民のみなさんのご支援を心よりお願いする次第であります。
 このほか、昨年来、蕨市社会福祉協議会と蕨市社会福祉事業団の合併をすすめてまいりましたが、合併に向けた協議が順調にすすみ、昨年、11月には、私も立会いの下で、社会福祉協議会と社会福祉事業団の合併調印が行われ、12月には埼玉県の認可も下り、4月に合併する見通しであります。この合併が、地域の福祉ネットワークと専門的な福祉事業者である両者の良さが合わさり、より充実した、そして分かりやすい福祉サービスを推進するとともに、経営の合理化も図っていけるものと考えております。
 第4の柱である「元気な商店街、元気な蕨づくり」では、18年度に改正された「まちづくり3法」を踏まえ、新たな中心市街地活性化基本計画を策定するほか、蕨市や地域経済団体、商店会、そして大型店やチェーン店なども含めた市内の商業者を対象に、商業の振興及び地域貢献のための基本的な事項を定める蕨市商業振興条例を新たに策定し、地域貢献協議会を設置してまいります。
 また、昨年、事業者や市民の皆さん、そして行政が一体となって元気な商店街づくりを考え、実行するために設置いたしました「元気な商店街づくり検討委員会」は、新年度も引き続き検討を重ね、新年度の早い時期に中間報告をいただける予定であり、それを踏まえ、具体的な方策を提案していきたいと考えております。
 その他、商店街活性化事業補助金として、塚越商店会が設置する防犯カメラ設置費用への補助や蕨銀座商店街のAED設置費用に対する補助など、商工業活性化支援事業の充実も図ってまいります。
 第5の柱である「みんなでつくる市民参加のまちづくり」では、昨年も、クリーンわらび市民運動や年末夜警への激励、市民の皆さんの各種催しへの参加などを通じて、市民の皆さんとの直接のふれあいを大いに深めることが出来ましたが、この姿勢を新年度も継続してまいります。また、新年度は、地区毎に、新年度の主な施策などを報告し、市民の皆さんのご意見をお伺いする市長タウンミーティングを、引き続き開催したいと考えております。
 さて、基本方針の第4点目である、市制施行50周年でありますが、私は、この歴史的な節目を、これまでの蕨の良さを再確認し、なによりも、市民が心を一つにして、未来に向けた新たな蕨のまちづくりのスタートにしたいと、昨年、市民参加の「蕨市市制施行50周年記念事業実行委員会」を発足させ、記念事業の検討を重ねてまいりました。
 まずキャッチフレーズでありますが、全国から募集したところ1323件の応募があり、審査の結果、「歩みつづけて50年 蕨に笑顔 輝く未来」に決まりました。また、50周年を機に制定する蕨市のシンボルマークにつきましても全国から作品を募集し1011件の作品が寄せられました。これを選考委員会で5作品に絞りこみ、2月1日から市民投票を実施しております。ちょうど本日がその市民投票の最終日となっておりますので、近日中には、蕨市のシンボルマークが決定し、皆さんにお披露目できるものと思います。
 さて、50周年記念事業の主な内容は、まず、4月29日に、中山道苗木市に合わせオープニングセレモニーや三学院にある市の天然記念物の藤の花を楽しんでいただく「わらび藤まつり」から始まり、5月27日には、継続して何らかの運動を15分間行った市民の参加率を他の自治体と競い合う市民参加型の「わらびチャレンジデー」の開催や、8月21日には、東小学校でNHKの夏期巡回ラジオ体操を行うほか、9月23日には、民放テレビの人気番組である「開運なんでも鑑定団」、そして11月1日に自治功労者表彰などを含めた50周年記念式典を行い、来年3月28日に、市民公園のさくら祭りにあわせて行うクロージングセレモニーを行い、記念事業を締めくくる予定となっております。
 こうして1年を通して様々な記念事業を実施してまいりますが、その総予算額は約2900万円となっております。市制施行50周年記念事業は、市民の皆さんが参加して初めて成功に結びつくものでありますので、小さなお子さんからご高齢の方まで、ぜひ、多くの皆さんのご参加を心からお願いを申し上げるしだいです。
 以上が、4点にわたる基本方針に基づいて編成した平成21年度予算の主な施策でありますが、こうした施策を実行しながら、蕨市の借金は、全会計で約5億5千万円少なくなる見込みであり、20年度と合わせると、12億円以上、減少する予定であります。また、市の貯金である財政調整基金も、20年度は、今議会での補正により全額を繰り戻し、年度当初よりも若干増額できる見通しであり、21年度予算でも、20年度当初予算より少ない2億1千万円程度の繰り入れにとどめることが出来るなど、厳しい中でも、いわゆるプライマリーバランスのとれた健全な予算となっておりますこともご報告しておきます。
 今日、第二期地方分権改革の真っ只中でありますが、私は、今後、紆余曲折はあっても、地方分権は、さらに推進されていくものと考えています。それは、市民の幸せを実現するには、地域の実情がよく分かり、市民の目も届き、市民も参加できる市町村こそが、その主要な仕事を担うべきだからであります。だからこそ、今日、地方分権改革の最大の課題が、住民のまちづくりへの参加、住民自治の強化にあるわけであります。
 その点で、日本一小さな市である蕨は、成年式発祥の地としての誇り、すぐれた歴史と文化、市民の皆さんの積極的なまちづくりへの参加など、まさに先進市であります。このような時代に、蕨市が、5年前の合併問題をはじめ、幾多の試練を乗り越え、日本一小さな市として市制施行50周年を迎えることは、本当に感慨深いものがあります。私は、これからの日本において、蕨のような小さな市の出番であると確信をしております。
 もちろん、今日の厳しい社会経済状況の中で、蕨市にとって、困難な課題は少なくありません。しかし、どんな難局も、市長自身が市民の中に入り、市民の皆さんとの率直な対話を行い、市民の皆さんと一つになって、この難局に立ち向かうならば、必ず、それを乗り越え、蕨は、今後更に限りない発展を遂げられると確信しています。
 私は、一昨年の市長就任挨拶において、「蕨は一つ」の立場で、全ての市民のための市政運営をつらぬき、7万市民の幸せと生まれ育った蕨の発展のために力を尽くすとお約束しましたが、引き続き、この立場を堅持し、蕨の更なる発展のために頑張り抜く決意であります。どうか、議員の皆さんをはじめ、市民の皆さんの市政運営に対するいっそうのご支援を心からお願い申し上げ、施政方針といたします。

(平成21年2月23日)

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