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蕨の歴史

最終更新日:2016年4月27日

蕨の歴史(開拓)

奥東京湾の海面下にあった蕨は、やがて地上にその姿を現わし、湿地帯を形成していました。その上に荒川のはん濫で運ばれた土砂がたい積して、海抜4メートルから6メートルの高地がつくられました。
この高地に人間が定住し、開発が進められたのは、平安時代末期のころです。言い伝えには、金子右馬之助家忠の一族が、平安末期の保元の乱(1156年)や平治の乱(1159年)を避けて蕨本村(法華田(ほっけだ)、現在の錦町5丁目付近)に落ちのびてきて、蕨開発の祖となったと伝えています。鎌倉時代に入ると、土豪を中心にある程度の集落ができていたようです。これは、市内に現存する鎌倉時代の板碑からも、うかがい知ることができます。

蕨の歴史(戦国時代)

長禄2年(1458年)古河公方に対抗するため、渋川義鏡(よしかね)が関東探題に任命され、蕨城主になりました。それから間もなく応仁の乱(1467年)が起こり戦国時代に突入、全国各地に戦火が広がっていきました。北条氏の武蔵進出で、その支配下に入った蕨城は、大永4年(1524年)に扇谷(上杉氏)朝興軍に攻められ、ついに落城しました。永禄7年(1564年)岩槻太田氏は世継ぎ問題をきつかけに北条氏の勢力下になり、渋川氏も再び北条氏に属するようになりました。このように蕨周辺は群雄割拠し、戦国大名の勢力範囲はめまぐるしく変化していました。このころ蕨では六斎市が開かれ、物資の交流が行われていて、現在、錦町6丁目の「一六橋」の名称が当時の名残をとどめています。永禄10年(1567年)蕨城主渋川義基(よしもと)は、北条方の援軍として上総(千葉県の一部)三舟山に出陣戦死しました。戦いに敗れた渋川氏の家臣たちは、その後、蕨城周辺に帰農し、沼沢地帯の干拓を行い塚越新田を開きました。

蕨の歴史(天正から慶長)

天正18年(1590年)徳川家康が関東に入国し、翌19年には三学院に寺領20石を寄進しています。江戸幕府は、封建体制確立のため街道の整備に着手し、各地に宿駅を設置しましたが、蕨宿は慶長17年(1612年)ごろ成立し、中山道の宿駅として発展をとげました。

蕨の歴史(江戸から明治維新)

江戸時代の蕨宿の町並みは南北に約10町(約1.1キロメートル)続き、この町裏に用水を堀りめぐらして、宿の防備や防火に備えました。
参勤交代の大名や公家の休泊施設である本陣は、蕨宿では、加兵衛家と五郎兵衛家が代々務め、宿場の中央に向かい合うようにして建っていました。加兵衛家には老中・水野忠邦や松平加賀守などが休泊し、文久元年(1861年)の皇女和宮降嫁の際には休憩所となり、大政奉還後の明治元年と同3年の明治天皇大宮氷川神社行幸時にも小休所になりました。現在は、蕨本陣跡として公開しています。

蕨の歴史(明治から現代)

明治3年(1870年)石川直中は下蕨に郷学校を開き、近代学校教育の基礎を築きました。明治22年(1889年)には蕨宿と塚越村が合併して蕨町が誕生しました。同26年に念願の蕨駅が開設され、町民あげての祝賀会が催されました。大正4年(1915年)には「ワラビ」を図案化した紋章が画家の間宮孝太郎によって考案されました。第二次大戦後、町村合併が促進され、蕨町、戸田町、美笹村の三町村合併がまとまりかけましたが実現しませんでした。昭和34年、蕨町単独で市制を施行して今日に至っています。

「わらび」地名の由来

わらび地名の由来は「蕨」説と、「藁火」がなまって蕨になったとする説が伝えられています。
まず、「蕨」説は、近隣の戸田市や川口市にもある地名の青木、笹目、美女木などの植物にならって名付けたとか、僧慈鎮(じちん)の「武蔵野の草葉にまさるさわらびをげにむらさきの塵かとぞみる」の歌をもって「蕨」としたなどです。
「藁火」説は、源義経が立ちのぼる煙を見て「藁火村」と名づけたとか、在原業平が藁をたいてもてなしをうけたところから「藁火」と命名したなどです。
文献上、初めて「わらび」が見られるのは観応3年(1352年)6月29日付「賀上家文書」で、「蕨郷上下」と記されています。

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